これまでの研究結果, 水ガラス系注入材のゲル構造は推定できたが, その状態はアモルファスなのか. または, 結晶性なのかは明確ではなかった. 特に経時的に強度増加をする注人材に関しては, そのゲルが時間の経過に伴って結晶性に変化しているのではないかと推測されていた. 本研究の目的の1つは. このゲル状態を明らかにするため水ガラス系注入材のゲルを粉末X線回折で検討したものである.
結果として溶液型水ガラス系注入材は, ゲル構造が異なっても, その主成分であるケイ酸ゲルの状態はすべてアモルファスであることがわかった. また経時的に強度増加をする注入材については, 約7年間ゲルの状態を追跡調査した結果, 養生年数に関係なく常にアモルファスで, ケイ酸ゲルの状態に変化はなかった. さらに, これまでほとんど調べられていなかった注入固結砂の凍結融解による強度や圧密沈下特性を求めゲル構造との関係を調べた.
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