土木学会論文集
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Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 789 号
II-71
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[投稿論文]
和文論文
  • 佐山 敬洋, 立川 康人, 寶 馨
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_1-789_13
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    流出モデルによる予測の不確実性を評価し, 観測情報の入手条件と予測対象洪水の規模に応じて適切なモデルを選択する手法を示す. この手法では, 流出モデルのパラメータの選択過程をモンテカルロシミュレーションを用いて再現することにより, パラメータ同定の不確実性とそれに伴うモデル出力の不確実性を定量評価する. さらに, 詳細な物理過程を再現する分布型流出モデルを理想モデルと考え, それを単純化した場合にモデル構造の不十分さによって生ずる予測の不確実性を相対評価する.
  • 禰津 家久, 東 良慶
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_15-789_25
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    粒子を伴う流れにおける粒子と流体の相互作用を評価するには, 粒子と流体の同時計測が必要となる. そこで本研究は, 滑面開水路流れにおける粒子と流体の挙動を投影面積判別法を用いた粒子軌道追跡法 (PTV) により同時計測を行った. 画像解析を行う際, 投影面積にしきい値を設け, 粒子と流体の判別分離を行った. これにより底面近傍の同時計測が可能であった. その結果, 粒子を伴う流れのカルマン定数が, 粒子濃度の増加に伴い減少した. また, 対数則領域より上部領域では粒子速度が流体速度よりも低速となり, 一方, 底面近傍では粒子速度が流体速度よりも高速となった. これは粒子・流体の相互作用が底面近傍で激変することを示唆しており, 粒子を伴う開水路流の高精度なモデル化に重要な知見である.
  • 禰津 家久, 山上 路生, 後藤 健
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_27-789_36
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    複断面開水路流れでは低水路と高水敷の境界部付近に大規模水平組織渦が発生することが知られている. この水平渦は横断方向の運動量交換を支配し, 付加的なせん断応力を生成して流水抵抗を変化させるため, その構造特性を解明することは水工学的にきわめて重要である. しかし既往研究のほとんどは水平渦を平面二次元的に扱うにとどまり, その立体構造については不明な点が多い. そこで本研究は, 複列水平渦が発生するかぶり水深が大きな複断面開水路流れを対象に, 二層PIVシステムを用いた可視化乱流計測を行い, 瞬間ベクトル分布, 複列渦間の鉛直相関特性およびレイノルズ応力分布特性などを明らかにするとともに複列水平渦の立体構造モデルを提案する.
  • 禰津 家久, 山上 路生, 若元 洋樹, 土井 智礼
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_37-789_46
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    高水敷を有する実河川では, 洪水時には下層の蛇行低水路流と上層の直線状高水敷流が混在する複雑な流れ構造がみられる. 既往研究によって, このような複断面蛇行流に関する水理特性の解明が進んでいるが, これらのほとんどが, 流れ場が十分に発達した連続蛇行流を扱っており, 直線部から蛇行部に流路遷移する複断面流の水理特性については未解明点が多い. 特に断面遷移区間では直線部で発達した水平渦の移流特性が変化して, 低水路・高水敷間の運動量交換特性に大きな影響を与えることが予想される. そこで本研究は, 断面遷移区間を対象に電磁流速計による3次元計測を行い, そこでの水理特性を考察した. さらにPIV計測によって蛇行複断面流における水平組織渦の移流・変形モデルを提案した.
  • 関根 正人, 河上 展久
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_47-789_58
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年, 都市ではヒートアイランド現象の影響などもあり, 想定規模を越えた集中豪雨に見舞われることが多くなってきた. こうした豪雨に対する都市の雨水排除システムは必ずしも万全とは言えず, 地形的な弱点箇所とりわけ地下街や地下室といった地下空間に大きな被害がもたらされる可能性が高まってきている. 本研究は, このような都市地表面における内水氾濫とこれと連動して起こる地下空間における浸水過程を対象とし, これをできる限り簡易的に予測する解析方法を提案することを目的としている. さらに, このモデルを東京新宿駅周辺に適用し, この地域ならびにその地下街において予想される被害状況を把握するとともに, 地下街の被害を軽減する手だてについても考察している.
