土木学会論文集
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2003 巻, 750 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • Masafumi MIYATA, Takahiro SUGANO, Takashi NAGAO, Masami NAKAGAWA, Grah ...
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 1-14
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    In this study, we conducted a series of loading tests to investigate load support systems of a rubble rock foundation supporting a breakwater caisson. The test results show that the loading block is supported by a small number of contact points and the contact forces have a wide range of distribution. This discrete and inhomogeneous load support system of the foundation is very different from linearly distributed load support system assumed in the current design. As a result, the bottom slab of a caisson has larger bending moments than those predicted by linearly distributed load. The test results do not show a dependence of the load support system on the foundation surface roughness made by expert divers.
  • 吉田 幸信, 高田 修三, 横田 公忠, 矢田部 龍一
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 15-25
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    石のスレーキングは, 切土のり面の長期安定や盛土材として使用した場合の盛土の沈下問題を考えるうえなどで非常に重要な現象である. 和泉層群に広く分布する頁岩もスレーキングを起こしやすい岩石として知られている. しかし, スレーキングの特性や機構は十分には解明されていない. そこで, 頁岩のスレーキング特性を把握するために, 乾湿繰返し試験を, また, スレーキングメカニズム解明のため, X線回折試験. 電子顕微鏡写真撮影および水質分析を行った. その結果, 頁岩のスレーキング特性を明らかにし, また, メカニズムとしては, 長石・雲母の溶出および膠結物 (非結晶物質) の溶出であることが明らかにした.
  • 南木 聡明, 藤田 逸郎, 小泉 淳
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 27-38
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    現在, 近接施工等の影響により, とくにトンネルの完成後に荷重の変動を受けるシールドトンネルの設計および安全性の検討には,「履歴を考慮する方法」と「履歴を考慮しない方法」との2つの方法が併用されている. しかしながら, どちらがより合理的な設計法であるかは未だ明確になっていない.
    本論文は, このような荷重の変動を受けるシールドトンネルを想定して, 土槽を用いた模型実験を行い, その結果とこれら2つの設計法による数値解析の結果とを比較し, どちらがトンネル横断方向の挙動をより明確に表現できる設計法であるかについて検討を行ったものである.
  • 梅崎 健夫, 鈴木 素之, 山本 哲朗
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 39-50
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    三軸スライスせん断試験装置を用いて, 一定の初期せん断応力が作用したせん断破壊前の状態において飽和正規圧密粘土供試体の間隙水圧を増加させる試験を実施し, この過程における粘土の膨潤特性とせん断特性を検討した. その結果, 間隙水圧の増加に伴い, すべり面のせん断応力と有効垂直応力の関係は限界状態線上で定常状態に達しせん断ひずみが急増し累積すること, すべり面で稼動されるせん断弓鍍は限界状態線に沿って減少することを明らかにした. また, 間隙水圧の増加に伴う間隙比増加量と正規化した有効垂直応力およびせん断強度の関係はいずれも膨潤指数によって一義的に定まることを見出した. さらに, 初生地すべり斜面の安全率がすべり面における間隙水圧増加量もしくは間隙比増加量によって概略評価できることを示した.
  • 小島 謙一, 伊藤 裕昌, 村田 修, 秋山 洋, 山浦 剛俊, 棚村 史郎
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 51-67
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    光ファイバーをセンサーとして用いた計測管理手法は, センシング技術の進歩により急速に普及している. 特に, レーザーパルス光を使用するBOTDR法は, 長距離にわたるひずみ分布を精度良く, 連続的に計測する手法であり, 鉄道をはじめとする各種交通網における構造物の保守管理手法としての適用が期待されている. しかし, 盛上をはじめとする土構造物や地盤などは, コンクリートや鋼構造物等と比べると軟らかく不均一であることや地下水があること等から, 計測精度や設置条件を考えると光ファイバーセンサーを適用するには非常に難しい.
    本研究は, 土中や気中における載荷実験などから土中に用いる適切な光ファイバーセンサーの構造を検討したものである.
  • 山田 辰男, 田村 武
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 69-76
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 数値解析を用いることにより, 粒状体材料の巨視的な塑性挙動特性及び力学特性を, 粒子の微視的な挙動に着目して把握することを目的とする. 接触点には Mohr-Coulomb 型の摩擦抵抗が働くとして, 全体の挙動は各要素の「すべり」と「ころがり」のみに起因すると簡単なモデルを用いる. 一方, 系の崩壊メカニズムと極限荷重の比較検討のために2次元要素積層体を用いた模型実験を行い, 解析の妥当性を検証する.
  • 松本 江基, 落合 英俊, 安福 規之
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 77-88
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 真空圧密された地盤上の盛土の安定性を弾塑性 FEM 解析と実フィールドでのケースヒストリーに基づいて検討したものである. 軟弱地盤上に構築される高盛土は, 真空圧密工法を併用して用いることで急速に盛り立てることができる. しかしながら, 真空圧密を併用することでなぜ急速盛立てが可能となり, どれくらい盛土の安定性が向上するのかについては未だ十分な検討がなされていない. 本論文では, 土/水連成弾塑性 FEM 解析手法を用いて, 真空圧密された地盤上の盛土の安定性向上のメカニズムを検討した. さらに, 実工事における一つの安定管理手法を提案し. 実工事の動態観測結果から提案手法の妥当性を明らかにした.
