土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2004 巻 , 774 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 堤下 隆司, 栗田 章光, 徳岡 文明
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 1-15
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    損傷RC床版の補修工法の一つとして, 床版防水をも兼ね得るMMA樹脂コンクリートと呼ばれる特殊コンクリートとCFSとの併用による上面増厚補強工法を提案するために, その補強効果について実物大供試体を用いた静的・疲労試験を実施し, 実験結果と解析結果との比較検討を行った. 検討の結果, 1) エポキシ樹脂に代わるCFSの含浸接着樹脂にMMA樹脂を用いたが, 接着性能に優れていること, 2) CFSで補強されたはり部材のP-δ関係は, テンションスティフニング効果を考慮したたわみ理論値とよく整合すること, 3) 引張側補強に用いるCFSの接着長さは少なくとも主鉄筋の曲げ上げ位置までは必要であること, および4) 疲労設計に必要なS-N線式等を明らかにすることができた.
  • 中村 定明, 三浦 尚
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 17-26
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    プレキャスト床版の接合方法の1つにRCループ継手による接合がある. RCループ継手は, 曲線部に働く支圧力を有効に利用すると, 重ね継手より継手長を短くすることができると言われているが, 現状のRCループ継手の設計では, この支圧力の効果を考慮していない. これは, RCループ継手に発生する支圧力を実験等により確認した研究が少なく, 力学挙動との関係が明確でないことが主な理由であると考えられる. 本研究では, RCループ継手の支圧力を計測するため割裂ループ鉄筋を用いた引張試験を実施し, 接合部に発生するひび割れ幅および耐荷力と支圧力との関係を実験的に明らかにすることができた. さらに, 支圧力を考慮したRCループ接合部の設計法についても検討を行った.
  • 桜田 道博, 渡辺 浩良, 大浦 隆, 鈴木 基行
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 27-37
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    石炭灰 (フライアッシュ) を主原料とする石炭灰系高性能軽量骨材のPC構造物への適用性を検討するため, PCはり供試体を製作し, 曲げ破壊実験, せん断破壊実験, およびPC鋼材の応力度測定を行った. その結果, 本骨材を使用したPCはりの曲げ耐力, せん断耐力, 曲げひび割れ幅, PC鋼材の定着長および有効プレストレスは, 天然普通骨材を使用したPCはりと同程度であり, 本骨材のPC橋へ適用が十分可能であることを確認した. また, 本骨材を使用したコンクリートの圧縮強度, 引張強度, ヤング係数, クリープ係数, 等の材料特性も明らかにした.
  • 三木 朋広, 二羽 淳一郎
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 39-58
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    せん断耐荷機構を妥当な精度で予測できる2次元格子モデルを3次元へ拡張することを目的に, 単調純ねじり, および正負交番曲げとねじりの複合荷重を受けるRC部材の挙動を, 3次元格子モデルを用いた非線形解析によって検討した. さらに, RC橋脚の水平2方向加振振動台実験を対象とした解析を行なった. 本手法により, RC部材の耐荷力, 変形性能, 履歴挙動, 曲げとねじりの複合作用を妥当な精度で予測できることを確認し, さらに大変形領域では鉄筋座屈挙動が全体挙動を支配することを明らかにした. 最後に, 5種類の地震動を用いた地震応答解析を実施し, RC橋脚の耐震性能を評価するとともに, 加速度波形が地震応答に与える影響について検討した.
  • 家村 浩和, 高橋 良和, 曽我部 直樹
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 59-72
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    UBRC橋脚構造では, アンボンド処理を施した高強度鉄筋を, 通常の鉄筋コンクリート橋脚断面内に配置することにより, その復元力特性に安定した正の二次剛性を付与することができる. ただ, 芯材に対するアンボンド処理の実施は橋脚の建設時における費用の増加や施工性の低下に繋がる. そこで, 本研究では, アンボンド処理を施していない高強度丸鋼を配置したUBRC橋脚について, 正負交番載荷実験を行い, 芯材の付着から剥離に至る特性が橋脚の構造特性に及ぼす影響を明らかとした. また, 芯材の付着特性を考慮したファイバーモデル解析により, 芯材の付着剥離過程を再現すると共に, 芯材の付着特性に関するパラメトリック解析を行い, 芯材の付着特性を変化させることがUBRC橋脚全体の復元力特性に及ぼす影響を明らかにした.
  • 審良 善和, 武若 耕司, 山口 明伸
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 73-82
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    酸性雨によるコンクリート構造物の劣化は, 大気中の二酸化炭素による中性化と酸性雨による化学的的侵食の複合劣化であると考えられる. また, 酸性雨劣化現象は長期的な供用を経て顕在化すると考えられるため, 劣化現象およびメカニズムについては, 未だ不明な点が多いのが現状であると考えられる. そこで本研究においては, 酸性雨劣化促進試験および暴露試験により得られた結果から劣化現象を把握するとともに, 種々の化学分析を行うことで, その劣化メカニズムの解明を試みた. その結果, 酸性雨によってコンクリート構造物に生じる劣化現象である, コンクリート表面の劣化作用, 中性化促進作用および鉄筋腐食促進作用について, その劣化メカニズムを明らかにした.
