土木学会論文集
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1998 巻, 604 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 田上 博, 清田 勝, 樗木 武, 角 知憲
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 1-10
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, OD交通量, 整備区間, 工事期間および各期の予算が与えられている場合に, 工事期間の混雑をできるだけ抑えながら整備効果を最大にするためには, 工事リンクをどのようなグループに分け, どのような工事形態で, どのような順序でこれらのグループを工事するのが最も妥当かを決定する手法を動的計画法としてモデル化し提案する. さらに, その近似解法としてGAと比較して制御パラメータの数が少ない確率的スキーマ手法SSE (Stochastic Schimata Exploiter) による近似解法の適用を工夫し, モデル計算を通してその有用性を明らかにする.
  • 屋井 鉄雄, 中川 隆広, 石塚 順一
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 11-21
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    従来からパラメータ推定の煩雑さのためにプロビットモデルが交通需要予測に実務的に利用される機会は少なかった. しかし, 近年シミュレーション法を利用した新たなパラメータ推定方法が複数提案され, プロビットモデルの利用が再び検討され始めている. プロビットモデルは, ロジットモデルとは異なり選択肢間の相関が高いケースにおいてもその適用が可能であり, 今後の発展が期待されるが, パラメータ推定法の特性は十分に把握されていない. 本研究では著者らがすでに提案した構造化プロビットモデルを対象に, パラメータ推定の安定性の把握と利用者便益の推計特性の把握とを試み, 共に安定性を確保できる計算条件を明らかにしている.
  • 奥村 誠, 小林 潔司, 山室 良徳
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 23-34
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市間高速道路などの大規模交通施設の整備は, 輸送時間や輸送費用に影響を与え, 地域間の交易を促進して経済成長・発展に寄与すると同時に, 国土構造の再編に重要な影響を及ぼす. 本研究では都市内の住宅立地を表現する都市構造モデルと都市間交易を考慮した独占的競争モデルを組み込んだ一般均衡モデルを提案し, 都市集積のメカニズムを定式化するとともに, シミュレーション分析を通じて都市間の輸送費用の減少が国土構造や都市システム構造の発展に及ぼす影響を分析する方法を提案する.
  • 外国の影響を中心として
    韓 直林, 馬場 俊介
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 35-46
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    中国近代の鉄道黎明期から, 初の国産の設計基準の制定 (1922年) から同改訂 (1938年) に至るまでの経緯を, 活荷重と外国の影響という2点を切り口として辿る. 中国の鉄道建設の歴史は, 日本を含む列強諸国の利権争奪の歴史でもあり, 産業革命を遂行する過程で鉄道も順次発達していった欧米や日本とは, 異なる様相を呈している. 中国の鉄道ゲージが輸送の妨げとなっただけでなく, むしろそれを妨げとして活用しつつ覇権争いを進めていったことは知られているが, 列強による自国の活荷重の勝手気ままな適用は, 中国国鉄に標準設計が適用された後も, 輸送の妨げとなり続けた. その間の事情を, 設計基準の変遷を中心に据え, 当時の書物や論文の記述に基づいて明らかにしてゆくのが, 本論文の目的である.
  • 岡山 正人, 小谷 通泰
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 47-57
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    従来より筆者らは, 内航貨物船のトリップ連鎖パターンの形成メカニズムについて分析を行ってきた. その結果, 各船舶が連鎖パターンにおける第1トリップを中心に運航されていることや, 帰り荷輸送のODペアの選び方によって異なる連鎖パターンが形成されていることを明らかにした. そこで本研究では, こうして明らかにした連鎖パターンの形成メカニズムを考慮した連鎖パターンの推計手法を提案した. なお, 本手法は「帰り荷候補設定モデル」と「帰り荷OD交通量推計モデル」の2つのモデルからなり, 特にモデルの推定には船舶の交通量の希少性をポアソン分布で表現したポアソン回帰分析を用いた. また, 本手法を分析に用いたデータに適用した結果, 良好な精度で連鎖パターンの発生量を推計でき, その有効性が確認できた.
  • 徳岡 研三, 福井 義弘, 山口 義信
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 59-72
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    レールの継ぎ目部に設定されている遊間は, レール温度上昇時に発生する軌道座屈, 及びレール温度下降時に発生する継ぎ目板ボルトの曲がり・折損を防止するために設けられている. 従って, その管理は列車運転の安全を確保する上で極めて重要である. 本研究においては, 従来の遊間管理手法を改善し, これを実務に適用した成果について述べるとともに, 改善された手法から算出される危険度について, コンピュータ・シミュレーションから得られた結果と対比させ, その有効性について論証した. その結果, 改善された手法による危険度は, 危険度が大きい, 即ち軌道座屈の安全性の観点では危険領域にある部分で, 十分な信頼性のあることが定量的に確認できた. このことは, 改善された手法の導入以来, 軌道座屈による鉄道事故がほとんど発生していないことを理論的に証明するものである.
  • 桑原 雅夫
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 73-84
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本稿は, 渋滞対策として注目されている交通需要の時間平滑化に関する基礎理論, すなわち道路交通における出発時刻選択に関するこれまでの理論的な成果を解説するものである. まず, 明確な時間制約のある通勤交通を対象に1960年代後半から始められた単一ボトルネックにおける研究をレビューして, 出発時刻選択問題の均衡条件, 解の存在性・唯一性の条件などについて解説する. 次に, 単一ボトルネック分析が, 複数ボトルネックネットワークにおける分析, 費用関数に個人差がある場合の分析, ランダム効用理論の適用等へと拡張されていった内容についても概説する.
  • 高橋 和雄, 中村 百合, 清水 幸徳
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 85-98
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 雲仙普賢岳の火山災害における被災者用の応急仮設住宅の建設, 環境改善, 解体に至るまでの経緯を調査し, 災害救助法に基づく被災者用の応急住宅対策の課題を明らかにする. さらに, 応急仮設住宅入居経験者に対して実施したアンケート調査をもとに, 住環境, 周辺環境, 精神衛生対策などについて分析し, 長期災害時の住環境管理めあり方を議論する.
  • 高橋 和雄, 中村 百合, 清水 幸徳
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 99-111
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 阪神・淡路大震災から2年が経過した被災地神戸市において, 応急仮設住宅の入居者を対象に実施したヒアリング調査とアンケート調査の結果をもとに, 応急仮設住宅を長期間使用する場合の問題について明らかにする. また, 震災直後に実施されたアンケート調査の結果と比較し, 長期化による問題の変化を把握する. さらに, 別に実施した雲仙普賢岳の火山災害における応急仮設住宅入居経験者に対するアンケート調査の結果と比較して, 大都市と地方都市とで応急仮設住宅での生活で生じる問題の相違について検討し, 長期化を想定した応急仮設住宅の住環境管理, 周辺環境について考察する.
  • 羽藤 英二
    1998 年 1998 巻 604 号 p. 113-114
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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