育種学研究
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2 巻, 1 号
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  • 山口 修, 馬場 孝秀, 古庄 雅彦
    2000 年 2 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    ビール大麦に発生する被害粒の一つである凸腹粒発生の気象要因と発生時期について調査した. 1989-1997年度の凸腹粒の発生には年次間差があり, 1990, 1994, 1996, 1997年度で多発し, また品種間差があった. 各年度の凸腹粒発生と成熟期前15日間の降水量との関係を解析した結果, 成熟期前15日間における25mm以上降雨日数との間で有意な正の相関が見られ, その日数が2日以上の年には凸腹粒が多発した. そこで1997年度のあまぎ二条を供試し, 成熟期前14日, 同9日, 同4日に穂をパラフイン紙で覆い, その後の降雨を回避したところ, 成熟期前14日と同9日以降の降雨を回避した穂は凸腹粒の発生はなかったが, 同4日以降の降雨を回避した穂では, 無処理の穂と同程度に凸腹粒が発生した. このことは, 成熟期前4日以前の降雨で凸腹粒がすでに発生し, その後の降雨は凸腹粒の発生に影響しないことを示している. したがって, 登熟中後期から成熟期までの断続的な人工降雨処理により, 凸腹粒抵抗性選抜の可能性が示唆された.
  • 高田 兼則, 山内 宏昭, 入来 規雄, 桑原 達雄
    2000 年 2 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    製パン性に負の効果をもつ高分子量グルテニン (HMWG) サブユニット2+12をもつにも関わらず, セミ・ハードクラスと評価されるハルユタカの製パン性について, 高製パン性力ナダ品種のKatepwaとの交配に由来するF7世代32系統を用いて調査した. ハルユタカのHMWGサブユニットは1, 17+18, 2+12であり, Katepwaは2, 7+9, 5+10であった. 1と2および17+18と7+9サブユニットの間には製パン性の指標に有意差はなかった. 2+12と5+10サブユニットも, 蛋白質含量およびファリノグラフの生地形成時間および弱化度には有意な差はなかった. しかし, SDS-セディメンテーションテストの沈降量 (P<0.01) やパン生地破断時の物性値である破断力 (P<0.001) およびパン比容積 (P<0.01) は5+10系統が2+12系統より有意に高かった. 一方, 破断変形量は2+12系統が5+10系統より大きかった (P<0.001). また, Glu-D1およびパン比容積と破断力の関係では, 破断力はパン比容積と有意な相関を示し (r=0.716, P<0.001), 5+10系統が2+12系統よりも破断力が高くパン比容積が高い傾向であった. Glu-D1およびパン比容積と破断変形量では, 破断変形量が小さいコムギのパン比容積が高く (r=-0.703, P<0.001), 5+10系統が2+12系統よりも破断変形量が小さくパン比容積が高い傾向であった. ハルユタカの破断変形量は2+12系統の平均値に近い値をしめしたが, 破断力はどちらかというと5+10系統に近い値であった. 2+12系統の中にもハルユタカと同様の破断力を示す系統が認められ, これらの比容積はKatepwaにはおよばないが5+10系統に近かった. ハルユタカは破断力を高めるHMWG以外の蛋白組成をもっており, これが製パン性に寄与していると推測された.
  • 西村 実, 梶 亮太, 小川 紹文
    2000 年 2 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    本研究は日本国内の多数の水稲新旧品種を用いて普通期栽培に加えて早期栽培を行うことにより高温環境を設定し, それによって登熟期の高温が玄米の品質に及ぼす影響の品種間差異について検討したものである. 良質米率および千粒重はほとんどの品種において早期栽培 (高温区) で普通期栽培 (対照区) より低い値を示した.良質米率の低下要因の多くは乳白米, 背白米および基白米の多発であった. 北陸地域で近年育成された品種のほとんどは, 早期の高温環境においても良質米率が低下しにくい傾向にあることが明らかとなった. これらの品種はコシヒカリ, 越路早生, フクヒカリ, フクホナミ, ゆきの精等であり, いずれもコシヒカリと類縁関係にあるものであった. これは北陸地域における品種の登熟期が7月後半から8月前半の高温期にあたり, その中で品種育成が行われ, 必然的に玄米品質に関して高温耐性の高い遺伝子型が選抜されてきたことによるものと考えられた. 旧品種および北陸以外の地域で育成された新品種では, 高温環境で玄米品質が劣化し易いものと劣化し難いものが混在していた. 以上のように, 出穂後の高温によって玄米品質が低下する傾向にあり, また, 玄米品質の高温ストレス耐性は, 遺伝的制御を受けているとみられ, コシヒカリの近縁品種で高いことが明らかとなった.
  • 楊 岱箔, 石川 充仁, 丹羽 勝
    2000 年 2 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    日長反応性を異にするダイズ品種間交雑‘黒河5号×アキセンゴク’および‘黒河5号×No.29’後代の組換え型自殖系統 (RILs) を養成し, F6個体における自然日長下の第1開花迄日数を調査するとともに, その次代F7個体におけるRFLPマーカーGmN93の分離を観察した. その結果, GmN93の遺伝子型によって開花迄日数に関する系統間差異があり, このマーカーと連鎖する主働遺伝子がこれら交雑組合せ後代の開花期の分離に関与していることが示唆された. さらに, これら2組合せの交雑に由来するF6: 7RILsからそれぞれ14系統をランダムに選び, 12月18日から6月16日にかけて45日間隔で5回に分けて10日齢の植物を移植し, 28℃ 自然日長条件下での第1開花迄日数の移植日による変化を調査し, それぞれの系統における感光性, 基本栄養成長性, 適日長限界を推定した. その結果, RILsの開花期は主として感光性によって決定されること, また, 基本栄養成長性ともやや関連しているが, 適日長限界とは関係ないことが明らかになった.
  • 樽本 勲
    2000 年 2 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    ソルガム葉面の光沢性についての3型, 真光沢性品種 (遺伝子型は未同定, 以下tg), 光沢性品種 (glgl, 以下g) 及び非光沢性品種 (GlGl, 以下G) の間で交配し, 23組合せのF1及びF2を供試して光沢性の表現型分離から遺伝様式を検討した. F1において, gはtgに, Gはtgに, Gはgに, それぞれ優性に発現した. また, F2で分離が見られた (tg×g), (tg×G), (g×G) における分離比は, それぞれ (3: 1) の期待比に良く適合した. この結果から, ソルガム葉面の光沢性について, 真光沢性 (tg), 光沢性 (g), 非光沢性 (G) は, 同一遺伝子座にある複対立遺伝子により決定されると考察される. 非光沢性遺伝子 (GL→gl+ に改変), 光沢性遺伝子 (glgl1) に加えて, 本研究で新たに同定された真光沢性遺伝子にgl2の遺伝子記号をつけることを提唱する (gl+>gl1>gl2).
  • 佐々木 卓治, 馬場 知哉, 山本 公子, 呉 健忠, 片寄 裕一, 坂田 克己, 松本 隆, 矢野 昌裕
    2000 年 2 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 2 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 2 巻 1 号 p. 47-47,49
    発行日: 2000/03/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
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