土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
2002 巻, 706 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 梅津 敏, 小池 勝則, 大竹 公一, 八子 章
    2002 年2002 巻706 号 p. 1-6
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土木学会地球環境委員会「建設分野環境マネジメントシステム情報交換会」(1999年度~2000年度) では環境マネジメントシステムの維持・改善における重要な視点である各主体間の連携強化に向けて方策の提言を行った. 相互連携に関しては, 建設事業に関わる各主体が環境保全における自らの役割を明確認識することで, 建設事業全体で大きな管理 (PDCA) のサイクルが回されることになり, その社会的な信頼向上に大きく貢献できる. 特に, 設計者・施工者においては環境マネジメントシステムを経営上の環境リスク管理ツールと位置付けており, 計画者 (発注者) には大きな管理サイクルのドライビングフォースとして, 環境対応の是非が経営上の環境リスクとして顕在化するような取組みが期待される.
  • 尾崎 正明, 小越 眞佐司
    2002 年2002 巻706 号 p. 7-18
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市の水循環に大きな役割を果たす雑用水利用の現状を把握するため, 東京都23区内の雑用水利用施設の管理者を対象にアンケート調査を行った. その結果, 1) 行政指導規模未満の建築物においても, 水利用コストの縮減や環境保全を目的とした自主的な導入が多いこと, また, 個別循環を行っている建築物について, 2) 使用水量に占める雑用水系 (補給水含む) の割合は35%程度であること, 3) 雑用水利用施設の処理能力を使用水量の60%程度以下とすることで処理施設の稼働率 (=再生水/処理能力) が40%程度以上となること, 4) 稼働率を50%程度以上とすることで雑排水を処理して再生水とするコストが1m3当り600円程度以下となること, などが明らかとなった.
  • 松井 康弘, 山田 正人, 井上 雄三, 河村 清史, 田中 勝
    2002 年2002 巻706 号 p. 19-29
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    し尿処理施設のもたらす環境負荷を定量的に評価することを目的として, 稼働中の複数の処理方式のし尿処理施設及び汚泥再生処理センターを対象に, エネルギー消費及び二酸化炭素発生に関するライフサイクルインベントリー分析を実施した. 処理量1kl当たりのエネルギー消費量及び二酸化炭素発生量は, 従来型処理方式の19施設の平均がそれぞれ1,099MJ/kl, 74kg-CO2/klであった. 一方, 汚泥再生処理センターでは944MJ/kl, 63kg-CO2/klであったが, 発電及びコンポスト化によって約3%が削減されることが明らかとなった. また, 環境負荷に対する施設の規模, 構成プロセス, 処理水質の水準等の施設条件の影響を検討するとともに, 従来型のし尿処理施設と下水道終末処理施設, 汚泥再生処理センターの比較を試みた.
  • 浦瀬 太郎, 山本 和夫
    2002 年2002 巻706 号 p. 31-39
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    最低0.06MPa (0.6気圧) での浸漬型逆浸透装置の運転を行い, 模擬汚染地下水処理時のフラックス値, 各種物質の阻止率を調べ, 得られた物質輸送特性をモデルで解析した. 吸引ろ過でも0.030m/d程度のフラックスと90%の塩化物イオン阻止率を得ることができ, 60日の連続運転でも0.021m/dのフラックスを膜洗浄なしで得ることができた. 低圧運転時のフラックスを加圧運転時のデータから浸透圧を加味したモデルによって予測したが, 吸引ろ過で実際に得たフラックスは予測値よりも小さかった. 重金属類, 硝酸イオン, フミン質成分, ビスフェノールAなどの低圧運転時の阻止特性を Solution-Diffusion model および Extended Nernst-planck 式を用いて予測し, 実測値との比較検討を行った.
  • 佐藤 歩, 佐田 幸一
    2002 年2002 巻706 号 p. 41-49
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    プラント等での可燃性ガスや毒性ガスの漏洩事故に対する安全対策では, 漏洩ガスの平均濃度だけでなく瞬間的に生じる濃度変動を含めて評価することが重要である. 本研究では, 気流に対し前面が直角に置かれた単独の建物後流域におけるガス拡散挙動や最大濃度を評価するための風洞実験を行った. 濃度測定用のトレーサガスは建物屋根面から放出し, 高応答性の濃度計を用いて濃度変動を測定した. その結果, 建物風下近傍ではプルームが逆流域に取り込まれ, プルーム内の濃度が均一化されることが確認された. また, 瞬間濃度の確率分布から求めた最大濃度は, 濃度変動強度の大きさに応じて対数正規あるいは指数分布による推定値と良く一致し, 後流域の最大濃度は平均濃度の2~3倍程度となることを明らかにした.
