土木学会論文集
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2003 巻, 741 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 内藤 正明
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 3-9
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 上嶋 英機
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 12
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 大阪湾阪南2区人工干潟現地実験場について
    矢持 進, 宮本 宏隆, 大西 徹
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 13-21
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    富栄養な閉鎖性内湾である大阪湾東部域において阪南2区人工干潟の造成が計画されている. この人工干潟の造成に先立ち, 試験的に建設された現地実験場において形態別の窒素収支を海藻や小型底生動物現存量との関係から検討した. その結果, 造成後の時間経過が少ない2000年9月には, 干潟域は周辺海域への溶存態総窒素, 懸濁態窒素, 総窒素の供給源として機能したが, 藻類が濃密に増殖した2001年9月には窒素固定の場に変化していた. また, 2001年10月の優占海藻による窒素固定量を試算すると2.51kg/dayとなり, 干潟での溶存態窒素固定量の72%に相当した. このことから, 造成後1-2年程度の人工干潟域で海藻が優占した場合, 窒素循環に及ぼす海藻群落の影響の大きいことが示唆された.
  • 中村 健一, 高谷 知恵子, 斎藤 博, 網谷 貴彰, 陸田 秀実
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 23-28
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    我々は既に, 干潟土壌のフォスファターゼ活性値とアデノシントリフォスフェイト (ATP) バイオマス値を説明変数とした回帰式, すなわち干潟環境類型化式を作成した. さらにその類型化式を用いることによって干潟の環境が4種類に分類され, 定量的に環境状態を評価できることを報告した.
    本研究はこの類型化式を, 広島湾, 安芸灘にそれぞれ開口する御手洗川, 及び賀茂川の各河口干潟に適用し, 干潟環境の平面的, 立体的構造及び環境的特長を可視化ソフトを併用して解析することを目的としてなされた. 併せて, 干潟から採取した土壌に有機物を負荷し, 干潟土壌環境の変質が, 類型化式でどのように把握できるかについても検討を行った.
  • 山崎 宗広, 村上 和男, 上嶋 英機
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 29-38
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 環境修復技術における海水の流れの重要性に着目し, 停滞域の流れを制御して海水交換を促進する技術について検討した. 技術としては, 要素的な海底構造物の設置や湾口部の地形改変工法を取り上げ, 湾形を2つのタイプに分けて湾内循環流の変化機構と海水交換の変化を平面水槽実験や瀬戸内海大型水理模型実験により評価した. その結果, 湾口部が開放的であっても湾奥部が停滞しているような湾では, 海底構造物を湾口前面の位置に設置することで, 湾外の流れを導入し停滞域を解消することができる. また, 湾口部が狭く閉鎖的な湾では, 湾口部の深みを埋め込む地形改変工法が有効であり, 海水交換の改善に効果的な手段になることが分かった.
  • 森田 健二, 竹下 彰
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 39-48
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    アマモ場の分布限界水深を上限が波浪による葉条の切断もしくは株の流失現象, 下限が純光合成光量低下による枯死現象に起因するものとして捉え, 天然のアマモ群落の形成状況を基準にそれらの予測評価手法を開発し, 適用性を検討した. その結果, 砂質地盤に形成されるアマモ場の分布上限は, シールズ数が0.2以下, 底層流速が0.6m/s以下の水深帯にあることが判明した. また, アマモ場の分布下限水深は, 水中光量から補償点光量を差引いた純光合成光量の月別平均値が0となる水深で概ね表現できることが示された. 純光合成光量の月別平均値は, 海域ごとのアマモの季節的消長や光条件悪化の原因となる環境要因を解明し, アマモ場の保全・環境改善対策検討のツールとなり得ることが示された.
  • 北野 倫生, 上月 康則, 倉田 健悟, 村上 仁士, 山崎 隆之, 芳田 英朗, 水谷 雅裕
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 49-56
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    沿岸域の環境修復の目標の一つとして, 懸濁物を起点とした物質循環が円滑に作用する生態系を再生することが挙げられる. 本研究では堆積物の生物撹拌について, 内湾の表在性の堆積物食生物マナマコを対象に, 活動が鈍化する夏季に実験を行なった. 得られた結果を次に示す. 1) 水温上昇に伴い不活性化して摂食行動は行われず, 堆積物中の有機物濃度に有意な差は見られなかった. 2) 葡匐行動によって還元型硫化物濃度は減少し, その影響は表層から深さ2cmにまで及んだ. 3) 生物撹拌は埋在性の懸濁物食性二枚貝の個体数を増加させるように作用し, その結果マナマコの餌環境が向上することが示唆された.
