日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
22 巻 , 4 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 佐野 輝
    2011 年 22 巻 4 号 p. 225
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 中村 祐
    2011 年 22 巻 4 号 p. 227-235
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    メマンチン塩酸塩はグルタミン酸受容体サブタイプの 1 つである N-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体拮抗を作用機序とする唯一のアルツハイマー型認知症の治療剤であり,本邦では2011年より販売が開始された。メマンチン塩酸塩は過剰なグルタミン酸によるNMDA受容体の活性化を抑制することにより,神経細胞保護作用などを発揮する。また,メマンチン塩酸塩は攻撃性,行動障害等の行動・心理症状の予防・進行抑制作用がある。薬物代謝酵素による代謝の影響を受けにくい薬剤であり,主な副作用は,国内試験では,めまい,便秘,体重減少,頭痛などであり,安全性は高い。また,ドネペジル塩酸塩などのコリンエステラーゼ阻害剤と作用メカニズムが異なることから,コリンエステラーゼ阻害剤と併用が可能である点も特徴的であり,今後のアルツハイマー型認知症治療の中核的な薬剤になると期待されている。
  • 柴田 展人
    2011 年 22 巻 4 号 p. 237-240
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    アミロイド免疫療法は脳組織に沈着したアミロイドを免疫反応により減少させ,その後の神経細胞変性を生じにくくさせる治療である。当初開発されたAN1792ワクチンでは高頻度に脳髄膜炎が合併したが,脳組織からアミロイドの減少が確認されている。現在bapineuzumab を中心に,より安全なアミロイド免疫療法が第3相臨床試験に入っている。アミロイド免疫療法は抗原もしくは抗体を投与するが,それぞれのメリット,デメリットがある。アミロイド免疫療法の継続においては,頭部MRI検査を定期的に実施しながら,血管原性浮腫をモニタリングすることが重要である。周辺症状の目立つ症例では,頭部MRI検査施行には困難な場合も予想される。Apolipoprotein E4(APO E4)遺伝子型が血管原性浮腫のリスクを高めるが,APO E4以外のリスク因子の同定も今後の重要な課題である。
  • 大河内 正康, 田上 真次, 武田 雅俊
    2011 年 22 巻 4 号 p. 241-248
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    アルツハイマー病(AD)の根本的治療薬の開発が積極的に行われている。大切なことはADは臨床的に発症する前に病理過程としてはほぼ終着点に到達しているらしいことである。当然のことながら,治療とは臨床症状の改善という意味であり,予防とは今後の臨床症状の出現を防ぐことであるが,この事実のためADの場合それらの言葉で適切にコミュニケーションすること自体が難しい。いわゆる予防にあたる治療介入をして,治療と考えるべきなのである。ここでは「AD治療薬の外観」,「次世代AD姑息治療薬の外観」,「次世代AD根治薬の開発にあたっての問題点」,「次世代AD根治薬の外観(戦略・種類・長所・短所など)」,「次世代AD根治薬の現状」,「GSMの作用とその機序」,「Aß42産生比率の重要性」に分類してAD治療薬開発の現状について記した。
  • 北村 伸
    2011 年 22 巻 4 号 p. 249-252
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    3種類のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が使用できるようになった。メタ解析では,3 つの薬剤が認知機能を改善する効果には大きな違いのないことが示されている。しかし,それぞれの薬剤の薬理作用,維持量に達するまでの期間,適応,投与回数,そして剤形に違いがある。これからのアルツハイマー病の薬物治療において,医師はこれらの薬剤の選択,変更が必要になり,患者の状態の把握を十分にしておかなくてはいけない。
  • 八幡 憲明, 石井 礼花
    2011 年 22 巻 4 号 p. 253-256
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    注意欠如・多動性障害(ADHD)は,発達の水準に不相応な不注意・多動・衝動性という3 つの行動的特長を呈する障害である。従来,その病態においては実行機能の障害が示唆されていたが,近年は主に衝動性との関連から報酬系回路の障害も指摘されている。本稿では,ADHD患者において報酬系回路の活動性を検討することの意義について述べ,同分野における最近の脳機能画像研究をまとめると共に,今後の研究の発展性について検討を行う。
  • 松田 哲也, 伊藤 岳人, 鈴木 春香, 丸谷 俊之, 松島 英介, 小島 卓也
    2011 年 22 巻 4 号 p. 257-261