  • 中山 恵介, Jorg IMBERGER
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_59-789_71
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    シャープに密度が変化する2層システム中におかれた斜面に, 連続的に内部波が作用し砕波した場合, 残差流としての鉛直循環が発生する. その残差流は, 砕波のモデルを用いることなく, 理論解を適用することにより, ある程度再現できることが分かっているが, 砕波による影響は, その再現において考慮されていない. そこで本論文では, 理論解を用いた安定解析, LESモデルに基づく3次元数値モデルによる砕波の再現計算を行い, 砕波の影響を検討した. 理論解を利用した安定解析から, 斜面上で発生した不安定は発達しやすい状態にあることが分かった. さらに, 3次元数値実験により得られた不安定の発生位置が, 理論解により得られたものと一致することが確認された.
  • 馬 賢鎬, 水谷 法美, 江口 周
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_73-789_82
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では砂礫混合海浜で生じる分級や海浜断面の形成機構を明らかにするため, 水理模型実験を行って礫浜斜面上の流速場の計測を行うとともに, 礫浜の地形変化の計測を行って検討を加える. まず, 厚さの異なる一様勾配の礫浜の砕波帯の流速場の計測を行った. ついで移動床厚の異なる場合の海浜断面の波による変形と, 径や比重の異なる混合底質の移動形態と分級過程を観測した. また, 計測した流速場から底質の作用波力を評価し, 底質の移動限界時の力学的バランスから底質の移動特性を考究した. その結果, 礫浜斜面の断面形状には斜面内への浸透流が重要な役割を果たしていること, また, 底質の作用流体力と抵抗力の関係から底質の移動形態とその方向や形成される地形の概要が説明できることが判明した.
  • 梶原 義範, 中野 拓治, 富田 友幸, 竹内 一浩, 細田 昌広, 滝川 清
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_83-789_92
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    有明海の流動等を解析する3次元数値モデルを使用して, 諫早湾干拓調整池への海水導入期間を含む2002年4月から6月までの3ヶ月間について, 流動, 塩分, 水温の再現計算を行った. この結果を諫早湾等で得られた現地観測データと比較したところ, 良い再現性が得られた. しかしながら, モデルの計算値と観測値に若干の差がみられたことから, 風, 気温および熱収支係数に対する数理モデルの入力条件等を変更して感度解析を行ったところ, 有明海北部海域における同モデルの再現性に改善がみられた. 以上のことから, 特に風と気温の入力値を精緻化することによって, 有明海全体の解析を主眼に置いて構築された本モデルが, 諫早湾等のより限られた水域での検討にも適応性を有していることが示された.
  • 片田 敏孝, 児玉 真, 桑沢 敬行, 越村 俊一
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_93-789_104
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    2003年5月の宮城県沖の地震では, 三陸沿岸各地で震度4~6弱が観測され, 津波襲来が直ちに懸念された. しかし, 地震後に著者らが宮城県気仙沼市の住民を対象に実施した調査によると, 津波を意識して避難した住民は, 全体のわずか1.7%であった. このように避難率が低調となった要因を把握するため, 住民の避難行動とその意識的背景を分析した結果, 避難の意思決定を避難情報や津波警報に過度に依存する姿勢や, 正常化の偏見による危険性の楽観視, 過去の津波経験による津波イメージの固定化といった住民意識の問題点が明らかとなった. 本稿では, これらの問題点を解決するための津波防災教育として, 固定化された津波災害のイメージを打破すること, また, 情報に対する過度な依存心を改善することの必要性など, 今後の津波防災のあり方を提言した.
  • 和田 一範, 竹内 邦良, 有田 茂, 後藤 知子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_105-789_123
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    現存していまも機能するわが国最古の大規模治水施設, 釜無川の信玄堤と, 世界最古の河川施設, 中国岷江の都江堰には, 数多くの共通する流水コントロール技術と自然の猛威との共生にかかる昔人の叡智が見られる. これらの叡智は, 日本の川除にかかる古文書にも共通するテーマとして記されたものであり, モンスーン・アジアにおける自然の猛威との共生にかかる共通の処方箋として培われてきたものである. 本論文は, これらの人間と河川との長い歴史の中で培われた共生の科学を明らかにし, 近代改修が推進されるなかで失われてきたこれらの叡智を, 現代に合ったものとして再構築し, 地域住民の自助, 共助としての官民のパートナーシップの確立と, 持続的な社会構築に向けた21世紀の水管理の理念として提言するものである.
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