土木学会論文集
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1999 巻, 611 号
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  • 河邑 眞, 辻子 裕二, 深堀 賢
    1999 年 1999 巻 611 号 p. 1-11
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    教師データの作成時刻と人工衛星データの撮影時刻に差のある教師データを用いて土地被覆分類を行う手法を提示する. この時間間隔の影響の評価にあたっては, マルコフ確率場に基づく因果律を利用する. この因果律に基づき教師データの信頼性を考慮した分類を実行する. この方法論を平面的なスペクトル分布の特徴評価, さらに分類結果のポスト処理に利用する方法に拡張する. 細密数値情報土地利用データの整っている愛知県名古屋市を対象として, LANDSAT TMデータを用いた土地被覆分類を行い, 土地台帳に基づく統計資料と比較する. 結果として, 時系列および平面的な因果律を用いることで, 原データでの解析に比較して, 指標値で約5倍の精度向上が認められた. また, ポスト処理を施すことにより, 指標値で誤差を1%以下とする程度の精度の向上を達成した.
  • 木下 栄蔵, 中西 昌武
    1999 年 1999 巻 611 号 p. 13-19
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    木下と中西により提唱された支配代替案法は, 評価項目の重要度が特定の代替案によって支配される場合に対処することを目的として開発された新しいタイプのAHP (Analytic Hierarchy Process) である.
    意識調査を継続的に行う場合は, 後続調査で得られた追加データを何らかの方法で先行調査の結果に反映する必要がある. 本稿は, 支配代替案法の適用における追加データの処理手法「一斉法」を提案する.
    一斉法では, 複数の支配代替案がある場合に, それぞれの支配代替案に関して導出された評価項目値が互いに一致するまで収束計算を行う. この収束値を総合評価に用いると, いずれの代替案に関する評価項目値についても, 代替案の総合評価値が同じとなり, 支配代替案法の重要な性質を保持することができる.
  • 横山 哲, 清水 浩志郎, 木村 一裕
    1999 年 1999 巻 611 号 p. 21-32
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高齢化する社会で歩行者等の移動上の安全性, 快適性を論ずる前提として, 徒歩に着目し, 歩行空間の設定上避け得ない勾配のうち, 縦断勾配の上限値と勾配区間の限界長について示すものである.
    本研究では, 道路構造により通行上の障害を最も大きく受けると考えられる車いすを用い, これの走行挙動を評価指標とした. また, これまで直線的な登坂走行のみで実験されていたものに加え, より現実の歩行空間に近い条件とするため, 走行路上に障害物を設定し, これを回避しつつ登坂するだけでなく, 降坂走行も実験に加えた. この結果, 車いす利用者が容易に走行可能な縦断勾配の上限値は5%であり, 安定した走行が可能な縦断勾配区間の長さ (限界勾配長) は, 5%勾配区間で25mであることを明らかとした.
  • 大橋 忠宏, 安藤 朝夫
    1999 年 1999 巻 611 号 p. 33-44
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    航空市場には空港管理者と航空会社, 旅客が主体として関与している. 既存研究では, 航空会社毎の路線網を所与とした上で, 旅客市場に限定して分析が行われることが多い. 従って, ハブ・スポークネットワークの形成要因や空港使用料政策に関してはこれまで理論的には殆と議論されてこなかった. 本稿では航空市場参加主体の行動に基づいたモデルを構築し, ハブ・スポークネットワークが形成される条件, 及び空港使用料政策が市場構造に与える影響について考察を行う.
  • 小林 潔司, 福山 敬, 秀島 栄三, 藤井 信行
    1999 年 1999 巻 611 号 p. 45-56
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 過疎地域における公共交通手段の維持方策として企業補助金, 及び利用者補助金に着目する. 総消費者余剰最大化方式, 総期待効用最大化方式に基づいた補助金システムの設計モデルを提案し, 過疎地域におけるバスサービスの社会的維持可能性について検討する. 鳥取県東部地域を対象として, コミュニティ集落の属性に基づいて望ましい公共交通サービスの維持方策を判定するための方法論を提案する.
  • 小林 潔司, 太田 勝久, 都 明植
    1999 年 1999 巻 611 号 p. 57-68
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では不完全情報下におけるネットワーク均衡の効率性が状況依存的な混雑料金により改善できることを示す. 状況依存的混雑料金がドライバーの経路選択に先立って事前に課徴されるか, あるいは経路選択の事後において走行実績に基づいて課徴されるかによって異なった経路誘導効果を発揮する. 交通情報に不完全性が存在する場合, 事後変動料金によりネットワーク均衡の効率性をもっとも改善できることを示すとともに, 交通情報の精度を向上させることによりドライバーの厚生状態を改善できることを示す.
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