Fを一般化された近交係数とする時、ループを成す系図中でFの成分を変える変換マトリックスm
uが存在するが、m
u=m
um
0の如くにm
uなるマトリックスを分解し、m
uの成分を組み換えの確率を用いて示した。ここで、連鎖する3遺伝子座を考慮に入れた。これらのマトリックスm
0、m
u、m
uの成分の値を高速電子計算機により計算した。計算例に用いた条件は、第1番目の遺伝子座と第2番目の遺伝子座との間における組み換えの確率を0.10とし、第2番目と第3番目の遺伝子座との間における組み換えの確率を0.05とした。以上の計算例について、ループ内の個体数が増すに従い、m
uの第8行の成分が1に近づき、他の成分は0に近づくことが分った。また、u=3のループについての計算例からは、K
12で表わされる交叉の干渉が減ずるに従ってマトリックスm
uの第8行の成分が一般に増すことが見られた。
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