土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 784 号
VI-66
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
[招待論文]
  • 岡原 美知夫
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_1-784_18
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    多様化する道路橋基礎の基準化に関する継続的な研究により得られた成果が, 道路橋示方書の不断の改訂を推進してきた. 統合した設計手法・体系の構築, 杭の施工法別の鉛直支持力および水平抵抗の評価等が解決するべき大きな課題であったが, これらに関して土木研究所で取り組んできた研究から得られた成果の主要部分について言及する. また, 道路橋示方書の次期改訂では性能規定化への完全移行を目指しており, 道路橋示方書の設計体系が大きく変わる時期を迎えている. 各国の橋梁基準との整合性を目指して, 規定の比較検討を行い, 今後の道路橋示方書の方向性について展望する.
[投稿論文]
和文報告
  • 江口 忠臣, 室 達朗, 生木 泰秀, 斎藤 秀男
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_19-784_30
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 新しい締固め方法を開発するため, 建設車両用タイヤを用いた転圧実験結果より, 厚層におけるまさ土の面荷重とせん断応力による転圧機構を考察するとともに, その締固め効果について検討することである. その結果, 建設車両用タイヤによる転圧は空気圧と軸荷重の組合せによって深層部まで応力伝播が可能であることがわかった. 重ダンプトラックの複輪構造によって圧力球根が深層部に到達することが推定された. また, 建設車両用タイヤの特徴である走行に伴う地盤変形によるせん断応力の発生によって土のダイレイタンシー効果を発生させ, まき出し全層にわたって有効な締固めが達成されている.
  • 柏柳 正之, 伊藤 文雄, 星野 貴史, 清水 則一
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_31-784_44
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    大規模地下空洞の合理的な設計・施工を目的として, ケーブルボルトを用いる岩盤の先行補強工法に着目し, その効果を調査するため増設地下発電所における現場実験を実施した. 実験においては, ケーブルボルト軸力測定に対する新しい計測機器を用い, その有効性を検証することも試みた. 現場実験およびその結果に基づく数値解析から, ケーブルボルトは, 特に空洞周辺部において岩盤変位抑制あるいは岩盤補強に効果を発揮することを実証的に確認した. また, 空洞周辺の不連続面上の掘削時応力経路を詳細に検討し, ケーブルボルトは, 不連続面の変位に対応して軸力を発生させ, これによって不連続面上の岩盤強度低下および変位の抑制に寄与することを明らかにした.
  • 藤崎 勝利, 田原 功, 加藤 正樹, 岡本 道孝, 村上 武志
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_45-784_64
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    東京都水道局が管理する山口貯水池 (1934年完成) では, レベル2地震動を対象にしたアースフィルダムの耐震補強工事を実施した. 当工事はフィルダムリニューアルに位置付けられ, 施工中の既設堤体の安定性確保が, 従来のフィルダム新設工事では直面しなかった新たな施工技術的課題である. このため, 施工管理上の対策として施工中の堤体安定性に着目した情報化施工管理手法を提案し, 堤体の安定性を定量的に評価しながら施工を進めることとした. この提案した情報化施工管理手法を約3年間に亘って適用して施工を進めた結果, 無事に施工を完了した. 本文では, 既設アースフィルダムの耐震補強工事において, 堤体安定性に着目した情報化施工管理を適用した事例について報告する.
  • 辻 和秀, 三村 陽一, 吉武 勇, 浜田 純夫
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_65-784_75
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    従来, コンクリート構造物はメンテナンスフリーとして, 建設初期コストのみに主眼をおいた設計がなされてきたが, 今後の社会基盤の長寿命化において, 構造物の (維持) 補修コストや撤去更新コストまで考慮したライフサイクルコスト (LCC) 設計が必要不可欠な課題となってきた. そこで本研究では, これらの課題に対する一資料を供する目的から, 凍結防止剤による塩害劣化を受けるコンクリート版に着眼し, これらの代表的なモデルを通じて, 建設初期コスト~補修コストおよび更新コストを含むLCC評価を試みた.
