本論文は, 買物交通を対象として, 頻度, 目的地, 交通手段, 駐車場選択を含む広範囲な選択のための階層モデルを, 非集計ネスティッド・ロジット・モデルを応用して開発したものである. 目的地選択については2段階のサブ階層モデルを提案し, また目的地選択と手段選択の順序を検討するために, 2種類のヒェラルキー構造を検討している. 本研究で使用したデータは, 長岡市内において買回り品と最寄り品の買物交通について実施したアンケート調査により収集したものである. 得られた結果によれば, 有意義な構造は目的地選択を上位とし, 手段選択を下位とする順序である. 本モデルの感度分析を行うことにより, 駐車場整備・政策や大型店床面積が買物行動に及ぼす影響を広範囲に比較できることが示されている.
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