独居認知症高齢者の在宅継続に向けた支援に有用な資料を得るために,在宅生活の中断までに利用した社会資源を類型化し,その特徴を明らかにすることを目的とする。近畿・中国地方の政令指定都市(大阪市を除く)の1,799の居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象に郵送質問紙調査を実施した。在宅生活を中断した独居認知症高齢者の事例を1 つ想定し,事例の属性や利用した社会資源等について尋ねた。回収された584の調査票のうち当該項目に欠損値のない520の資料を用い,クラスター分析を行った。独居認知症高齢者は社会資源により5つのクラスターに類型化され,性別,支援期間においてクラスター間に有意差が確認された。独居認知症高齢者の約15%は,限定的な社会資源の利用であり支援期間が最も短かった。今後,独居認知症高齢者が十分な社会資源を利用できない要因を明らかにする必要がある。
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