パンコムギ品種「関東107号」における
Wx-B1遺伝子の変異は,麺用コムギに適する「やや低アミロース」形質の要因であり,育種における重要な選抜指標となっている.その変異の原因がコード領域全体の欠失であることは既に報告されているが,そのゲノム上での欠失点はまだ明らかにされていない.そこで,本研究では,コムギEST情報,オオムギおよびヒトツブコムギの
waxy遺伝子を含むBACクローン塩基配列情報,さらにはイネゲノム情報を利用してマーカーを作製することにより,1)
Wx-B1遺伝子下流の欠失点は,終止コドンから3.3 kbから6 kbの間に存在すること,2)同欠失により,
Wx-B1遺伝子の下流に存在する機能未知の遺伝子も同時に欠失していることを明らかにした.
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