本研究は, 高炉スラグ微粉末を混和した粉体系高流動コンクリートを寒冷地において施工する場合を想定し, 様々な配合条件, 養生条件, 環境条件に対する強度発現性を明らかにすることを目的としている. はじめに, 高炉スラグ微粉末の粉末度及び置換率を変化させたモルタル供試体を作製し, 養生方法や養生温度が強度発現性に及ぼす影響を調査した. その結果, 低温養生を行った場合, 配合によっては強度発現性に問題があること灘認されたため, 給熱養生による強度発現改善効果を検討した. 一方, 我が国の寒冷地で冬期にコンクリートを打ち込む場合, 打込み後しばらくは低温にさらされても, 冬から春への季節の変化に伴い外気温が上昇し, 強度発現が回復する可能性があると判断される. そこで, 材齢途中で温度が上昇することに伴う強度回復特性についても検討を行った.
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