土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 785 号
III-70
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
[投稿論文]
和文論文
  • 末永 弘, 中川 加明一郎
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_1-785_13
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    岩盤内において数 m~数十 m程度の領域の水理特性を評価する手法を提案した. 本手法は, 複数のボーリング孔を用いて, 加圧個所における圧力の時間変化から観測個所における圧力の時間変化を逆解析することにより, 2個所間の透水係数, 間隙率を推定するものである. この手法は従来の手法と比較して, 1) 流量を変数として, 圧力伝播に関する解析解を用いて水理パラメータを推定できる, および 2) 加圧個所における圧力変動を離散的に与えて入力値とするため, そのパターンに制約がない, という特長を有する. この手法を現場で得られたデータに適用し, 地下空洞周辺の水理特性を評価した結果, 原位置試験結果と概ね一致した.
  • 高橋 浩, 藤山 哲雄, 石黒 健, 東 健一, 伊藤 孝
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_15-785_25
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年の廃棄物処分量の増大に伴って, 満杯となり埋立てが完了する処分場が増加しているが, 処分場廃止後の有効利用に際しては, 地盤強度の不足と廃棄物に含まれる重金属の溶出の問題が課題とされている. 本研究では, 既存処分場に対して地中を加熱することにより, 焼却灰の自硬作用の促進を図り, 地盤の強度増加, 重金属を不溶化する地盤改良工法について提案している. そこで, 各種条件下で加熱養生した焼却灰供試体の一軸圧縮試験および溶出試験を行い有効性を検討した. その結果, 加熱養生条件により強度増加ならびに重金属の不溶化効果は異なり, 最適な養生条件下では極めて大きな効果があることを確認し, 本工法の有効性を示した.
  • 吉田 郁政, 荒川 武久, 北爪 貴史, 大津 仁史
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_27-785_37
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では斜面の地震時安定問題を対象として, 危険なすべり線の抽出並びにその確率的安定性評価について検討を行った. 危険なすべり線は2次元動的FEM解析結果に基づき遺伝的アルゴリズムを用いて探索した. その際, 安全率最小となるすべり線は入力の振幅レベルに応じて異なることから限界加速度 (すべり安全率が1.0となるときの入力地震動の振幅レベル) が最小となるすべり線を探索した. 限界状態は滑動力と抵抗力の釣り合い, あるいはすべり量から定義した. 例題モデルについて数値検討を行い, 残留強度の粘着力が危険なすべり線に大きな影響を持っていること, 限界状態の定義によって選定されるすべり線は異なるもののすべり線の違いが損傷確率に与える影響は比較的小さいこと, などを示した.
  • 直井 優, 小峯 秀雄, 安原 一哉, 村上 哲, 百瀬 和夫, 坂上 武晴
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_39-785_49
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物地層処分施設は沿岸部に建設される可能性があり, 処分施設に流入する地下水には, 海水起源の塩類が多く含有されることが考えられる. このような背景から, ベントナイト系緩衝材に及ぼす海水の影響を実験的に調査することは重要である. 本研究では, 緩衝材の膨潤特性に着目し, 各種ベントナイトの膨潤圧・膨潤変形特性に及ぼす海水 (人工海水) の影響を調査した. さらに, 取得した実験結果を整理し, 緩衝材の乾燥密度, ベントナイトのモンモリロナイト含有率・交換性陽イオンの種類, および拘束圧条件の観点からベントナイト系緩衝材の膨潤圧・膨潤変形特性に及ぼす海水の影響程度を明確にした. これらの結果に基づき, 海水の影響を受けにくい緩衝材の材料仕様を明らかにした.
  • 安原 一哉, 海野 寿康, 村上 哲, 小峯 秀雄
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_51-785_60
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 豊浦砂の繰返し載荷後の非排水せん断変形挙動に対する初期せん断と繰返し載荷時の主応力反転の影響を検討するために行なった三軸試験結果を報告したものである. 本研究では, 筆者らが多年提案している試験手順に従って, 等方圧密状態と初期せん断 (圧縮及び伸張方向) を加えることによって作り出された異方圧密状態の中密の砂供試体に対して, 非排水繰返し載荷を与えその後非排水状態下のまま圧縮・伸張の単調せん断試験を行った. その結果, 砂の構造異方性とせん断過程にもたらされる誘導異方性が相乗することによって繰返し載荷後の非排水せん断挙動は主応力の方向により大きく異なったせん断挙動を示すことが分かった.
