土木学会論文集
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1998 巻, 606 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 阿部 洋一, 八谷 好高
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 1-12
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    空港舗装の設計から補修までを一連のものとして捉える空港舗装システムの構築についてわが国における現状を中心に論じている. まず, 空港舗装に要求される性能として, 走行安全性と構造安定性を詳細に吟味している. すなわち, 前者では舗装の平坦性とすべり抵抗性を, 後者では荷重支持力を検討対象としている. そして, これらの要求性能を満たすための舗装の設計, 評価, 補修方法について考察している. 設計については, 荷重ならびに環境条件を論じたあと, 構造設計法を考察している. また, 評価については舗装に対する要求性能別に検討を加え, 補修については舗装の種類別に論じている.
  • 秋本 隆, 姫野 賢治, 川村 彰, 福原 敏彦
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 13-20
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    舗装のサービス性能を評価する上で, 路面の形状特性を把握することは乗り心地の評価につながるだけでなく, 形状特性に起因するすべり問題, 騒音問題, 振動問題, 燃費問題, タイヤの摩耗問題などの解析評価に有効であり, 道路管理者にとって重要な課題である. しかし, 縦断方向のプロファイルを水準測量することは通行車両の妨げとなるばかりでなく, 多くの人手と時間, 費用を要する. 本研究では, レーザ光線を用いた非接触型でかつ通常の車両走行速度での測定が可能な縦断プロフイロメータを開発し, 大量データの迅速処理を計った. また,「逐次2点真直度測定法」の採用により, 縦断プロファイルの測定間隔は, 路面のテクスチャの解析に利用できるよう1mmピッチで±1.2mmの精度の計測とし, 縦断プロファイルの真値に限りなく近づくことができた.
  • 山端 一浩, 山田 優, 袴田 文雄, 前川 順道
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 21-29
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    排水性舗装は走行の安全性に加えて沿道環境対策にもなり, 都市内高速道路でも大いに着目されている. 使用される高粘度改質アスファルト混合物は耐流動性が高く, 耐久性がすぐれている. しかし橋梁部では水の侵入によってバインダーの付着力が低下しやすいかもしれない. そこで水浸状態での耐久性に優れた舗装構造を見出すために種々の構造について水浸ホイールトラッキング試験, 層間の付着強度試験および下層材料の力学試験を実施した. その結果, 耐久性は表層混合物のみならず, その下の境界層の工法や下層材料とも関係していること, 排水性混合物層と下層との境界の付着強度および下層材料の力学的性質と水浸ホイールトラッキング試験による耐久性評価値に高い相関性があることを見出した.
  • 野澤 伸一郎, 木下 雅敬, 築嶋 大輔, 石橋 忠良
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 31-42
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリート充填鋼管柱の接合方法として, 径の大きな鋼管内に小径の鋼管を所定長さ差し込み, その間隙をコンクリートで充填し一体化する接合構造について, 実験により耐荷機構, 終局強度について検討した. 同じ径の充填鋼管どうしの接合部の曲げ実験及び径の異なる充填鋼管の接合部の曲げせん断実験により, 接合部の終局強度は, 差し込み長・外側鋼管の強度に大きく影響すること, 外ダイヤフラムの影響がほとんど無いことが明らかになった. また, これらの実験結果から釣り合い条件を検討し, 接合部の終局強度を比較的精度よく算出する方法を見いだした.
  • 姫野 賢治, 秋本 隆, 川村 彰, 福原 敏彦
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 43-51
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    航空機と空港滑走路面特性との間の力学的な相互作用問題は, 滑走路面の維持修繕問題のみならず, 経済・環境問題にも関連ずるため, そのプロファイル特性についての定期的かつ合理的な調査が必要であることは言うまでもない. 本研究では, 関西地方の実主要空港において, GPSと組み合わせた非接触プロフィロメータによる滑走路面の現場プロファイルの正確な測定を行い, スペクトル解析, IRI, RNなどの評価手法によってその路面特性を評価した. また, その実測データに基づき, 離陸滑走中の航空機の重心位置における上下方向加速度について力学的シミュレーションを行い, 滑走路プロファイルの特性が機体の振動に及ぼす影響について検討を行った.
