河道平面形と相対水深を種々変化させた複断面蛇行実験を行い, 河床変動に及ぼすこれらの影響を明らかにしている. さらに, 5河川における洪水流の実測データと航空写真撮影データの分析より, 河道の蛇行度, 洪水流の相対水深, 最大流速の発生位置の関係を調べ, 蛇行度が1.015より大きな河道では, 相対水深が約0.3の値を境界として, それより大きな水深では最大流速が低水路内岸寄りに現れる複断面的蛇行流れが, それより小さな水深では外岸寄り現れる単断面的蛇行流れが現れることを明らかにした. また, 江の川について洪水中に内岸側河床で起こっている河床変動, 特に洗掘深, 堆積深および最大洗掘深の大きさを調べ, 実験水路で生じている河床変動と同様の現象が実河川でも生じていることを確認している. 最後に複断面蛇行河道の合理的な設計を行う上での課題を挙げ, 検討方法を示している.
抄録全体を表示