  • 室 達朗, 作原 陽一, 藤原 一博, 河野 幸一
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_77-784_85
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 円盤型剥離破砕刃による岩石の端面掘削方式を使用して, 掘削機の推進力の軽減, 切削刃の摩耗劣化の防止, 単位掘削土量当たりの仕事量である比エネルギーの減少により, 作業効率を向上させる最適な硬質岩盤の溝切削機を設計開発することである. ここでは, 自重490 kNの岩盤溝切削機を試作機とし, 6個の2連円盤型圧壊破砕刃とその両側に配置した6個の円盤型剥離破砕刃を直径140 cmの切削ドラムに配設し, 岩石の一軸圧縮強度150 MPaからなる岩盤を対象として, その掘削力, 掘削速度および作業能力について検討した. その結果, 試作機の平均作業速度として2.73 m/minが確保され, 作業能力は0.113 m3/min (6.78 m3/h) を達成することができ, その値は, 従来機の2.51倍となることを明らかにした.
  • 榎本 秀明, 稲川 敏春, 横山 秀史
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_87-784_97
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    従来のトンネル覆工コンクリートを対象とした打音検査は, 検査者が手に持ったハンマーで打撃し, その音を耳で聞いて剥離や空洞などの欠陥を判定しており, 検査者によって評価結果が異なるなどの問題があった. そこで, 打撃から判定までを機械化・自動化することを目的とした研究を進めており, その一環として一定の打撃エネルギーで打撃可能な方法と, 発生した打撃音の周波数特性を大きく変化させることなく収録する方法に関して詳細な検討を行った. これによってコンクリートの厚さや欠陥の評価を行う上で最適な打撃装置とマイクに取付けるフードの仕様を決定することができた. また, 今回決定した打撃装置及びフードにより, クラックや空洞などの概略の評価が可能であることを確認した.
  • 連 重俊, 平野 廣和, 青木 徹彦, 井田 剛史, 袁 涌, 松井 謙典
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_99-784_107
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    橋梁上に設置されている標識柱や照明柱などの長柱構造物は, 直接埋設部とは異なり交通荷重による様々な振動の影響を常時受けている. これにより基部にき裂が生じるなどの損傷も報告されている.
    そこで本研究では, 実物大モデルによる振動特性と基部応力発生状況の把握試験を基にして疲労試験を行い, 疲労によるき裂や耐久性の差異を検討する実験を行った. これらの結果をもとに, 標識柱などの長柱を紫外線硬化樹脂によって複合的に補修する方法が, 既設構造物における簡易な延命手法であることが確認されたので, 一連の成果を報告する.
和文論文
  • 朱牟田 善治, 山本 広祐, 齋藤 潔
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_109-784_124
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本論は, 主に水力土木構造物を対象とする保全方式を合理化するために, 信頼性重視保全 (RCM) を応用した保全合理化支援システムを構築することを目的とする. 一般に水力土木構造物は, 損傷時に公衆災害を招く危険性が高いため, これまで予防保全に基づく保全方式を採用し, 損傷する前に取替えることを前提としてきた. このため, 劣化特性の定量化に必要な損傷履歴に関するデータがほとんど蓄積されていない状況にある. 本論では, RCMの考え方を取り入れた定性分析と, 保全作業の履歴データを用いた定量分析とを組み合わせ, 実践的に保全方式の合理化を支援する方法論を提示する. 本手法を実在する洪水吐ラジアルゲートに適用し, その有効性と課題について考察する.
  • 佐藤 忠信, 吉田 郁政, 増本 みどり, 金治 英貞
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_125-784_138
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    限られた予算のもとで, 供用期間や重要度の異なる複数の既存構造物に対して効果的に耐震補強を行うためには, 補強の優先順位を決める必要がある. そこで, 本研究では, 耐震補強に必要なコストと, 耐震補強を行うことによって軽減される地震リスクとを考慮したライフサイクルコストに基づいて補強順位を決定する手法を提案する. また, 構造物の経年劣化を考慮するために, 劣化を確率論的に予測し, 優先順位に及ぼす劣化の影響を考慮に入れる. 提案した手法を既存長大橋に適用し, その有用性の検討を行った.