  • 今野 克幸, 上田 多門, 佐藤 靖彦, 小原 孝之
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 83-98
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    連続繊維棒材の引張強度は加力方向の影響を受け, 斜め方向から引張力を受ける場合の引張強度は一軸引張強度より低下することが報告されている. そのため, 連続繊維棒材のひび割れ交差部において二次的な応力が作用した場合, 一軸引張強度より低い引張応力で破断する. 本研究では, 実験などで求めた材料定数を用いて, ひび割れとの交差部で引張力とせん断力とを同時に受ける連続繊維棒材の変形と作用力の関係を幾何学的非線形性を導入した有限要素解析で推測できることを示した. さらに, 実験結果と有限要素解析の結果を用いて連続繊維棒材の破壊強度の推定を行った.
  • 本荘 清司, 上東 泰, 井手上 文雄, 丸屋 剛, 谷口 秀明, 宮川 豊章
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 99-110
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    内部塩分と凍結防止剤によって塩害を受けたRC中空床版橋に対し, 設計耐用年数100年を想定した包括的な維持管理の検討を行った. 対象とした橋りょうは, 鉄筋の腐食, コンクリートのひび割れ, はく離等が著しく, 早急な補修対策が必要になった. 現状の劣化状況およびニューラルネットワーク手法を用いた劣化予測により, 主筋背後30mm以上のはつりとかぶり55mm以上の断面修復が必要であることが判明した.
  • 藤森 章記, 佐野 正典, 東山 浩士, 吉田 信之, 荒井 猛嗣
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 111-121
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    排水性舗装の課題は供用中に自然発生的に生じる塵埃に起因した舗装体内の空隙詰まりなどによる機能の低下である. 筆者らは排水性舗装の機能維持と多機能性の付加を目的に, 従来の排水性混合物層の下層部に連通する空洞部を施した特殊な盤を敷設する二層構造の排水性舗装を試みてきた. この二層構造の排水性舗装に関する一連の研究を踏まえて試験施工を実施し, 施工性, 供用耐久性, 騒音低減特性, 融雪機能などを実路において検証した. この結果, 実用可能な施工性に加え従来の排水性舗装に比して多くの優れた機能性を確認した.
  • 伊藤 始, 岩波 光保, 横田 弘
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 123-138
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの補強材としてPVA短繊維を用いた鉄筋コンクリートはりのせん断耐力の評価を実験的に行った. 実験では, PVA短繊維の種類・混入率, せん断補強鉄筋比, 有効高さおよびせん断スパン比を変化させた鉄筋コンクリートはりを作製し, 曲げせん断載荷を行った. その結果, PVA短繊維を混入することでせん断耐力が上昇すること, その上昇度合いが混入率や試験体寸法などに大きく影響されることが確認された. 短繊維は, 耐荷機構がタイドアーチ的であるはりにおいて, 特に有効に働くことが本研究を通して確認されたため, せん断スパン比の小さいはりを対象としたせん断耐力算定式を引張軟化曲線の折曲がり点応力と有効高さを用いて修正することにより, 短繊維補強コンクリートのせん断耐力を評価した.
  • 菊川 浩治, 飯坂 武男
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 139-147
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    化学混和剤のうち, 使用頻度の高いAE剤を用いた場合のセメントペーストの粘性挙動から, その塑性粘度の推定式の確立を試みた. AE剤を用いた場合, プレーンセメントペーストの塑性粘度に対し多少増粘効果があり, これを粘度式に取り入れてAE剤を用いたセメントペーストの粘度式を誘導し, 塑性粘度の推定値と実測値との整合性を検討したものである. また, 試料の温度および経時変化を考慮し, それに対応できるような定式化を図った. そしで提案した粘度式から求めた塑性粘度の推定値と実測値との比は, 期待値の1に近づいていることが確認できた. モルタル及びコンクリートについては, 既往の粘度式を使用し, 母材の塑性粘度が変化した場合でもそれらの粘度式を適応できることを確認できた.
  • 羽渕 貴士, 鳥居 和之
    2004 年 2004 巻 774 号 p. 149-161
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 海洋環境下に位置するコンクリート構造物に発生するアルカリシリカ反応と海水の複合的な作用による劣化現象とその反応機構を解明することを目的にして, 全国的な構造物の現地調査とコアを用いた詳細調査を実施した. その結果, 全国各地で使用された反応性骨材の種類とその岩石学的特徴を明らかにするとともに, コンクリートの配合および構造体の特徴 (RC, 無筋), 構造物の環境条件 (海水中, 干満帯, 飛沫帯) などの諸条件がASRゲルやエトリンガイトなどの生成状況およびコンクリートの劣化損傷度に影響を及ぼしていることを明らかにした. また, コアの促進養生試験より, 海水の影響を考慮したコンクリートの残存膨張性の新しい評価手法を提案した.
feedback
Top