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    統合失調症の思考障害について,意識的・無意識的な意思決定システム,構え,自己認知という観点から考察する。我々は課題遂行時,まだそれに慣れていないときには,意識的な思考システムが優位に働くが,繰り返し行うことで無意識的な思考システムに移行する。一方,環境に変化があったときはそのシステムを必要に応じて切り替える。スムーズな思考には,このような柔軟な思考システムの切り替えが必要なのである。この切り替えには,構えが重要な役割をもつ。構えは繰り返し課題を行う中で整理され,単純化されていく。これには,自己認知(セルフ・リフレクション)による,自分の思考,行動に対する評価からの正確なフィードバック信号が必要である。思考には,これらの機能が正確に働くことが必要であるが,統合失調症は,これら一連の思考過程の何らかの異常があることで思考障害が引き起こされている可能性があるのではないかと考えられる。
  • 菅谷 渚, 池田 和隆
    2011 年 22 巻 4 号 p. 263-268
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    G蛋白質活性型内向き整流性カリウムチャネル(GIRKチャネル)は様々な依存性物質のシグナ ル伝達を担う。哺乳類においてGIRKチャネルには4つのサブユニットがあり,GIRK1 ~ 3サブユニットは主に中枢神経系に広く分布し,GIRK4サブユニットは主に心臓に存在している。著者らは,(1)GIRK2サブユニットの遺伝子配列の差異がオピオイド感受性に影響していること,(2)フルオキセチン,パロキセチン,イフェンプロジルはGIRKチャネルを阻害し,メタンフェタミン嗜好性を減弱させるが,フルボキサミンはGIRKチャネルを阻害せずメタンフェタミン嗜好性も減弱させないこと,(3)カルテ調査においてGIRKチャネル阻害能を持つ薬物に依存治療効果が期待できることを見出した。これらの研究成果から,GIRKチャネルは報酬系において鍵となる分子の1 つと考えられ,依存症治療の標的分子としても期待される。
  • 新井 誠, 市川 智恵, 宮下 光弘, 糸川 昌成
    2011 年 22 巻 4 号 p. 269-275
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    統合失調症多発家系の発端者から,反応性カルボニル化合物を解毒する律速酵素であるグリオキサラーゼI(GLO1)の遺伝子にフレームシフト変異を同定したことをきっかけに,およそ2割の統合失調症の病態が「カルボニルストレス性」である可能性を見出した。カルボニルストレス性統合失調症では,ペントシジンやビタミンB6といった生化学的所見,GLO1の遺伝子型によって早期診断が行える可能性が期待される。カルボニルスキャベンジャーとして機能するピリドキサミンが,カルボニルストレス性統合失調症の病態に根ざした治療,発症の予防薬となり,従来の抗精神病薬では難治性だった症例に対する新たな治療戦略となる可能性がある。本稿では,統合失調症におけるカルボニルストレス同定の経緯を紹介し,ペントシジンやビタミンB6が生物学的指標として個別病態を階層化するうえで有用性があること,また,統合失調症の将来的な治療法についてその展望を述べた。
  • 袴田 優子, 田ヶ谷 浩邦
    2011 年 22 巻 4 号 p. 277-295
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    認知バイアスは,不安・抑うつの強い者が情報処理の過程で示す特定の偏り(バイアス)である。たとえば,抑うつの強い者は両義にとれるような曖昧な出来事を否定的に解釈する傾向にあったり,不安の強い者は否定的な刺激により注意を払いやすい傾向にあったりする。こうした傾向が著しい場合,うつ病や不安障害の発症・維持に密接に関与すると考えられてきた。この認知バイアスを緩和する「認知バイアス調整(CBM)アプローチ」は,従来の認知バイアス測定プログラムを改変して開発された,コンピュータに基づく新しい治療プログラムである。最近のメタ分析によりCBMは,不安や抑うつ症状を改善するうえで有効であったことが示されている。さらにCBMの効果は,プログラムのパラメータ設定(例:刺激の提示時間や種類)によって大きく影響されることも示されている。そこで本稿では,認知バイアス測定プログラムの精緻化および効果的なCBMプログラムの開発を目指し,最近報告された複数のメタ分析の知見を基に,認知バイアスを検出あるいは緩和するうえで最適なパラメータ設定を整理することを目的とする。
  • 中根 允文
    2011 年 22 巻 4 号 p. 297
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 工藤 喬
    2011 年 22 巻 4 号 p. 299-300
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 岸 太郎
    2011 年 22 巻 4 号 p. 301-302
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
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