  • 西田 一彦, 西形 達明, 玉野 富雄, 森本 浩行
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 89-98
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    城郭石垣の多くは構築から400年前後経過しており, 崩壊の危機にさらされている箇所が数多く存在している. 城郭石垣の保存のために, 現在の形状を計測し把握するとともに, 城郭石垣構築当時における状態を推定するために石垣構築技術についての記述がある「後藤家文書」,「石垣秘伝之書」および「石墻書」の三つの構築手法を明らかにすることで反り曲線勾配部分について数式化することを試みた. この両者の比較により, 構築当時からの変形状況が把握でき, 現在多くの城郭石垣で問題となっている孕み出しの大きさを算出することが可能となった. さらに, 崩壊の危険性の判断や修復の必要性および修復形状などへの活用が可能となる.
  • 久野 悟郎, 岩淵 常太郎, 市原 道三
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 99-113
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    流動化処理土に求められる性能を確保するための品質規定は, その特異な力学的特性を十分に考慮して決められるべきものであり, また品質基準を適用する場合も十分にその力学的背景を考慮して用いるべきである. 本論文では流動化処理土の固化後の品質のうち, 固化材と密度の強度特性への寄与を中心とする実験をおこない, (1) 流動化処理土の一軸圧縮強さは土中の細粒分を主体とした「泥水」に添加された固化材の固化強さによって支配される, (2) 高密度の処理土はセメンテーション破壊後に密度効果が現われる, (3) 高密度の処理土は荷重分散効果がある, (4) セメンテーションは処理土の正のダイレイタンシーを拘束する, などの知見を得た. これをもとに処理土の品質基準について考察をした.
  • 有泉 毅, 五十嵐 寛昌, 金子 俊輔, 永谷 英基, 山崎 剛, 日下部 治
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 115-134
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    軟弱粘性土地盤中に建設されたシールドトンネルに10数年経過した時点から発生した変状について, 原因はトンネル周辺地盤の圧密沈下による影響と推定し, 地盤内応力と土の変形特性の再現が可能な遠心模型実験を用いて, 圧密沈下進行に伴うトンネル周辺地盤の変形状態等から, トンネル周辺地盤応力状態の変化すなわち長期荷重変化挙動発生のメカニズムの解明を試みた. その結果, 圧密排水条件として従来から考えられていた地下水汲み上げにより水位低下した下部滞水層への軟弱粘性土からの排水と同様に, トンネル自体からの排水においても同様の長期荷重変動が発生しえることが確認され, トンネルの存在により地盤の変形が抑制され地盤内応力が再配分されることで長期荷重変化が発生していることを示した.
  • 楊 照宇, 鈴木 輝之, 澤田 正剛, 山下 聡
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 135-144
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は凍結期における自然地盤の土中温度条件と凍結・凍上の発生状況との関係を検討したものである. 北見工業大学構内の屋外凍上実験フィールドにおいて冬期間の土中温度、熱流、凍上量、凍結深さなどの動態観測を2001年11月から2002年5月まで行った. 観測の結果, 凍結期の自然地盤中の温度特性や熱流の変化が定量的に明らかにされた. また, これらの熱的特性が, 凍結・凍上にともなって発生する潜熱と強く関係していることが明らかになった.
  • 菊本 統, 木村 亮, 岸田 潔, 足立 紀尚
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 145-158
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    筆者らは, 主に降下床実験によりトンネル掘削時の力学挙動を解明してきた. 最近では, 3次元降下床実験装置を開発し, 切羽の進行に伴う地山の力学挙動を詳細に検討している. 本研究では, トンネル掘削時の地山の土圧特性および変形特性を詳細かつ定量的に検討することを目的として, 3次元降下床実験とその数値解析を実施した. 本稿では, 数値解析が実験を精度良くシミュレートできることを示した後, 土被りの違いによる土圧および地表面沈下の差異について考察を加える. さらに, 従来用いられてきたトンネル土圧算定式を降下床実験に適用し, 算定値と実験値および解析値を比較することで, それぞれの妥当性や問題点について議論を行う.
  • 古河 幸雄, 藤田 龍之, 坂田 正純, 村田 吉晴, 渡辺 英彦
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 159-170
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    阿武隈高地のまさ土を対象にして, コンクリート用細骨材への利用について検討した. 細骨材としての品質を評価すると, 規定値をすべて満足するのは絶乾密度, 粘土塊量, 有機不純物量, 吸水率および塩化物に対する安定性は強熱減量Li≦2.5%の場合, 洗い試験はすべてのまさ土で満足しないことがわかった. まさ土を骨材としたときの圧縮強度はセメントの物理試験による強さ試験で行い, 粒度分布を自然粒度と細骨材として規定されている粒度範囲の中央粒度の2種類, 水セメント比は3種類で行つた. その結果, 圧縮強度は粒度分布より水セメント比の影響を強く受けることが明らかになつた. また, 配合設計により強度試験を実施した結果, 設定した圧縮強度の60~110%程度の強度発現が得られ, 圧縮強度はLiに強い影響を受けることがわかった.
