1.水稲の出穂期を支配するE
3,E
4およびE
5遺伝子に関する7種類の固定系統について,種々の日長処理を行い,E
3,E
4およびE
5遺伝子出穂期に対する支配ヰ機構を究明した。2.各遺伝子型の日長感応性獲得期は播種後35~40日で,遺伝子型によつて多少の早晩があり,E
3.E
4およびE
5遺伝fがその早晩性にわずかながら関係しているものと推定される。3.日長感応性獲得後,E
3,E
4およびE
5遺伝子の日長に対する反応は,12~13時間日長条件下ではほとんど発現しないが,14時間以上の日長条件下においてその特異性を発現する。4.これら3遺伝子の日長に対する反応の程度の強さには,E
3,E
5くE
4なる関係があり、この関係はageの大小に、立つて変らない。5.7種類の遺伝子型の自然日長条件下における幼穂分化期は限界日長によって決定される。しかして,E
3,E
4およびE
5遺伝子は幼穂分化のための限界日長を短縮させる働きを有し、E
4遺伝子はE
3,E
5遺伝子よりもその働きが強い。6.E
3,E
4およびE
5遺伝子を多く有する遺伝子型ほど,また日長時間が長くなるほど出穂日がおくれる。これは日長処理後幼穂分化まで日数,および幼穂分化後川穂まで日数の増加による。出穂に対する短日処理の効果はageが進むほど増加する。7.以上の結果から,E
3,E
4およびE
5遺伝子の出穂期に対する立配機構について考察を行つた。
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