児童青年精神医学とその近接領域
Online ISSN : 2424-1652
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57 巻 , 4 号
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第56回日本児童青年精神医学会総会特集(Ⅱ)
テーマ:児童青年精神医学の基本に立ち返って
研修
シンポジウム1:自閉スペクトラム症における思春期症例の問題行動─情緒と素行の問題を中心に─
シンポジウム2:自閉症の療育指導
シンポジウム3:子どものトラウマへの根拠に基づく治療について
シンポジウム4:子どもの自殺の危機介入と支援
シンポジウム5:小児の摂食障害入院治療における課題と取り組みについて
原著
  • 足立 匡基, 高柳 伸哉, 吉田 恵心, 安田 小響, 大里 絢子, 田中 勝則, 増田 貴人, 栗林 理人, 斉藤 まなぶ, 中村 和彦
    2016 年 57 巻 4 号 p. 603-617
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    5歳児に対するASSQ短縮版の妥当性について検証することを目的とし,5歳児群1919名(男児1002名,うちASDの診断のあるもの59名(男児37名)と小学校2年生から中学校2年生4374名(男児2221名)を対象にASSQ短縮版を施行し,分析を行った。確認的因子分析の結果から,5歳児での因子構造は,学齢期と同様であることが確認されたが,多母集団同時分析から,群間で因子負荷量が異なることが示された。また,年齢群(5歳児:学齢期)×性別(男:女)の2要因分散分析では,年齢,性別に主効果が見られ,交互作用は有意ではなかった。一方,ASDの有無を従属変数,ASSQ短縮版の3因子を独立変数とする重回帰分析からは,それぞれの因子が診断を有意に予測することが示された。さらに男女別のROC分析からは,良好な識別精度が示され(AUC=男児.92,女児.91),学齢期での得点と様相が異なるものの,ASSQ短縮版は5歳児のASDを一定の精度で識別できる可能性が示された。5歳児におけるスクリーニングを目的としたカットオフ値は,男児で3点(感度.94,特異度.81),女児で4点(感度.73,特異度.94),ASDが強く疑われるカットオフ値は,男女ともに8点(男児=感度.49,特異度.99;女児=感度.54,特異度.98)という設定が妥当であると考えられた。後者のカットオフ値での陽性的中率は,男児で61%,女児で53%であり,ASDの比較的強い疑いを示すカットオフ値として機能すると考えられる。

研究資料
  • 松本 美希, 河邉 憲太郎, 近藤 静香, 妹尾 香苗, 越智 麻里奈, 岡 靖哲, 堀内 史枝
    2016 年 57 巻 4 号 p. 618-627
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    本研究は,自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders: ASD)児の認知特性,特に視覚性注意機能の特徴をCog Health認知機能検査を用いて明らかにすることを目的とした。愛媛大学医学部附属病院精神科に外来受診中の7~15歳のASD児37例と,7~15歳の健常対象児131例を対象とした。ASD群にはCog Health認知機能評価の1カ月以内にWechsler Intelligence Scale for Children(WISC)を用いて知的水準を評価し,両群に対しCog Health認知機能検査を用いて注意機能およびワーキングメモリーの評価を行った。知的能力とCog Health各課題の正答率の関連については,遅延再生課題の正答率のみ知能指数と有意な関連があった。遅延再生を除いた各課題の誤回答数,見込み反応数,時間切れ反応数,正答率,反応速度の結果を比較したところ,注意分散課題において対照群に比べ,ASD群の見込み反応数が有意に低く,反応速度が有意に遅く,正答率が有意に高く,注意分散課題でのASD児の優位性が明らかとなった。ASD児の中枢統合性の障害や,視覚探索能力の高さ,字義通り性などの認知機能を反映している可能性が示された。

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