  • 稲垣 太浩, 長尾 和之, 及川 洋, 野津 光夫
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_61-785_70
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本論文は, 盛土に伴う軟弱地盤の強度増加の推定方法として, logƒ-logp平面上での限界状態線 (CSL) を利用した推定式を提案したものである. 提案式では, 一般に算出が困難な応力に関する圧密度に代わって測定が容易な圧縮ひずみが用いられているため, 施工中に沈下量が測定されればその時点での地盤強度は逐次簡単に推定できる. 提案式は正規圧密地盤はもちろんのこと過圧密地盤にも適用できる. 提案式の検証結果は良好で, 原位置データは従来の推定法による推定値に比べ本法による推定値に近い値を示した.
  • 米澤 豊司, 篠田 昌弘, 舘山 勝, 古関 潤一
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_71-785_81
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    土構造物の設計では, 性能規定化に向けて安全率を用いた許容応力度法から荷重係数と抵抗係数を用いた限界状態設計法への移行が進められている. 本論文では設計用値のばらつきを考慮できる信頼性解析により, 壁高を変えた補強土壁構造物の長期使用限界 (常時) 状態における滑動モードと転倒モードについて検討を行った. まず, 従来用いられている安全率との整合を取りつつ目標安全性指標の設定を行った. 次に, 土の単位体積重量, 土の内部摩擦角, 補強材破断強度の平均値と変動係数を様々に変化させて, 信頼性解析からの荷重係数と抵抗係数を算定した. 解析の結果, 荷重係数と抵抗係数の平均値は破壊モードによって異なる値をとるが, 壁高や土質区分に依存せずほぼ一定の値であることが分かった.
  • 畢 春蕾, 鈴木 輝之, 澤田 正剛, 山下 聡
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_83-785_92
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    置換工法による構造物の凍上対策において置換範囲を合理的に決めるためには, 用いられる非凍上性粗粒土の熱物性値とくに熱伝導率を知る必要がある. 本研究はサーマルプローブ法を用いて凍上対策に用いる各種の粒状材料の熱伝導率を計測しその結果について検討を加えるものである.
    本論文では先ずサーマルプローブ法の特性試験を行い, 実用性を配慮した試験法を決定した. 次にフルイ分けした切込み砕石について, 粒度, 乾燥密度, 水分量, さらに凍結条件が熱伝導率に与える影響を明らかにした. また溶融スラグ等の安定な廃棄物の有効利用を目指して種々の原材料からなる粒状廃棄物の熱伝導率の測定を行い, 凍上対策用の材料としての特性を示した.
  • 加藤 正司, 榊原 辰雄, 畑中 憲彦
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_93-785_106
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    不飽和状態の豊浦砂供試体を用いた, サクションおよび基底側方応力一定条件下での三軸圧縮および三軸伸張せん断試験を行った. そして, サクションがせん断時の変形強度特性与える影響について検討した. 三軸圧縮せん断試験時の応力~ひずみ関係および強度特性は, 従来, 不飽和粘性土供試体により得られている結果と同じ傾向を示した. また, この時のサクション~粘着増分関係は, これまでに提案しているサクション応力として評価できることが確認された. しかし, 三軸伸張せん断試験時の変形強度特性には, サクションの影響が明確に現れなかった. このような傾向には, せん断時の変形モードによるメニスカスの消滅状況の違いが影響を与えているものと考えられる.
  • 中村 伸也
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_107-785_122
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    重力式擁壁の耐震設計法として広く用いられている震度法は, 地震力を静的荷重に置き換えたうえで各種安全側の設定とすることにより現象の不明な面をカバーする設計法であるが, その前提条件には危険側の設定となるものもあるために全体として安全側の設計となっているかは明確でない. そこで, 震度法を用いた重力式擁壁の耐震設計法を合理化するためには, 重力式擁壁の地震時挙動を把握し適切に設計に取り入れる必要があるとの考えの下に遠心模型実験を行い, その結果を詳細に分析した. その結果, 背面土圧は常時主働土圧を用いて擁壁高の4割地点に作用させること, 慣性力の算出に用いる震度を0.4とすること等により震度法を用いた重力式擁壁に関する現行耐震設計法の合理化の可能性があることが分かった.
  • 原 忠, 國生 剛治, 小見山 義朗
    2005 年 2005 巻 785 号 p. 785_123-785_132
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    細粒分含有率の異なる砂礫材料について, 三軸試験機を用いた非排水せん断試験を行い, 細粒分含有率や相対密度が砂礫の非排水せん断特性に与える影響を調べた. 非排水繰返し載荷試験および単調載荷試験結果から, 液状化強度および単調載荷時の最大偏差応力は, 同程度の相対密度を有する供試体においても細粒分含有率が0%から10%まで増加する間に大幅に低下することがわかった. このように砂礫に非塑性細粒分が混入した場合, 地震による繰返し載荷時や単調載荷時の非排水せん断特性が大幅に変化するので, その影響を適切に評価することが重要であることが明らかになった.
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