土木学会論文集
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1997 巻, 571 号
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  • 藤原 浩已, 長瀧 重義, 堂園 昭人, 小畠 明
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 1-13
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高流動コンクリートは型枠内に自己充填することが期待されるものであるが, 実際には水とは異なり, その自己充填性には限界が存在する. 本研究は高流動コンクリートの自己充填性は, 型枠との摩擦抵抗, コンクリートの内部摩擦角および鉄筋による抵抗の3つの要因によって決まるものとしたモデルを構築し, それらの要因について定量的な評価を行なった. また, モデル型枠および実際の構造物において高流動コンクリートを打ち込み充填性を評価するとともに, モデルの検証を行なった. その結果モデルの適合性が確認され, これをもとに高流動コンクリートの型枠内自己充填性の予測方法を提案するに至ったものである.
  • 竹内 徹, 長瀧 重義, 大即 信明, 番匠谷 英司
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 15-25
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの凝結時間を長時間遅延させ, さらにスランプを長時間保持させることが可能となれば凝結遅延コンクリートの適用範囲が大幅に拡大するものと考えられる. 本研究は, コンクリートのスランプを数日間保持させ, その後速やかに凝結する高機能性コンクリートを開発することを目的とした. 遅延性の大きい凝結遅延剤と分散性やスランプ保持性を有する高性能AE減水剤を併用し, これらの種類, 組合せおよび添加率を変化させて凝結遅延性, スランプの経時変化, および圧縮強度について検討した. また, セメント粒子へのこれらの混和剤の見掛け吸着量についても検討を加えた.
  • 坂田 昇, 丸山 久一, 泉 達男
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 27-36
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    著者らは, 増粘剤ウェランガムをコンクリートに少量添加することで, 高流動コンクリートの自己充填性が向上するなど, コンクリートの性質が大幅に変わることを明らかとした. しかし, ウェランガムを用いた高流動コンクリートとしては, 限られた材料についての検討が行われているだけである. そこで, 本論文ではウェランガムと各種高性能減水剤との相性及び各種粉体との相性について実験的に検討した. その結果,今回検討した範囲で高性能減水剤及び粉体の種類にかかわらず, ウェランガムは高流動コンクリートあるいはモルタルの流動性の安定に効果を発揮することが分かった. また, セメントに石灰石微粉末, 高炉スラグ微粉末及びフライアッシュを混入した粉体を用いた場合, ウェランガムを添加することによって流動性の経時変化が小さくなる結果となった.
  • 松尾 栄治, 松下 博通, 牧角 龍憲
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 37-48
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの大幅な軽量化を図るために, 比重が0.02以下である発泡ポリスチレンビーズを粗骨材とした超軽量コンクリートの乾燥収縮性状の評価と対策法を示し, 超軽量域における圧縮強度を中心とした強度性状を把握し, さらに炭素繊維の短繊維を用いたモルタルマトリックス補強による強度改善効果と補強機構について論じた.
    その結果, コンクリートの比重1.5~2.0程度の範囲では人工軽量細骨材の併用により, また比重1.2前後の超軽量域では短繊維補強により比強度的に有利な軽量コンクリートが得られた. また短繊維補強機構をモルタル強度との関係から考察した.
  • 魚本 健人, 吉沢 勝, 増田 克洋, 加藤 佳孝
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 49-56
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    耐久設計とは, コンクリート構造物が供用期間中に十分な耐久性を保持することを確認する耐久性に対する検討のことである. 耐久設計を道路橋等に適用する場合には疲労荷重による影響を考慮する必要があるが, 疲労荷重を劣化外力としたときの評価方法は耐久設計に取り上げられていない. そこで本研究ではニューラルネットワークを用いて各要因の感度解析を行い, 耐久設計において疲労荷重として大型車交通量を劣化外力としたときの評価方法について検討を行った. 検討の結果, ニューラルネットワークを用いて大型車交通量の影響を明らかとし, 定量的に評価することが可能となった.
  • 篠田 佳男, 河野 一徳, 田中 伯明, 大野 琢海
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 57-67
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は平滑なコンクリート接合面におけるせん断伝達のメカニズムとして, 鉄筋のダウエル作用に着目して検討を行った. 実験は Push-off 型一面せん断試験体を使用し, D25やD32と比較的太径の鉄筋についてせん断伝達メカニズムを把握するために行った. その結果, せん断力は平滑な接合面を貫通する鉄筋の曲げにより, 接合面から鉄筋径の5倍以内と局部的な領域で抵抗することが明らかとなった. さらに, 鉄筋の全塑性状態に着目した降伏せん断強度式を提案し, その妥当性を示した.