  • 重松 孝昌, 池田 憲造, 小田 一紀
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 57-67
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 高度に利用されている閉鎖性海域において, 貧酸素水塊の発生を抑制することを目的とした鉛直循環流誘起堤体の開発を目的としたものである. 堤体の開発に当たっては, 数値計算モデルを用いて堤体断面を検討した後, 水理模型実験によってその結果の妥当性を検証するという手順を踏んだ. さらに, 水理模型実験では難しい温度成層場におけるその効果を数値計算モデルを用いて予測し, 温度成層場においても提案堤体の有効性を示している.
  • 中辻 啓二, 韓 銅珍, 山根 伸之
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 69-87
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1960年1970年代の日本の急激な経済成長にともなって, 水環境問題は全国的規模で深刻な状況に陥った. これに対して陸域から流入する有機汚濁量を制限する総量規制施策が実施された. COD (化学的酸素要求量) が指標として採用され, 削減対象になっている. 本研究では低次生態系水質予測モデルを適用し, 大阪湾における削減・規制施策が水質保全に及ぼす影響を1950年から2020年に亘って予測した. 結論から言えば, 総量規制の対象項目にCODのみならず, 窒素もリンも付け加えるべきである. その理由は, 窒素やリンはCODの内部生産に直接的に係わるからである. この種の排水規制施策と富栄養化対策, ならびに環境を再生する施策をあわせながら, 政策を展開することが好ましい.
  • 田中 昌宏, 上野 成三, 林 文慶, 新保 裕美, 高山 百合子
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 89-94
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    沿岸自然再生の具体的な計画・設計で必要となる環境評価手法について考察した. 自然再生の目標として“自立した生態系”を挙げ, それを達成するための視点として二つの生態系の連続性に着目した. 一つは局所的な岸沖方向の連続性であり, ヨシ原, 干潟, 藻場の生態学的な連続性である. もう一つは浮遊幼生期を有するベントスの再生産過程で重要な空間的に離れた干潟間の連続性, すなわち“干潟ネットワーク”である. ヨシ原, 干潟, 藻場の個々の場については, 代表生物に対する生息環境評価モデルとしてHSIモデルを提示した. さらに連続性を評価する総合評価手法については, 基本コンセプトを提示した.
  • 上嶋 英機
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 95-100
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本報は, 自然再生推進法の実現化に向けて, 閉鎖性海域の環境修復事業のための技術選定とその効果検証のために, 実海域において, 多くの環境修復技術の検証実験を行う研究プロジェクトの概要について紹介するものである. 研究の対象海域は, 環境悪化の著しい大阪湾奥の尼崎港内であり, 環境修復目的としては, 流入負荷削減, 有機懸濁物削減, 海中の栄養塩削減, 底質改善, 栄養塩の溶出量削減, 海水交換の促進であり, このための環境修復技術として, 人工干潟, 環境配慮型港湾構造物, 石積堤磯と閉鎖干潟, 筏藻場, アオサバイオマス利用, 流況制御技術について特定し, 各技術を適用するため尼崎港内に各技術の施設を設置し, そこで技術の効果検証の現地実験を行っている.
  • 増田 純雄, 淵上 勲, 山内 正仁, 土手 裕, 丸山 俊朗
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 103-110
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    産業廃棄物である焼酎蒸留粕は2003年から海洋投棄の禁止が予想されるため, その有効利用として家畜の飼料化や農業資材への応用が検討されている. 日本の家畜飼料自給率が25%である今日, 植物性産業廃棄物から家畜飼料を作製する技術は資源の有効利用と廃棄物量削減の観点から重要である.
    本論文では, 焼酎蒸留粕の地域循環資源化システムの提案とその焼酎蒸留粕と稲わらから家畜の飼料を作製する実験を行い, 1) 焼酎蒸留粕と稲わらを混合粉砕後, 圧搾ろ過を行い, ろ過残渣物に小麦粉を添加することで, 現在市販されている配合飼料と同等成分の飼料を作成できる. 2) 焼酎蒸留粕と稲わらを混合粉砕することにより, 圧搾時に稲わらの繊維が繊維膜として働き, 固形物の高除去率が得られる等の結果を得た.
  • 海野 修司, 岡本 正美, 永渕 正夫
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 111-121
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ダムや河口堰貯水池における富栄養化現象にともなって生じる利水障害等が, 深刻な社会問題となって久しい. 水深が深い貯水池においては, 湖水循環による富栄養化現象の抑制が一定の成果を収めてきているが, 河口堰貯水池のように水深が浅い貯水池における富栄養化現象に対しては, 各水域において様々な対策が試行されている段階であり, 栄養塩であるリン負荷の削減は効果的な対策の一つである. 筆者らは, 浄水場で発生する浄水汚泥をリン除去施設へ適用することで, 簡易な設備で安定したリン除去効果が得られることを実験により確認した. リン除去後の浄水汚泥は園芸用土等の再利用用途があることから, 本技術は浄水汚泥の有効利用ばかりでなく, 地域の資源循環システムを構成するモデルとなるものである.