  • 高橋 修, 丸山 暉彦, 稲葉 武男
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 53-62
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    埋設ジョイントの主な破壊形態は桁の継ぎ目付近における横断クラックの発生であり, それに対する抵抗性が埋設ジョイントの長期供用性を左右することになる. 格子パネルを用いた型式では, 桁端部の変位による伸縮作用の影響を軽減するためにせん断層が配備されており, さらに鋼製の格子パネルによって舗装体が補強されている. 低スティフネス状態のアスファルト混合物は応力緩和が著しいため, この種の埋設ジョイントでは舗装体を補強することが重要となる. 本研究では, 格子パネルを用いた埋設ジョイントの変形挙動を実橋において観測するとともに, 格子パネルを埋め込むことによる舗装体の強度特性 (応力緩和性状) の改善について直接引張試験によって評価し, その補強効果について時間温度換算則を適用して定量的に検討した.
  • 大即 信明, 宮里 心一, 柴田 常徳, 久田 真, 長瀧 重義, Tarek Uddin Md.
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 63-73
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    水セメント比の相違が, 鉄筋コンクリートの曲げひび割れ部に形成される腐食の形成機構に及ぼす影響を, 実験的に検討した. 初めに, モルタルを用いた腐食促進試験を行い, 塩化物イオン浸透性および酸素透過性と腐食形態の関連を調べた. ここで用いた供試体は, 実構造物では測定不可能な鉄筋内部を流れる電流を測定するため, 7本に分割した鉄筋をモルタル内部に埋設した. さらに, 曲げひび割れ近傍に生じる, 鉄筋とモルタルの剥離部を考慮した. 最後に, 鉄筋コンクリート梁供試体を用いた腐食試験により, モルタル試験を検証した. この結果, 鉄筋コンクリートの曲げひび割れ部に生じる, 腐食の発生機構とその後の進行形態が明らかとなった.
  • 二羽 淳一郎, 松尾 豊史, Taweechai Sumranwanich
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 75-88
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの引張軟化曲線を実験的に決定するための新しい手法を提案した. すなわち, 修正J積分法に含まれている問題点を解決するために, 切欠きはりの繰返し載荷実験に基づき, 弾性エネルギー解放分を定量的に評価できるようにした. また, 切欠きはりのリガメント部における仮想ひび割れ幅分布の計測結果に基づき, 仮想ひび割れの進展状況を定量的に評価可能とした. これらを組み込んだ新しい軟化曲線の推定手法を, 材齢および種類の異なる各種のコンクリートに適用し, その引張軟化曲線を推定した. 各種の推定手法により得られた引張軟化曲線の相互比較から, 本手法の妥当性を検証した.
  • 岩波 光保, 鎌田 敏郎, 長瀧 重義, 大即 信明
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 89-102
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 曲げを受ける鉄筋コンクリート (RC) はりにおいて発生するひび割れ (曲げひび割れ, せん断ひび割れ, 鉄筋とコンクリートの付着ひび割れ) をモデル化した試験を行い, これらのひび割れ種類の違いがAE発生特性に及ぼす影響をAE波形パラメータ解析により明らかにした. 続いて, 比較的大型のRCはりや桟橋上部工のRCはりの曲げ載荷時にAE計測を行うことにより, モデル試験結果の妥当性を確認し, RCはりの劣化評価手法の1つとしてのAE法の可能性について検討を行った.
  • 吉武 勇, 中村 秀明, 谷本 俊夫, 浜田 純夫
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 103-110
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの断熱温度上昇量を測定する方法には, 統一した規格がなく様々な試験方法が提案され使用されているが, 多種多様な実験装置であるために同一条件下でも結果がばらつき, 他のデータと比較できない問題が生じている. またこれらの実験装置は総じて高価であり一部の研究所や企業しか保有していないのが実情である. 従って本研究では入手の簡単な断熱材である発泡スチロールを型枠として用い, そこから生じる熱損失量を計測データに加算する事で, 建設現場においても実用可能な断熱温度上昇量の推定方法について検討した.
