土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 787 号
I-71
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
[技術展望]
  • 金治 英貞, 鈴木 直人, 香川 敬生, 渡邊 英一
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_1-787_19
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本論文は, 長大トラス橋である港大橋を対象として, レベル2地震動に対する元構造の耐震性, その性能向上化に関する要求性能, 設計入力地震動, および地震時性能を向上させるための損傷制御構造とその効果を論じたものである. ここでは, 性能設計体系の考え方を基に, リスクマネジメント手法を用いた要求性能を設定した後, 想定地震による現地特性を考慮した入力地震動の設定を行い, これらに基づき, 復旧を主構以外の水平力対応部材に限定する損傷制御構造について述べている. さらに, 本設計手法の要素技術であるすべり免震支承システムによる床組免震, および鋼製履歴ダンパーである座屈拘束ブレースの最適化について言及し, 最後に, ひずみエネルギーや応力比の観点からこれらの応答制御効果を示している.
[投稿論文]
英文論文
  • Lessandro Estelito GARCIANO, 星谷 勝, 丸山 收
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_21-787_32
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 50観測地点の観測データを用いて統計手法により, フィリピンの最大風速ゾーニングマップを作成したものである. 現行のマップは, 35年間の年間最大風速データに基づいて, グンベル極値分布に適合させて作成したものであり, 新しい観測情報による更新が必要とされている.
    ここでは最新の観測記録を追加し, グンベル極値分布を特解の一つとして包含した, より自由度の高い一般化極値分布モデルにより精度の高い解析結果を得ている. 次により多くの情報を有効利用するために日最大風速データを使用し, ポイントプロセスモデルに適合させることで, さらに精度の高い解析結果を得ている. その結果に対して, クリッキング手法による補間を行い, きめ細かいゾーニングマップを示している. 得られたゾーニングマップは, 再現期間を規定したゾーン別の期待年最大風速値を示すものであり, 構造物の耐風安全性の解析に応用できるものである.
  • Narongsak RATTANASUWANNACHART, 高橋 和也, 三木 千壽, 廣瀬 壮一
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_33-787_45
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, 3次元欠陥からの3次元的な散乱波を取得し, 3次元欠陥の検出能を向上することを目的として, 2次元配列マルチチャンネルアレイ探触子を開発した. また, マルチチャンネルアレイ探触子を適用し, 高速で多チャンネルからのデータを取得可能なポータブルな探傷システムを構築した. さらに, マルチチャンネルアレイ探触子を用いて得られたデータを用いて, 欠陥の3次元画像を構成できる新たな開口合成アルゴリズムの提案を行った. 本研究では, 開発した探触子, 探傷システム, 開口合成アルゴリズムによる3次元欠陥の検出能について実験的に検証し, その高い精度および効率性を示した.
和文論文
  • 杉本 雅一, 三木 千壽
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_47-787_56
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    従来の三角リブは鋼管基部の補強構造として一般的に用いられているが, その疲労強度は低く, 時として重大な疲労損傷を受けかねない. その改善構造として考案した幾つかの提案の中から, 有効と思われるタイプについて疲労試験を実施した結果, そのうちの一つであるU字リブ構造の非常に高い疲労性能が確認された. 鋼構造物の疲労設計指針・同解説 (JSSC日本鋼構造協会) の継手疲労強度等級では三角リブがG等級程度であったのに対し, U字リブ構造はC等級以上であることが確認された. その高い疲労性能の一因は応力集中の低減効果である.
  • 藤野 陽三, 阿部 雅人, Sakda CHAIWORAWITKUL
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_57-787_69
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    構造物に作用する動的外力の同定は構造設計やメインテナンスの合理化の観点から重要な課題であるが, 風荷重のような分布動的荷重の直接測定には大きな困難が伴う. 高精度の計測が可能になり大量のデータが効率的に処理できる状況の中で, 新しい展開が期待されている. 本研究では, 高精度レーザードップラー速度計 (LDV) を用いて, 構造物の動特性の把握から外力同定までの一貫した手法を構築し, 小型模型を用いた実験によって検証した. 同定法として, Pseudo-inverse (一般化逆行列) 法およびRegularization (正規化) 法を適用し, 外力としては集中衝撃力・地動慣性力および音圧を採用し, 本手法の有効性を確認すると共に, 2機のLDVでも外力同定が高い精度で行えることを明らかにした.