  • 濱田 秀則, 福手 勤, 石井 光裕
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 69-78
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    フライアッシュはこれまでにコンクリート用混和材として使用されてきた. しかし, 近年その品質変動が大きくなったため, その利用が減少している. 本研究において対象とした分級フライアッシュとは, フライアッシュの原粉から粒径の小さい粒子 (最大粒径が20μm) のみを取り出したものである. 本研究は, この分級フライアッシュを港湾構造物をはじめ海洋環境下において建設される構造物へ適用していくための基礎的データを得ることを目的としている. 一連の実験結果より, 分級フライアッシュを用いたコンクリートは, フレッシュ時の性状および硬化後の性状が優れており, 港湾・海洋構造物へ適用していくことが十分可能であることが明らかとなつた.
  • 幸左 賢二, 藤井 學, 小林 和夫, 粟根 聡
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 79-89
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    内外併用ケーブル方式PC橋においては, 内外ケーブル比率が終局挙動に与える影響が大きく, その影響を十分評価する必要がある. そこで, 内外ケーブル比率, 荷重載荷幅, ケーブル固定長などをパラメーターとした実験および解析を実施した. その結果, 終局耐力は外ケーブル比率に比例してほぼ直線的に低下すること, フレームモデルを用いた解析と実験結果は一致する挙動を示すことが明らかとなった. しかしながら, 引張鉄筋量の極端に少ない試験体では, ひびわれ分散性および耐力が極端に低下する結果となった.
  • 笹谷 輝彦, 鳥居 和之, 佐藤 健一, 川村 満紀
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 91-104
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 海洋環境下に約7年間暴露したコンクリートブロックからコアを採取し, 各種コンクリートの塩化物イオンの拡散係数, 塩化物イオン透過量 (クーロン) および比抵抗を比較検討した. その結果, 混和材 (フライアッシュ, 高炉スラグ微粉末およびシリカフューム) を使用したコンクリートは同一水セメント比の普通セメントコンクリートと比較して長期にわたり優れた塩分浸透の抑制効果が期待できることが確認された. また, 海洋暴露開始時に急速塩化物イオン透過性試験 (AASHTO T277) より求めた塩化物イオン透過最 (クーロン) と海洋環境暴露下におけるコンクリートへの塩分浸透深さおよび塩化物イオンの拡散係数との間には良好な関係が存在することが明らかになった.
  • 青木 茂, 三浦 律彦, 三浦 尚
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 105-117
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    連壁コンクリートの壁体強度は深さ方向に増加する傾向があるが, その強度増加のメカニズムは充分に解明されてはいない. この現象を高強度な壁体においても捉えるために, 極低水セメント比のコンクリートを基礎杭に打ち込み, コア供試体の強度と空隙容積の深さ方向の分布を測定した. その結果, 深さ方向に強度が増加し, 空隙容積が減少するこどが認められた. 室内試験でこのメカニズムを解明するために, 非排水三軸加圧実験を行った. 実験の結果, 加圧量と30nm以上の径をもつ空隙容積の関係, この空隙容積と圧縮強度の関係に高い相関のあることが明確化できた. 温度履歴養生での非排水三軸加圧強度とコア強度との検証結果を踏まえ, 地中壁体の深さ方向の強度推定式を提案した.
  • 國分 修一, 加賀谷 誠, 徳田 弘, 川上 洵
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 119-129
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    舗装用転圧コンクリートの室内および現場締固め実験において, 締固め機械の振動加速度を測定し, その周波数分析により加速度波形の乱れ度を評価した. この乱れ度は, 締固め時間の経過に伴って減少し, その後一定値に漸近すること, また, 路盤の地盤係数を一定としたとき, 修正VC値の減少に伴い減少し, さらに締固め程度, 圧縮および曲げ強度比およびRIカウント数の増加に伴い減少することから締固めの進行程度を示す指標になり得ることを明らかにした. そして, 締固め程度が特定値になるときの乱れ度は, 室内および現場実験とも地盤係数の増加に伴って増加する同一曲線上にあることを示した.
