兵庫県南部地震による表六甲河川の河川構造物被害についてデータベースを構築し, それをもとに主に護岸被害の分析を行った. まず, 表六甲河川の基本属性および河川構造物の被災箇所に関するデータベースを作成し, 被災箇所の属性情報と位置情報, 写真情報をリンクさせてその利便性を高めた. つぎに, 護岸の被害に関して, 護岸構造 (石積, ブロック積, コンクリート) と被災延長・被災率・被災形態との関係や, 被災形態と被災箇所数・被災延長との関係などを分析した. 激しい被災形態である護岸崩壊は, 震度7の地域に集中して発生していることが確認できた. 被災地の復旧・復興が進むなかで, 震災の経験を踏まえて, 表六甲河川では都市域における河川の防災・環境面の役割を考慮した整備が行われている.
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