国際稲研究所(IRRI)で育成されたIR28は,日本産白菜枯病菌II、IIIおよびIV群菌系に対して強い量的抵抗性を示す品種である。IR28を共通の低抗性親とする二つの交配組合せについて,それぞれ両親品種,F
1,F
2,B
1およびB
2の6集団を供試し,各集団とII,III,IV各群の菌糸を組合せて量的低抗性の遺伝解析を行った。まず尺度検定を行い,相加・優性効果のモデルによる解析には平方根尺度が適当であることを認めた。そこでこの尺度を用いて量的抵抗性に関する平均値の構成要素を推定した結果,相加的遺伝子効果,優性効果ともに統計的に有意であるが,前老の方が著しく大きいことが明らかとたった。 一部に,相加・優性効果のモデルによる解析に適当な尺度を見出すことのできない組があったが,これらの場合には,相加的遺伝子効果および優性効果のほかにエピスタシス効果をも考慮する必要があることが推測された。
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