  • 小山 良浩, 谷 和夫
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 171-181
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1999年に相次いで発生したトルコのコジャエリ地震と台湾の集集地震では, 地震動だけでなく地表地震断層によって土木構造物が被害を受ける問題が注目された. 地表付近の地盤変形は, 断層の変位や未固結被覆層の特性などに依存して複雑である. 特に横ずれ断層の場合には, 地表面に網目状のせん断帯が帯状に連なる変状域が形成されるが, その性状やメカニズムの詳細は未だ解明されていない. そこで, 過去に実施された横ずれ断層に関する一連の模型実験の結果を分析し, 基盤の横ずれの断層運動によって砂地盤の表面に形成されるせん断帯の特徴的な構造を検討した.
  • 八田 敏行, 熊坂 博夫, 木下 直人, 安部 透
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 183-191
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高温, 拘束圧下において, き裂を含まない岩石 (花崗閃緑岩), き裂を含む岩石および充填物のあるき裂を含む岩石のそれぞれについて, 熱膨張試験を実施することにより, 岩石の熱膨張特性に対するき裂および充填物の影響を調べた. その結果, き裂のない供試体の線膨張係数の測定結果とき裂を含む供試体のそれとはほぼ一致しており, 岩石の熱膨張特性に対するき裂の影響は無視することができる. それに対して, 充填物のあるき裂を含む岩石の場合には, 加熱に伴って充填物が収縮することにより, き裂のない岩石の線膨張係数よりもはるかに小さくなる場合がある. したがって, 岩盤の熱膨張特性を評価する際には, き裂の密度, 充填物の種類と厚さによっては, 充填物の影響を考慮することが必要になると考えられる.
  • 宮崎 良彦, 湯 怡新, 落合 英俊, 安福 規之, 大嶺 聖, 土田 孝
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 193-204
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    埋立処分場が不足している中, 港湾工事で発生する浚渫土の有効利用がますます求められてくる. このような社会的情勢を背景として, セメント混合処理による浚渫土の有効利用が普及しつつある.
    施工の確実性と品質確保を目標に, 専用固化処理作業船が開発され国内の各港湾工事において実用されてきた. 本文では, この専用作業船の構成と機能, 及び施工実績を述べるとともに, 名古屋港における実用事例を用いて施工上の技術課題と解決方法を明らかにし, 浚渫土のセメント混合処理工法に関する新たな展望を示す.
  • 福島 伸二, 北島 明, 谷 茂, 石黒 和男
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 205-221
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    老朽ため池は早急な改修が必要とされていても, 改修に使用する強度や遮水性に適した築堤土が池近傍で入手しにくくなっている例が増えている. このような状況を解決するために, いままで廃棄していた池内にある底泥土をセメント系固化材により所要の強度と遮水性を満足するように築堤土に改良して, 底泥土の除去と堤体改修を同時に可能とする砕・転圧盛土工法を開発してきた. ここではこの工法をある老朽ため池の堤体拡張工事に適用して均一型の堤体を築造した事例を紹介するとともに, そこで築造した堤体の強度特性と遮水性を確認するための調査結果を報告する.
  • 田平 健二, 平松 浩三, 藤原 身江子, 奥山 一典, 八木 則男
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 223-230
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本報告では, 二重管式標準貫入試験器による原位置の密度測定方法を砂層と粘性土層からなる二層地盤に適用し, その精度評価を試みた. 評価方法は, ラジオアイソトープコーン貫入試験機で測定された湿潤密度や含水比等と二重管式標準貫入試験器を用いて測定したそれらとの比較により行うことにした. また, 粘性土地盤においては, シンウォールサンプラーで採取した試料の湿潤密度や含水比等と二重管式標準貫入試験器およびラジオアイソトープコーン貫入試験機によるそれらとの比較を行った. その結果, 二重管式標準貫入試験器による原位置の密度測定方法は十分実用化できることが判明した.
  • 山崎 浩之, 森川 嘉之, 小池 二三勝
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 231-236
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    締固め砂杭工法 (サンドコンパクションパイル工法) は, 密度増加による代表的な液状化対策工法である. 同工法の設計, すなわち圧入率あるいは置換率 (以下圧入率とする) とよばれる砂杭面積の原地盤に対する占有率の設定は, 原地盤N値, 細粒分含有率, 改良目標N値を用いて行われることが多い. 著者らは圧入後N値の予測法を既に提案しているが, 本ノートでは提案法に砂杭圧入による静止土圧係数K0値の増加の影響を取り込むことを試みた. そして, 圧入後N値の実測値と予測値を比較し, また, 圧入前後のN値の関係について既往の方法であるA法との比較を行っている. その結果, K0値の影響を取り込むことにより予測法の精度は向上した. また, A法との比較では細粒分および有効鉛直圧の影響を考慮することにより整合性のある結果を得た.
  • 道廣 一利, 塩谷 智基, 渡辺 英彦
    2003 年 2003 巻 750 号 p. 237-239
    発行日: 2003/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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