日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
29 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 岡本 泰昌
    2018 年 29 巻 2 号 p. 51
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 関口 正幸
    2018 年 29 巻 2 号 p. 53-56
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    幼若期におけるストレス被曝はその個体が成長してからの不安障害や気分障害などの発症に関してリスク因子と考えられている。ストレスホルモンであるグルココルチコイドはこの幼若期ストレスの作用機序において重要な役割を果たすと考えられているものの,新生児のグルココルチコイド被曝の成長後の情動行動への影響についての検討は少ない。そこで我々は,マウス新生児前期(生後2〜4日)にグルココルチコイド(コルチコステロン:CORT)を投与し,生育後(24〜30日齢など)の当該マウスにおいて条件性恐怖記憶を検討した。その結果,新生児前期にCORTを投与された生育後のマウスでは,恐怖条件付けにおける文脈性恐怖記憶の消去学習が強く損傷されていることを見いだした。
  • 松田 真悟
    2018 年 29 巻 2 号 p. 57-59
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    恐怖記憶と関連のある精神疾患の多くは有病率に性差が認められ,女性のほうが高い。この性差の生物学的背景を解明するために,恐怖記憶を忘れる過程(恐怖消去)に着目した研究が進められている。恐怖関連疾患の一つである外傷後ストレス障害の患者は恐怖消去の安定性が低いことから,恐怖消去の性差を担う分子機構を解明することで恐怖関連疾患の有病率の性差に対する生物学的背景の解明やそれを利用した新規治療法の開発へ発展することが期待される。
  • 山田 光彦, 赤木 希衣, 山田 美佐, 斎藤 顕宜, 岡 淳一郎
    2018 年 29 巻 2 号 p. 60-63
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    恐怖記憶は,安全な状況で想起されると消去学習が成立し一時的に減弱する。不安障害等の曝露療法にこの消去学習のプロセスが応用されている。曝露療法はある種の薬剤の併用によりその治療効果を高めることができるが,その限界も指摘されている。そのため,恐怖記憶の処理過程を制御する曝露療法併用薬の開発が希求されている。理想的な曝露療法併用薬の特徴として,①曝露療法に際しての自覚的つらさを軽減する抗不安作用を有すること,②適切な曝露を保証するために文脈情報の認知機能を低下させないこと,③恐怖記憶の消去学習を阻害しない(あるいは促進する)こと,④恐怖記憶の再固定化阻害を有することが挙げられる。今後,恐怖記憶の消去と再固定化を制御する新規薬物療法の開発が実現することが強く期待される。
  • 中本 賀寿夫, 徳山 尚吾
    2018 年 29 巻 2 号 p. 64-68
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系脂肪酸の低下は,うつ病や統合失調症などの精神疾患の病態形成と密接に関係しているとされている。一方,n-3系脂肪酸の摂取は,産後うつ病などの精神疾患の緩和やその発症率を低下させる可能性も示されている。しかしながら,これらのメカニズムについては不明である。  近年,G‐蛋白質共役型受容体の一つで中・長鎖の脂肪酸によって活性化される脂肪酸受容体GPR40/FFAR1が同定され,中枢神経系における役割が注目されている。我々はこれまでに,GPR40/FFAR1欠損(KO)オスマウスを用いた検討から,脳内の脂肪酸-GPR40/FFAR1シグナル機構の破綻が,脳内のノルアドレナリンの増加を示し,情動行動の異常を示すことを報告した。一方,GPR40/FFAR1欠損メスマウスでは,育児放棄および喰殺行動の個体数が,野生型(WT)マウスよりも増加することや,仔を巣へ運ぶレトリービング行動に異常があることを見いだしている。したがって,母性行動に本シグナル機構が関与している可能性を提唱している。以上より,脳内の脂肪酸‐GPR40/FFAR1シグナル機構の低下または破綻は,情動行動および養育行動に密接に関係している可能性が考えられる。本総説では,精神行動制御における脂肪酸受容体GPR40/FFAR1の役割と創薬への可能性について我々の成績をもとに紹介する。
  • 内田 周作
    2018 年 29 巻 2 号 p. 69-72
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    気分障害や不安障害の発症メカニズムは依然として不明であるが,遺伝的要因とストレスなどの環境要因との相互作用が,脳における遺伝子発現ネットワークに影響を及ぼすことで神経可塑性に異常が生じ,その結果発症に至ると推測されている。事実,気分障害を含むさまざまな精神疾患の病態への“遺伝子発現調節異常”の関与が示唆されている。最近,ヒストン蛋白修飾を介したエピジェネティックな遺伝子発現調節機構の脳高次機能に対する役割ならびに精神疾患の発症・病態への関与が明らかとなりつつある。本稿では,ヒトと動物モデルにおいて気分障害との関連が強く示唆されているヒストン脱アセチル化酵素のサーチュインに焦点をあて,ストレス性精神疾患に対するサーチュインの役割について紹介する。
  • 斎藤 顕宜, 山田 光彦
    2018 年 29 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    オピオイドδ(DOP)受容体は情動神経回路にかかわる脳部位に多数分布しており,情動制御に重要な役割を果たしていることが示唆されている。現在までに,多数のDOP作動薬が開発され,抗うつ様作用あるいは抗不安様作用の検討がなされた。しかし,これまでに開発されてきた化合物の多くが痙れん誘発作用を示したため,その後の研究開発は大きく制限されている。一方,我々はDOP作動薬KNT-127が痙れん誘発作用を示さないことを見いだし,KNT-127をリード化合物とした向精神薬開発を進めてきた。実験動物を用いた行動薬理学モデルの検討から,DOP作動薬KNT-127は,ベンゾジアゼピン系抗不安薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬といった既存薬のもつ有害作用を示すことなく,優れた抗うつ様作用あるいは抗不安様作用を示す知見が得られている。本総説では,DOPをターゲットとした新規向精神薬の創薬への可能性について紹介したい。
  • 福永 浩司, 塩田 倫史
    2018 年 29 巻 2 号 p. 78-82
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
    私たちはドパミンD2受容体の細胞内第3ループに結合する分子として脂肪酸結合蛋白質3(FABP3)とRabex-5を同定した。FABP3欠損マウスではD2受容体阻害薬で誘発されるカタレプシーが亢進し,認知機能,多動症,恐怖記憶消去などの障害がみられ,PTSD様の症状が観察された。このFABP3欠損マウスにみられるPTSD様の行動障害はメラトニン受容体作用薬であるラメルテオンにより改善された。次にドパミン刺激はRabex-5を介してPDGFβ受容体を活性化すると同時に,D2受容体はPDGFβ受容体と一緒に細胞内に移動して初期エンドソームとゴルジ装置に局在した。これらの細胞内小器官ではGiα3を介してERKシグナルを活性化した。このように今回見いだした細胞内D2受容体シグナルはRabex-5/PDGFβ受容体を介してERKシグナルを活性化して,線条体中型有棘神経細胞(MSNs)のスパイン形成と神経活動を調節している。
  • 前川 素子
    2018 年 29 巻 2 号 p. 83-84
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル オープンアクセス
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