設計段階で歩道橋の使用性を検討する場合, 歩行者による最大変位や最大速度を容易に算定できる田中・加藤の簡易算定法が多く利用されている. しかしながら, この簡易算定法の推定精度は歩道橋の構造対数減衰率δ
1に依存し, たとえδ
1=0.05であっても設計にとって危険側の結果 (最大で12%程度) を与えることが判明した. また, 最近では, 非共振歩調 (共振歩調から数%程度相違した歩調) に対する解析結果が歩行試験結果と比較的良く一致するとの報告もなされているが, 当然のことながら, 田中・加藤の簡易算定法では非共振歩調時における動的応答量を推定できない. そこで, 本文では, 構造対数減衰率がδ
1=0.01~0.10の歩道橋上を共振・非共振歩行する際の動的応答量を推定できる簡易式を提案し, その有用性を検討した.
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