【目的】敗血症性ショックに対する大量置換液を用いたCHDFの離脱方法として血液浄化量を緩徐に漸減するCHDF(Tapering volume CHDF:TV-CHDF)を考案しその効果について検討した。【対象と方法】敗血症性ショックに対し,2,000mL/hr以上の置換液を透析液または置換液として用い,カテコラミン投与量,乳酸値や尿量を指標として血液浄化量を減量させるTV-CHDFのプロトコールに準じて連続72時間以上CHDFを施行した8症例を対象とした。検討項目はSOFA score,カテコラミンインデックス,および乳酸値とした。【結果】SOFA score,カテコラミンインデックス,乳酸値は経時的に減少し,ショックからも離脱した。【結語】TV-CHDFでは時間経過とともに溶質除去効率が低下するが,本検討では病態の改善と安全施行が可能であった。敗血症性ショックに対する大量置換液によるCHDFでは血液浄化量を病期・病態に応じて漸減することにより不必要に有用物質の除去を防ぎ,敗血症治療に対する血液浄化療法の1つとして有用となる可能性がある。
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