  • 八谷 陽一郎, 日野 剛徳, 下山 正一, 三浦 哲彦
    2002 年2002 巻706 号 p. 51-59
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    佐賀低平地における広域地盤沈下, 地下水塩水化, 海成粘土の強度低下などの地盤環境問題は, いずれも地下水の動きが関与していると考えられる. 本報では, 地下水塩水化のメカニズムを明らかにするため, 灌漑用として季節的な地下水揚水が行われている筑紫平野最西部に位置する白石平野を対象に, 完新統と更新統上部層の水中溶存成分の鉛直移動に着日し, 水質分析, トリチウム分析, 環境同位体分析を実施した. その結果対象地域における更新世帯水層地下水の塩水化は, 完新世海成粘土層中の塩分溶脱が関与していることを見出した. 地下水塩水化のメカニズムは, 更新世帯水層地下水の季節的揚水に伴い, その上部の完新世有明粘土層 (海成層) 中に間隙水として保持されてきた堆積当時の海水 (化石水) が, 帯水層の地下水と混合希釈したものと解される.
  • 本下 晶晴, 小松 登志子, 下所 諭, Per MOLDRUP, 尾崎 則篤, 福島 武彦
    2002 年2002 巻706 号 p. 61-76
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    汚染物質のキャリアーとなり得るコロイド粒子と溶存有機物の降雨による表層土壌からの移動についてカラム実験により検討した. その結果, 無機・有機コロイドと溶存有機物の流出挙動はそれぞれ異なる, 降雨強度の影響は特に見られない, macropore の存在により無機・有機コロイドおよび溶存有機物のいずれも流出量が増加することなどが明らかとなった. 土壌から流出するコロイド粒子のうち約93%が無機性, 約7%が有機性であった. 流出する有機物のうち約14%が有機性コロイド, 約84%が溶存有機物, 約2%が粒子状有機物であった. 環境中において有機コロイドや溶存有機物により輸送が促進されるベンゾ (a) ピレンの地下水への流出濃度は約4.9×10-3(μg/L) と試算され, その危険性が示唆された.
  • 西川 肇, 藤井 壽生, 工藤 勝輝, 露木 延夫, 近藤 勉, 田原 達人
    2002 年2002 巻706 号 p. 77-85
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    河川流域における森林が緑のダムとして大きく評価されるようになってきている. 森林の保水機能を軸とした沿水・利水の対策が求めはじめられた今日, 河川流域を単位とした森林の生育状況からその保水機能を定量的に評価することが河川管理上で重要なキーポイントとなる. 本研究は, 東京都民の水瓶である多摩川小河内ダム上流域を対象に, ランドサットデータで判読した森林の生育状況と林地土壌の理学的性質との相関性を定量的に分析し, 流域の持つ森林機能について解析した.
  • Jugal BHURTEL, 樋口 隆哉, 久保田 彰子, 浮田 正夫
    2002 年2002 巻706 号 p. 87-96
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    粗大ごみの焼却によるPCDD/Fs発生ポテンシャルを評価するために, 小型バッチ式焼却炉で冷蔵庫, 洗濯機, ベッド・マットレス・ソファ類およびテレビの焼却実験を行った. その結果, すすおよび焼却灰ともに高濃度のPCDD/Fsが検出され, 冷蔵庫, 洗濯機, ベッド・マットレス・ソファ類およびテレビのそれぞれについて, すすでは91, 73, 52, 12ng-TEQ/g, 焼却灰では68, 9, 14, 8ng-TEQ/gとなった. 焼却灰の量と濃度からPCDD/Fsの発生原単位を求めたところ, それぞれの品目で3.9, 0.27, 0.90, 0.14μg-TEQ/kg-焼却物となった.
  • Willy VERSTRAETE, Farida DOULAMI, Eveline VOLCKE, Maarten TAVERNIER, H ...
    2002 年2002 巻706 号 p. 97-102
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    嫌気性消化槽の一般的性能とそれらが処理可能な廃棄物の多様性は, 過去10年間, 新しい反応槽の設計, 操作条件あるいは特殊な微生物群の使用の結果として, 確実に向上してきている, 本論文は, 嫌気性消化の展望と可能性の実例について示すものである. 嫌気性アンモニア酸化およびリン化水素を生成するリン酸発酵のような新しい栄養塩除去気性消化に付加される必要がある. メタン発酵に先立って有機酸や水素を回収するアプローチが関心を呼び起こしつつある. 有機性固形廃棄物の嫌気性消化は, エネルギー回収と京都議定書の二酸化炭素の削減の考え方を統合する方向に発展せるべきである.
  • 加納 正道, 松梨 史郎, 今村 正裕
    2002 年2002 巻706 号 p. 103-105
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top