近年開発途上国の河川では, 日本のODAによる橋梁建設が増加している. その多くは原始的河川が対象であって, 大河川の沖積部では粒径が細かく, また, 雨季の流量が長期間継続する等, 日本の河川の場合とは異なる特徴があって不安定である. かつ資料が少ない. したがって, 治水施設が施され, 豊富かつ精緻な資料を前提とした日本の河川の考え方をそのまま適用できない. そのため, 架橋位置・橋長・桁下高・局所洗掘対策等の計画検討に困難をきたすことが多い. 本論文では, 日本の開発援助により調査された信頼できる資料を用いてこれらの橋を総合的に調査し, 沖積河川の長大橋と氾濫原の橋梁という2つの課題に関し, 多数の事例に基づいて問題点の抽出・整理や現象の解明を行って, 一般的な考察と事例研究を行い, 実務遂行上重要で新しい提案を行った.
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