  • 吉井 幸雄, 田邉 成, 松島 学, 三島 徹也
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 111-128
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    4本杭によって支持されたフーチングに, アンカー部のいかり材を介して引抜き荷重が作用した場合のせん断耐力設計法は, コンクリート標準示方書に示されている. しかしながら, 実験による検証は小型試験体に限られており, スケールの影響は必ずしも明確になっていない. また, せん断補強筋が配置された場合の効果も十分解明されているとは言えない現状にある. 本研究は, 実規模載荷試験を新たに実施するとともに, 既往の試験体についても検討を加え, スケールの影響, せん断補強筋の効果等の定量化を行うものである. 定着部材であるいかり材の挙動についても, 詳細な計測結果を基に検討を加え, 設計の合理化を試みる.
  • 吉井 幸雄, 飯島 政義, 齋藤 修一, 松島 学
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 129-140
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    山岳地の大型送電用鉄塔基礎に多く用いられる深礎基礎への鉄塔脚材の定着手法は, 支圧板と呼ぶリング状プレートを節状に取り付けた鉄塔脚材を基礎に埋め込むものである. 既往の引抜き模型実験の結果, 脚材定着耐力は, 支圧板からの伝達力に起因した周方向引張力によるコンクリートの割裂破壊で決定されることが判明している.
    本研究では, 模型実験により, 躯体径, 定着長およびコンクリート強度の各因子が脚材定着耐力に及ぼす影響について検討し, さらに, 破壊力学に基づく有限要素法を用いた内圧を受けるコンクリートのひび害れ進展解析により, 割裂破壊のメカニズムについて考察を加えた. これらにより, 躯体コンクリートの割裂破壊メカニズムに立脚した新たな脚材定着耐力算定式を導いた.
  • 吉井 幸雄, 飯島 政義, 齋藤 修一, 松島 学
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 141-149
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    山岳地の送電用鉄塔基礎には深礎基礎が多く用いられている. 送電用鉄塔基礎は一般の土木構造物と異なり引抜き荷重が作用する特徴を有している. 鉄塔脚の深礎基礎への定着手法は, 支圧板と呼ぶリング状プレートを節状に取り付けた鉄塔脚材を埋め込むもので, 既往の引抜き模型実験の結果, 脚材を中心とした放射状の割裂破壊を起こすことがわかっている. 本研究は, 破壊力学に基づきコンクリートの引張軟化特性を用いてひび割れの進展を考慮することにより, 軸対称擬似3次元解析を用いて模型実験結果のシミュレーションを行い, 実験的検討から求めた脚材定着耐力算定式との比較より, 提案した数値解析手法の妥当性を評価したものである.
  • 出雲 淳一
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 151-164
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, PRC (Prestressed Reinforced Concrete) はりの設計を例にとり, 曲げおよびせん断に対してぜい性破壊を生じないための最小鋼材量について検討を行うことを目的としている. 本研究では, 現行のコンクリート標準示方書の終局耐力算定方法に基づいて, コンクリート強度およびプレストレスの導入レベルをパラメータとして, 必要とされる最小鋼材量の数値解析を行い, その定量化を試みている. また, 国内外の種々の設計規準および現行のコンクリート標準示方書との比較も行いながら, PRCはりの曲げおよびせん断に対する最小鋼材量の考え方をまとめている.
  • 殷 建軍, 八谷 好高
    1998 年 1998 巻 606 号 p. 165-169
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ウィンクラーならびに弾性路床上に置かれた舗装版のたわみに関して, 弾性薄板理論に基づいた簡易計算式を明らかにした. これらの式を用いて舗装の力学定数を推定するための逆解析方法を開発した. 本論文で提案した方法の有効性についていくつかの計算例によって明らかにした. 路床モデルは逆解析結果に影響を及ぼすこと, すなわち, 同一のたわみ曲線を逆解析することにより推定された舗装版の弾性係数は, ウィンクラー路床モデルの場合が弾性路床の場合よりも高くなることが認められた.
  • 1998 年 1998 巻 606 号 p. e1
    発行日: 1998年
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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