  • 枝松 良展, 山口 昇三, 岡村 甫
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 131-147
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, モルタル流動に対する細骨材の特性値である拘束水比および変形係数を, 細骨材の粒度分布特性や粒子形状から予測する方法を提案するとともに, モルタルフローにおける粉体と細骨材の役割から, これらの境界となる粒子径を明確にし, 細骨材中の微粒分および粉体中の粗粒分がモルタルフロー値に及ぼす影響を検討した. その結果, 粉体と細骨材の境界粒子径が0.09mm付近にあることが明らかとなり, 細骨材中の0.09mm以下の微粒分を粉体とし, 粉体中の0.09mm以上の粗粒分を細骨材として取り扱うことにより, モルタルの相対フロー面積比の計算値と実験値とが良い一致を示すことが明らかとなった.
  • 福田 萬大, 深沢 邦彦, 荒木 美民, 藤野 毅, 浅枝 隆
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 149-158
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    路面温度の上昇抑制機能を有する舗装を開発することで, 都市のヒートアイランド現象や路面の熱環境を緩和することを目的とし, そのための基礎的資料を得るため, アスファルト系, コンクリート系, 砕石系および土系の試験舗装を9種類構築した. 夏季降雨後数日間の舗装温度や熱放射などの測定結果から, アルベドの大きい白色系の舗装は黒色のアスファルト舗装よりも日中の熱放射量が大きいこと, 透水性アスファルト舗装は降雨後短時間で降雨の影響が失われ, 熱環境緩和効果は比較的小さいこと, 土系舗装は土中水分の蒸発による潜熱輸送が寄与し, 表面温度が低く最小の熱放射量を示しており, 都市の熱環境の緩和には, 土のように保水性を有する舗装材料が好ましいことが分かった.
  • 斎藤 雅道, 福田 正
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 159-167
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    舗装の修繕計画は長い期間に及ぶため, 解析期間内の予算制約を計画段階において, 厳密に設定することは一般に困難である. また, 特にプロジェクト数が多い場合, 予算制約の変化に対するライフサイクルコストの感度は一般に鈍感である. そこで, 本研究においては, これらの舗装の修繕計画におけるあいまいさを考慮するために, ファジィ最適化理論を適用した最適化システムの構築を試みた.
  • 辻 幸和, 杉山 隆文, 橋本 親典, 松浪 康行
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 169-183
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鉛直打継目をせん断耐力が最も低下するせん断スパン中央に設けたRCはりを作製し, 鉛直打継目を鋼板を主体とする金属板で被覆した場合の, 鋼板幅, 鋼板厚さ, コンクリートと鋼板の間のグラウト強度, 金属板の種類がそのはりの力学的性状に及ぼす影響について, 実験的に検討した. その結果, 鉛直打継目を鋼板で被覆することにより, 鉛直打継目が存在しないRCはり以上の耐力を得ることができ, 破壊形式はせん断圧縮破壊から曲げ引張破壊へと移行した. また, 各種試験条件の中でも, 鋼板幅および鋼板厚さが, RCはりの力学的性状に大きく影響を及ぼすことが示された. そして, 鋼板による補強のメカニズムについても考察を加えた.
  • 水野 英二, 畑中 重光
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 185-197
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    筆者らは, これまでに比較的低い側圧下におけるコンクリートの圧縮軟化挙動を再現できる構成モデルを開発してきた. 本研究では, まず, 圧縮領域のみならず引張領域を含む多軸応力下でのひずみ軟化挙動も再現できるように筆者らの圧縮軟化型コンクリート構成モデルを拡張し, 各実験データに対する本モデルの再現性について検討した. 次に, この構成モデルを三次元有限要素プログラム (FEAP) に組み込み, コンクリート試験体に対する横補強筋のコンファインド効果を検討するためのパラメトリックスタディを行った.
  • 八谷 好高, 梅野 修一, 佐藤 勝久
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 199-209
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    タックコートがアスファルト舗装の表層と基層の間の付着力に及ぼす効果について室内試験により検討した. まず, 航空機荷重が舗装表面に鉛直および水平方向に加わった場合に表・基層間に生ずる応力について解析した. 次に, 表・基層間の付着力について施工方法の異なる舗装箇所から採取した試料により調べ, 表・基層間の施工時間間隔がその境界面における付着力に及ぼす影響を調べた, そして, 付着をよくするために使用されるタックコートの効果について境界面に付着する砂などの汚れ, タックコートの養生時間, 材料の違いといった点に注目して検討を加えた. 最後に, 実際の舗装の建設・補修工事の状況を勘案して, 空港舗装に適したタックコート材料の開発を試みた.
