2002年度に供用された新規バス路線の交通需要が, 行動意図法 (BI法) を用いて2001年度に予測されている. 本稿では, BI法の予測技術としての妥当性を確認するために, バス路線供用後に実現した実際の集計的需要, ならびに, バス供用前後のパネル調査データを用いた事前予測の検証を行った. その結果, BI法による予測において最も鍵となる“行動-意図一致率”の設定値が, 実際の実現値にほぼ適合していた明らかとなった. それと共に, 事前の集計需要予測値が現実の集計需要と乖離していることも明らかにされたが, 事前の予測式の一部を理論的に修正していれば, 実現値に近い需要予測が可能であったことも示された. さらに, 事前事後パネルデータを用いて, 行動-意図一致/不一致についての回帰分析を行い, 今後のBI法予測に資する実証知見を得た.
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