  • 片山 浩之, 久山 哲雄, 大垣 眞一郎
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 123-130
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    東京湾および広島湾の海水中の指標微生物の濃度を測定した. F特異ファージ濃度を評価する手法として, 宿主としてWG49を用いるプラック法が優れていることがわかった. 東京湾において4時間間隔で試料を採取して調べた結果, すべての指標微生物の24時間の濃度変動は地点間, 採取月間の濃度変動に比べて十分に小さいことがわかった. 広島湾の生食用カキ捕獲海域においてすべての指標微生物の濃度が低いことがわかった. また, すべての海域において, F特異ファージは他の微生物指標に比べて濃度が低く, 100pfu/100ml以下であることが多かった. 電気伝導度, 大腸菌群およびF特異ファージを東京湾において12ヶ月にわたって測定した結果, 夏に電気伝導度が低く大腸菌群の濃度が高くなる傾向が見られた.
  • 斉藤 貢, 岩本 博幸, 眞柄 泰基
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 131-141
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    インドネシアにおいて, 汚水処理施設による水環墳汚染改善に対する支払い意志額 (WTP) をCVMによって調査し, 浄化槽方式による処理費用との比較を行った. 総便益は日本で浄化槽を設置している家庭の負担額と同程度であり, WTP自体は必ずしも低すぎるとは言えなかった. しかしながら, B/C比は1に満たなく, インドネシアでは自助により水環境改善を求めることには無理がある. 便益に見合った処理技術は総費用が3割程度になる必要があり, このためなお一層のローコストな技術開発が求められる. また, 一方において, 環境保全が持つ社会的便益を住民に理解してもらうための環境教育も重要である. 無償資金協力は, 便益の先行貯蓄となるため, 水環境汚染改善のための有効な手段である.
  • 福原 輝幸, 小寺 健太郎, 淺田 與志男, 河合 源悟
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 143-153
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県美方郡村岡町を通る国道9号沿いの道の駅「ハチ北」において, 1998年6月から2002年7月現在まで, 貯水槽集熱システム (RHCS) の稼働時間, 貯水槽水温, 貯水槽周辺地温および舗装体温度の計測を行っている. RHCSは貯水槽と集熱器で構成され, 地中熱を夏期には冷熱源として, 冬期には温熱源として利用し, 無散水舗装体の温度を通年にわたり制御する. 運転プログラムは無散水舗装体の温度, 貯水槽水温および降雪によって変更する.
    本論文では, RHCSの稼動に伴う貯水槽およびその周辺地盤の熱的挙動を調べ, RHCSの運転制御方法が稼働時間, 貯水槽水温, RHCSの地中熱採集性能および舗装体融雪性能に及ぼす影響を明らかにした.
  • 劉 予宇, 今井 剛, 浮田 正夫, 関根 雅彦, 樋口 隆哉
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 157-166
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では「厨芥ごみをディスポーザで粉砕し, 嫌気・好気消化法により分解処理をした後, 下水道に放流する」ことについて評価を行った. まず, 嫌気的条件下におけるディスポーザで粉砕した厨芥ごみの可溶化とその分解に関して, 栄養塩添加の影響を調べた. さらに異なった設定温度条件 (13, 25, 35℃) での可溶化と分解に関してその影響を調べた. 次に栄養塩を添加し, 粉砕した厨芥ごみを嫌気・好気消化法により処理する実験を同じく異なった設定温度条件で, それぞれ行った. この実験結果より物質収支を解析し, その結果から各温度における運転の総費用分析を行った, 分析結果から, 厨芥ごみの減容化特性, 装置の運転操作の安全性, 経済性の三つの面において25℃の運転温度が最適であることが示された.
  • 周 偉麗, 今井 剛, 浮田 正夫, 関根 雅彦, 樋口 隆哉
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 167-173
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, グルコースを基質としたラボスケールのUASBにおいて, 反応器内を過負荷状態維持することにより, 細胞外ポリマーを早期に蓄積させ, そのことによる, グラニュールの形成促進効果について実験的に検討した. 実験結果から, 過負荷運転と細胞外ポリマーの蓄積, 及びグラニュールの形成に密切な関係があることが明らかてなった. また, 過負荷状態の保持により, グラニュール形成期間を約40日に短縮できた. 過負荷運転を行った場合, グラニュール形成までの期間は処理性能は低下するが, グラニュールが形成され始めると速やかに回復した. SEMによる観察結果から, 負荷のかけ方によって微生物相が異なることが確認された.
  • 青柳 みどり, 四蔵 茂雄, 原田 秀樹
    2003 年 2003 巻 741 号 p. 177-181
    発行日: 2003/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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