  • 田澤 栄一, 宮澤 伸吾
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 211-219
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの自己収縮ひずみの実測値に基づき, セメントおよび混和材の種類, 水結合材比, 有効材齢の関数とする自己収縮ひずみの予測式を提案した. 既往の実測データを用いて本提案式の精度を検証するとともに, RILEMの French chapter の提案する自己収縮ひずみ予測式との比較も行い, 本提案式の適用性について検討した.
  • 小林 一輔, 宇野 祐一, 森 弥広
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 221-224
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリート構造物が酸性雨による影響を受けているか否かを判定しようとする場合には, コンクリート表層部または石灰質析出物中に窒素酸化物が含まれていることを確認する必要があり, そのための定量方法として不活性ガス中窒素分析装置による分析が有効であること, イオンクロマトグラフィー法も第1近似的には適用可能であること, などを明らかにした.
  • Supratic Gupta, 田辺 忠顕
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 225-234
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    田辺らによって提案された統一化塑性モデルについて, 詳細な検討を行った結果, いくつかの欠陥が認められた. この欠陥は, FEM解析を行う際に, 大きな障害となることが判明し, 構成則の特徴を保ちながら, 修正を行い, 新たな統一化塑性モデルを提案した新たな提案を (I1, √J2) 平面上の領域を区分して, 適切なパラメターを割り振ることが基本となっている.
  • Khan Mahmud Amanat, 田辺 忠顕
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 235-244
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では, 非局所化勾配塑性理論を用いて若材令コンクリートの破壊エネルギー特性について研究を行った. 前報に引き続いて, 若材令コンクリートめ強度低下を表現する軟化関数をより適当な形に修正し, 分離勾配影響係数を提案した. 更に提案した方法を用い, 若材令コンクリートの破壊過程について, 特に若材令コンクリートの破壊エネルギーの解析的決定に注目し, 実験結果に対する数値解析を行った. いくつかのモデルパラメータの影響について研究し, 非局所化塑性理論に基づいた破壊エネルギーの計算式を提案した.
  • 余 其俊, 張 文生, 杉田 修一, 蒋 永恵, 馮 修吉
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 245-250
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    CaO-Al2O3-SiO2-CaF2-BaSO4組成をさまざまに含む合成物, 1200~1350℃で焼成された粉砕クリンカーと有機化合物に混ぜることによって, 新しいタイプの弱アルカリ性セメント硬化促進材が開発された. この促進材が凝結を促進することができ, また重要なことに高炉セメントの初期及び長期強度, 特に初期強度を高めることを実験で示した. セメント水和作用の促進, より多くのAFtの早期形成, 水和物間のすぐれた結合, そして水和物の密実構造の形成が, 強度増加の主な理由である.
  • Xuehui An, 前川 宏一
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 251-267
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は地中鉄筋コンクリート構造の破壊解析を提示し, 経路依存性を考慮した材料構成モデルに基づき, 地中構造の破壊機構について論ずるものである. 考慮した非線形性は鉄筋コンクリート, 地盤材料および地盤構造間の応力伝達機構である. 主として鉛直荷重を支える部材のせん断破壊に着目し, 破壊に及ぼす地盤の非線形性, 地震入力の違い及び鉛直成分の有無について検討を行った. 保有する耐震性能は地盤と構造自体の非線形性を共に考慮しなければならないことが確認された.
  • 陳 建旭
    1997 年 1997 巻 571 号 p. 269-277
    発行日: 1997/08/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    この論文では, アスファルト-鉱物粒子合成体の粘弾性特性を特徴づけるのに適用できるミクロメカニカルモデルの概要を示す. この数学モデルによって, 合成体のレオロジー特性が簡単に効果的に予測できる. このモデルの有効性を示すため, 先ず, 合成体の特性に関するデータが曲げ特性試験と動的剪断応力試験によって得られた. 次いで, これらのデータは, 時間-温度重ね合わせ原理によって, 同じ尺度のマスター曲線に変換された. これらのデータによれば, 合成体硬化の効果は, 短時間の荷重や低温度に対しては比較的小さく, 長時間の荷重や高温度に対しては大きかった. また, 合成体硬化の効果は, 粒子特性はもとよりアスファルト特性に依存した. これらの特性は, ミクロメカニカルモデルによってうまく説明でき, モデルの有効性が確認された.
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