  • 浜田 純夫, 松尾 栄治, 藤岡 靖
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_139-784_154
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年, 建設コストの縮減という観点からコンクリート構造物のライフサイクルコストを算出する必要性が大きくなっている. ライフサイクルコストの算出においてはリスクコストの算定が最も困難であり, 橋梁構造物のみならず部材でさえもリスクコストの算出方法は確立されていない. 本研究はRC床版が疲労を受けるときの床版の劣化予測を行い, そのリスクコストの算出方法を示したものである. 床版の劣化は塩害などの環境によっても作用を受けるが, 疲労とは劣化のメカニズムが異なり, 統一した考え方が困難なため取扱いを避けた. 床版厚を変化させることによる疲労破壊確率を算定し, リスクコストを求めた. その確率の算出方法を示し, 架替えコストを乗じることでリスクコストを算出した.
  • 大津 宏康, Nutthapon SUPAWIWAT, 松山 裕幸, 高橋 健二
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_155-784_169
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 地下水排除工の性能低下を考慮し, 自然ハザードとして降雨を想定した場合のリスク算定結果に基づくライフサイクルコスト (以下LCCと称する) を判断指標として, 地下水排除工の維持補修計画立案に関する評価方法について示すものである. 具体的には, 計測結果に基づき回帰式により算定される性能低下曲線を用いて, その性能低下が力学的安定性に及ぼす影響を評価することで, 降雨ハザードに対する安全率あるいは, 破壊確率の低下を評価する手法を提案した. また, 限定した条件の下ではあるが, LCCが破壊確率およびリスク評価結果に基づき算定されることから, LCCを判断指標とした最適な補修計画の立案可能性について検討を加えた.
  • 矢吹 信喜, 志谷 倫章
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_171-784_187
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, PC橋梁を対象として, 構造物のライフサイクルにおける各種アプリケーションシステム間のデータ相互運用を可能とするために, 3次元プロダクトモデルを開発した. 開発に当たっては, モデルの国際標準化を目指して, 建築用のプロダクトモデルであるIAIのIFCを基本とした. また, 鉄筋のかぶり, 部材間の干渉, 密集した配筋等の問題は, 2次元図面では設計段階の解決は困難である. そこで, 3次元プロダクトモデルを利用することにより, 3次元CADシステム, 設計照査システム, 鉄筋のかぶり照査システム及び部材の干渉チェックシステムを統合化したモデルを構築し, プロトタイプシステムを開発した. さらに, 実際の橋梁事例を適用することにより, その有効性を検証した.
  • 作田 健, 香月 智, 池田 暁彦, 白木 渡
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_189-784_204
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 優先順位決定問題における主観性を柔軟に処理する一手法として, 遺伝的アルゴリズム (GA) を援用した一対比較型ニューラルネットワークを提案し, 斜面崩壊対策問題に適用を試みたものである. まず, 基礎的な数式例題や既存優先順位問題に適用して, 提案法が現行の優先順位と同等の評価が可能であることを示した. そのうえで, 提案手法の柔軟性を確かめるために, 実技術者の価値観を反映した優先順位の決定および価値観の数値化を試みた. さらに, 技術者の価値観の時間変化や複数技術者間の差異を確認したうえで, 合意形成支援ツールとしての適用性について検討した.
  • 西田 孝弘, 大即 信明, 池田 将和, CHAMPAPANH Bouavieng, 寺師 昌明
    2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_205-784_216
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    一般に, 深層混合処理工法により改良された地盤は長期間に渡ってその品質を保持できると考えられている. しかしながら, 本工法は1975年頃に実用化され, まだ長期に渡る追跡調査事例が乏しいことから, その諸特性の長期的な経年変化は明らかとなっていない. 本論文では, この改良地盤の劣化現象のひとつとして「Ca溶脱」を取り上げ, その数値解析的予測手法を構築することを目的とした. 本予測手法は, (1) 共存イオンの影響を考慮したイオン移動モデル, (2) 周辺粘土でのCa吸着モデル, (3) 水和物からのCa溶解モデルおよび (4) 改良地盤での炭酸化モデルから構成されている. 本論文の結果, 深層混合処理により改良された地盤からのCa溶脱に関する数値解析的予測手法が提案でき, その妥当性が確認された.
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