流域の都市化により洪水氾濫の危険が増大したことを受け, 多くの河川で河道改修が行われてきたが, 通常は, 不透水性の護岸に変更されることが多く, 河川と地下水の間で水の交換が絶たれる傾向にある. 都市域の中小河川が三面張りによって排水路と化し, 平水時には枯渇した状況にあることは衆知の通りである. こうした河川環境を改善するには, 流域本来の水循環過程である河水と地下水の連続性を再認識し, 両者の交流関係を回復することによって河道に豊かな流れを取り戻す努力が求められる. 本研究は, 河川と帯水層の間の動的な相互関係について, 実際の観測水位データを検討するとともに, 貯留関数型の水理モデルを作成して, 河道と帯水層の間の相互作用の実態について考察したものである.
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