  • 秦 裕彰, 松井 繁之
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_71-787_80
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    少数主桁橋梁の出現に相俟って, 道路橋床版の高耐久性, 現場施工の省力化および工期短縮を目指し, 種々の合成床版が開発されている. 本研究では, 床版内にアーチ効果を期待しようと床版支持点を拘束し, かつ, 床版下面をアーチ形状にした構造形式の合成床版に着眼した. しかし, アーチ効果による床版の疲労寿命向上のメカニズムや具体的な向上度は不明であった. そこで, 支持条件や断面形状を変化させたRC床版, コンクリート系合成床版, 鋼―コンクリート合成床版について疲労試験を実施し, アーチ効果が生じる下での床版挙動を調査することにした. また, 実験結果とFEM解析結果を基に, アーチ効果を考慮した床版のせん断耐力を推定し, 床版の疲労寿命向上度と疲労寿命に及ぼす影響因子の評価を試みた.
  • 茂木 秀則, 川上 英二, 福原 幸司
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_81-787_90
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    山地や谷地形などの地形の起伏や, 埋没谷などの基盤の不整形性を有する地盤では複雑な地震応答を示すことが指摘されている. このため様々な地震応答解析が行われているが, 複雑な応答が生じるメカニズムについては依然として不明な点が多い. 本研究では, 地表面の起伏に着目し, 起伏が地震応答に与える影響を検討するための手法として, 境界要素法と摂動解法を組み合わせた新たな手法を展開した. この手法には地震応答を入射波と次数ごとの散乱波の寄与に分離できる利点がある. また, 本解析手法の適用例を示し, 地盤の応答関数が散乱波の寄与から解釈できること, 散乱波の寄与は散乱波の発生地点の地表面の法線方向とこの地点から地震応答を考える地点への方向との関係, 及び両地点の距離の二つの要因の影響を受けることなどを指摘した.
  • 古川 毅, 岡林 隆敏, 木村 啓作, 奥松 俊博
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_91-787_103
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    橋梁の動的モデルとして運動方程式を離散化して状態空間表示し, これを可観測変換して多次元ARMAモデルで構成した. 多次元ARMAモデルを構造同定することにより, 既存橋梁から断面算定して運動方程式を算出する必要がなくなる利点がある. このモデルの構造同定を, 衝撃加振試験による最小二乗法により行った. 橋梁の多次元ARMAモデルと車両の離散化された運動方程式より, 離散化された橋梁―車両系の方程式を誘導し, この橋梁―車両系モデルの有効性を数値シミュレーションより確認した. さらに, 路面凹凸を確率過程でモデル化し, 離散化された橋梁―車両―路面系の共分散方程式を誘導した. その定常応答解析から着目点の橋梁振動レベル (rms値) の予測法を提案し, その有効性を数値シミュレーションより検証した.
  • 紺野 義仁, 阪上 公博, 山本 稔, 山本 貢平
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_105-787_115
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    橋梁は主に床版と桁の2種類の板状構成要素から成り, 車両の走行時に橋梁から発生する高架構造物音は, これらが振動して発生すると考えられる. 本論文では, 既存の研究における板を仮定した放射音計算方法をベースに, 薄板の仮定が成り立たないような高い周波数領域の厚板の放射音計算方法を検討した. また実橋梁での試験車走行およびハンマー加振試験により, 応答関数を求めることにより走行加振力を推定した. さらに, 求められた走行加振力を計算式に入力することにより沿道音場の計算を行い, 実測との整合性を確認した.
