クレオソート油処理木材, CCA処理木材を用いて建設された木橋を題材としてLCAを実施し, これをコンクリート橋, 鉄橋と比較しながら, 防腐処理木材の環境パフォーマンスについて検討し, 以下の結論を得た. 1) 気候変動, 光化学オキシダント生成, 酸性化, 富栄養化では, 木橋 (クレオソート, CCA) が優位なシナリオとなったが, 人間毒性, ほとんどの生態毒性では, 木橋 (CCA) が最も劣位なシナリオとなった. 2) 木橋 (CCA) を最も劣位なシナリオとしている原因は, CCA処理木材の使用期間中に, また, CCA処理木材が焼却された際に, 環境中へ排出されるヒ素, クロム, 銅である. 3) CCA処理木材の毒性影響を効果的に削減するためのターゲットは, 焼却時におけるCCA成分の捕集である.
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