育種学雑誌
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21 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 片山 平
    1971 年 21 巻 5 号 p. 241-246
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    すでに、SPARROWら(1953;1961a,b;1962;1964;1965)によって、高等植物の放射線感受性と核容積、中間期染色体容積(ICV)との間には、高い負の相関々係のあることが報告されている。一方、イネ属植物の種、品種、系統についての放射線感受性は、種間、品種間、系統間で、かなりの差異のあることが認められている(KAWAI 1962、FUJII and MATSUMURA 1959、NAGAMATSU and KATAYAMA 1959、FUJII 1962)。本研究は、イネ属の二倍性植物を用いて、種および系統間の放射線感受性と核当りDNA含量との関係を明らかにすることを目的として行った。イネ属植物の各ゲノムに属する二倍種について、核当りDNA含量を測定した結果は、すでに報告したところであるが(KATAYAMA 1967)、本研究では、とくに、A、BおよびCゲノムに属する種または系統に関して、同一ゲノムに属する異なる種または系統間の核当りDNA含量の変異をしらべた。結果は第1表にまとめた様に、ゲノム内では有意な差は認められなかった。この結果は前報(KATAYAMA 1967)のそれと同様であることを示すものである。一方、乾燥種子に対して、<60>Coの20、36、45kRを19.74kR/hの線量率で照射し、発芽率、幼苗長、生存率を測定し、さらに、対照区の幼苗長に対して50%の伸長阻害を示す照射線量を推定した。イネ属植物では、感受性には関係なく、かなりの大線量を照射した場合でも種子の発芽は完全で、その後感受性の程度に応じて幼苗は枯死する。従って、本研究で用いた程度の照射量では、全処理区とも発芽率に差異はみられない(第2表)。下種後21日目における生存率をまとめて第2表とした。同表からO.officinalis(W0002)は最も高い感受性を示して20kRで、ついでO.punctata(W1514)は36kRで、それぞれ生存個体を認めることは出来なかった。これに対して、O.sativa(I-1、I-5、I-7、I-17)は強い低抗性を示した。しかるに、これらのDNA含量は、第1表にみられる様に有意な差はなく、大体、B≒A≒Cの関係がみられている。また、DNA含量の最も少ないO.brachyantha(W023)はO.sativaについで放射線低抗性を示した。幼苗長は下種後10日目に測定した。第2表から36kR照射区における幼苗長は、それぞれの対照区に比較して、O.sativa(I-8、I-20)、O.sativa f. spontanea(Y-15)およびO.officinalis(Y-21)では約11~24%であったのに対し、同じO.sativaのI-1、I-7、I-17では70~80%と高い低抗性を示し、O.brachyantha(W023)はこれについだ。核当りDNA含量と幼苗長を50%阻止するために必要な線量との関係をまとめて第1図とした。同図からも明らかな様に、両者の間には明瞭な関係は認められない。以上の結果から、イネ属の二倍性植物に属する種および系統間の放射線感受性は、単に、核当りDNA含量のみによらず、照射によるDNA障害の修復現象との相互作用によると考えられる。この修復機構に関しては、さらに今後の研究にまたねばならない。
  • 内宮 博文, 亀谷 寿昭, 高橋 成人
    1971 年 21 巻 5 号 p. 247-250
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    近年、高等植物における半数体作成の手段として、花粉培養の有効性が実証されつつある。一方、人為的な半数体の作成は、雌性配偶子側の培養によっても期待できるはずである。しかし、これまで、TULECKE(1964)がイチョウで成功した例はあるが、被子植物ではまだ知られていないようである。著者らは、ナスの未受精胚珠とトウモロコシの受粉しない子房を用いて半数体作成の可能性を検討し、次の様な結果を得た。すなわち、トウモロコシでは2,4-D(3ppm)を添加したMURASHIGE and SK00G(1962)の基本培地でカスま形成率良く、2倍体ではあったが、根の分化をみた。ルた、カルスには半数性細胞も観察された。ナスでは、胚珠のみを単離して培養すると、珠皮は褐変し、カルス化はみられなかった。しかし、このとき、ココナットミルクは胚珠の発達に有効なように思われる。さらに、胎座などの母親組織をつけた場合には、胚珠のカルス化がすすみ、しかも、半数性細胞の分裂が確かめられた。したがって、被子植物においても、雌性組織由来の半数体を育成できるものと期待される。
  • 森田 潔
    1971 年 21 巻 5 号 p. 251-264
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    Three hundreds and eighty five varieties of “Wangul” collected from all the parts of Korea were used for the material. The coefficient of correlations higher than ±0.50 were obtained in the followin 4% of 105 combinations of characteers ; seed breadth and seed type, green stem weight and green head weight, peduncle length and peduncle number, and stem number and stem thickness. Three hundreds and eighty two and three varieties belonging to Cyperus iwasakii M. and C. glomeratus L. respectively were pigeon holed into 179 and 2 respectively, on the basis of the standards of classification.
  • 加藤 美知代, 志村 喬
    1971 年 21 巻 5 号 p. 265-268
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    ワピスケがチャとツバキの雑種かどうかを調べるため、ワピスケとチャの核型を分析した。チャの核型は2n=18V+8J+4Jtであらわすことができ、2対の付随体をもつ染色体と1対の二次のくびれをもつ染色体とが観察された。ワピスケでは、コチョウシロワピスケが2n=16V+10J+J1+J2+2Jtで、二次のくびれをもつ非相同の染色体が2本みられ、また付随体をもつ染色体が1対あった。そしてウスワピスケでは、二次のくびれをもつ染色体で非相同の染色体は見られず、1対の染色体は付随体をもち、コチョウシロワピスケでみられたものと同形であった。ツバキ、チャおよびワピスケの核型を比較すると、付随体をもつ染色体では、チャとワピスケに同じ形のものがあり、ツバキとチャにも同じ形のものがあった。二次のくびれをもつ染色体では、ツバキ、チャおよびワピスケともに共通の同じ形のものがあった。これらの結果から、ワピスケの核型は、チャとツバキの両方に関係があることが明らかになった。さらに、前報のワピスケでみられた成熟分裂や配偶子形成の異常は非相同の染色体によるものと考えられる。
  • 生沼 忠夫
    1971 年 21 巻 5 号 p. 269-274
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    Total leaf number showed high heritability values and was highly positively correlated with yield. So the selection for total leaf number was expected to have a great effect on yield.
  • 松岡 通夫
    1971 年 21 巻 5 号 p. 275-284
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    Several triploid clones (2n=33) of Hemerocallis fulva var. disticha were found in Japan. They were morphologically indistinguishable from the diploid clones of the variety. It was confirmed that H. fulva var. sempervireles was triploid. These newly reported triploid clones and the other triploids including the clones from Thailand and Tonga were investigated morphologically and cytologically.
  • 高橋 隆平
    1971 年 21 巻 5 号 p. 285-295
    発行日: 1971/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
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