長大斜張橋ケーブルでは, 風に起因する振動対策と角折れ緩衝対策を同時に実施しなければならない場合が生じる. 従来の対策として, 緩衝ゴムとダンパーの併用方式が一般的であった. 本論文では, 鶴見つばさ橋のケーブルを対象として, 長大斜張橋ケーブルに従来方式を適用する場合の問題点を指摘し, 問題点を解決する制振対策の検討を行った. その結果, 高減衰ゴムとダンパーの併用方式は, 同様の性能を持ちつつダンパーの取付高を低くすることが可能となり, 施工性, 維持管理性, 景観性に優れた制振方式になることが明らかとなった. その方式を鶴見つばさ橋に適用し, 模型実験実橋ケーブル振動実験を実施することにより, 本制振方式の減衰付加効果, 角折れ緩衝効果を実証した. さらに, ケーブルの挙動観測を実施して, その制振効果を確認した.
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