血中α
2-マクログロブリン (α
2-MG) と糖, 脂質代謝との関連を明らかにするために, 健常者において血中α
2-MGのブドウ糖負荷, 脂肪負荷による変動を観察し, さらに, 糖尿病患者において血中α
2-MGの血糖コントロールによる変動を検討した。糖負荷では, 血糖値の上昇とともに血中α
2-MGは有意の低下を示した。また, 脂肪負荷では, 血中α
2-MGはレムナント様リボ蛋白コレステロールの増加とほぼ平行して有意に増加した。糖尿病患者では, 血中α
2-MGは健常者に比して有意に高値であり, 血糖コントロールの改善にともない, 血中α
2-MGの有意の低下が認められた。血中のプロテアーゼインヒビターとして知られているα
2-MGであるが, 糖, 脂質代謝と密接に関連しており, 糖尿病患者では, 健常者に比して高値を示し, 血中α
2-MG値は糖尿病時の代謝異常を反映する指標となりうる可能性があると思われた。
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