  • 中澤 宣貴, 川島 一彦, 渡邊 学歩, 堺 淳一
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_117-787_136
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    高強度コンクリートにも適用可能な除荷, 再載荷を含む横拘束モデルを開発するため, 30 MPa~90 MPaのコンクリート強度で横拘束筋配置間隔が異なる36体の円形断面供試体に対する一軸圧縮試験から, コンクリート強度, 横拘束筋体積比が, 最大圧縮応力とそのときのひずみ, 除荷・再載荷履歴等に与える影響を検討した. その結果, コンクリート強度が大きくなると横拘束効果が小さくなることなどを明らかにし, 30 MPa~90 MPaの幅広いコンクリート強度に適用可能な横拘束モデルを提案した.
  • 木全 宏之, 藤田 豊, 堀井 秀之
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_137-787_145
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    重力式コンクリートダムについて, 動的クラック進展解析を適用した大規模地震時の耐震安全性評価を行った. ダム堤体のクラック発生, 進展挙動には減衰特性が大きな影響を及ぼすことが指摘されていることから, 始めに既往の模型振動実験結果と動的クラック進展解析結果を比較することにより, 適切な減衰特性の評価方法について検討した. また, 実規模ダムモデルについて動的クラック進展解析を実施し, 大規模地震時のクラック発生, 進展挙動を把握した. さらに, 入力地震動の加速度レベルを変化させた動的クラック進展解析を実施し, クラック進展長に関して新たにリガメント残存率を定義した上で, クラック貫通破壊に対する定量的な耐震安全性評価を試みた.
  • 玉田 和也, 小野 潔, 川村 暁人, 西村 宣男
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_147-787_160
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    一般的に開断面箱桁橋と称される鋼逆π形箱桁橋ではコンクリート床版が硬化する前の架設時構造系の耐荷力が問題となる. そのため, 鋼逆π形箱桁断面の耐荷力性能を把握することが重要になってくるが, 鋼逆π形断面の耐荷力性能に関する実験的研究は行われていない. そこで, 本研究は実験により鋼逆π形断面の曲げ耐荷力特性を明らかにした. さらに, 既往の研究で提案されている一軸対称I形断面プレートガーダーの曲げ耐荷力算定式を拡張することにより鋼逆π形箱桁橋の曲げ耐荷力算出法の提案を行い, 実験結果との比較によってその妥当性の検証を行った.
  • 齊藤 正人
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_161-787_175
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    強震時, 杭基礎は慣性力のみならず, 地盤の強制変形により大きく損傷を受けることが既往の研究により明らかにされている. 著者はこれまで地盤変形のみによって損傷を受ける杭基礎について理論的な考察を行い, 杭先端と杭頭における曲げひずみを極大化させる杭径 (不適径) が存在することを明らかにした. 本研究では, さらに実際的な条件として, 慣性力と地盤変形を同時に受ける杭基礎を対象に, 杭に生じる曲げひずみと杭径寸法の関係について検討した. その結果, 地盤変形と慣性力が杭体に及ぼす相対的な影響度合いの違い等により, 杭頭近傍に生じる曲げひずみを極小化する最適杭径が存在し得ること, そして杭径を最適杭径に近づけることで, 杭体の損傷を大幅に低減できる可能性を示した.
  • 丸山 喜久, 山崎 文雄
    2005 年 2005 巻 787 号 p. 787_177-787_186
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    著者らは地震時の車両走行安定性に関して, 数値解析とドライビングシミュレータを用いた走行実験を行い定量的な検討を行ってきている. その結果, 地表面地震動の計測震度が6.0程度に達した場合, 震動の影響で走行車線をはみ出す被験者が多く見られ, 周囲の交通状況によっては他車との接触事故を起こす可能性があることが示された. そこで, 本研究では, 気象庁などが導入を検討している地震動早期警報である緊急地震速報の高速道路ネットワークへの応用を目指し, 運転者に地震動早期警報が与える影響をドライビングシミュレータを用いた走行実験で検討した.
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