土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
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2005 巻 , 792 号
III-71
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
[招待論文]
  • 河西 基, 大西 有三, 油井 三和, 佐々木 規行
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_1-792_12
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物処分に関しては, 原子力発電環境整備機構による「概要調査地区選定」のための公募が開始されている. 低レベル放射性廃棄物に関しては, 高βγ廃棄物を主対象として, 従来の浅地中処分方式よりもやや深い深度での処分方法の検討が行われている. これらの放射性廃棄物の処分にあたっては, 学際的な幅広い専門分野における最先端の技術の結集が不可欠である. 特に, 地下処分施設等における, 調査・設計技術, 材料開発, 性能評価手法などの面において土木工学が果たす役割は非常に大きい. 本論文では, これまでに土木工学が経験をしたことのない千年~万年を超えるような超長期にわたる議論を必要とする処分技術における最近の動向とともに土木工学の果たす役割や期待について述べる.
[投稿論文]
和文論文
  • 濱田 政則
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_13-792_25
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    重力場と遠心載荷場における模型地盤の流動実験により液状化砂の流動特性を実験的に明らかにした. 模型地盤の層厚を変えた重力場の流動実験から, 液状化砂がせん断ひずみ速度の増大につれて粘性係数が低下するいわゆる擬塑性流体あるいはビンガム流体としての性質を示すこと, また粘性係数が模型地盤層の1.3~1.6乗に比例して増大することを示した. さらに, 遠心載荷場で遠心加速度を変化させた流動実験から, 重力場の模型実験と同様, 液状化砂の粘性係数がせん断ひずみ速度の増大により低下すること, および遠心加速度の1.6~1.7乗に比例して増大することを示した. これらの実験結果は実地盤の側方流動による地表面変位の予測および基礎構造に作用する流動外力の評価に関して有用な基礎的知見を与えると考えられる.
  • 蒋 宇静, 佐々木 郁夫, 大隈 周史, 棚橋 由彦
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_27-792_43
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年, 都市域におけるトンネル工事においても山岳工法を用いることが多くなっている. 都市域でのトンネル施工は, 未固結地山を対象とすることが多く周辺環境への影響を最小限に抑えなければならないことから, 補助工法を活用して解決している. 本論文では, 補助工法の中でも施工実績の多い長尺鋼管先受け工について, 三次元解析モデリングを行い, その変位抑制効果について評価を行った. その結果, 軟弱な地山ほど沈下抑制率は大きくなり, 比較的安定した地山では小さくなることが示された. また, 実現場への適用として長崎県オランダ坂トンネルを対象に, 計測結果から解析の妥当性を検証し, 未掘削域の地表面沈下の予測と解析結果に基づく対策工の検討を行い, その効果を確認した.
  • 東田 淳, 八谷 誠, 徳増 健, 佐野 洋平
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_45-792_59
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    地盤が不同沈下した時の長尺管路の力学 (土圧と変形) 挙動を遠心場の降下床実験によって調べ, 管路軸に沿う土圧 (鉛直土圧とせん断土圧), 管路の曲げひずみ, 管路の鉛直変位量の各分布が不同沈下量の増大に伴ってどう変化するかを確かめ, 地盤条件, 管路の埋設深さ, 管路の剛性の違いによる管路の力学挙動の変化を定量化した. そして, 1) 不同沈下量の増大に伴って管路の力学挙動が非線形に変化すること, 2) 不動地盤と沈下地盤側の管路を支点とする一対の三次元アーチが地盤中に発生し, 支点となった管路の上半分に強い土圧集中が生じること, 3) 土圧集中の範囲が不同沈下量の増大に伴って広がること, を見い出した.
  • 陳 光斉, 善 功企, 諫山 亜依, 笠間 清伸
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_61-792_73
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    現行の基準・指針類による液状化予測は, 想定されるある大きさの外力に対する液状化の有・無の判定という二者択一的手法であり, 土質特性の不確定性, 地震動の大きさに応じた液状化レベル, 液状化に伴う損失などは評価されていない. 本文は, リスクの概念を現行基準の液状化予測手法に導入し, 外力や土質条件の不確定性および損失を考慮した液状化リスクの分析手法を提案したものである. モデル地盤を対象に, 7つの異なる設計基準・指針類をもとに, モンテカルロ・シミュレーションによる事例解析を行った. 提案したリスク分析手法を用いることにより, 対象地点における土質特性の不確定性を考慮した液状化の発生確率や損失率 (期待損失額) などの定量的評価が可能であることが明らかになった.
  • 小竹 望, 近藤 三樹郎, 根岸 聖司, 野々村 千里
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_75-792_85
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    管理型廃棄物海面処分場の護岸背面の表面遮水工にジオシンセティックス多層ライナーを用いる場合, 土質材料からなる被覆層などの自重によって, この多層ライナーにせん断力が作用する. 本研究では, 多層ライナーの構成材料に生じる引張力を計測できる実験装置を用いて, 土質材料-保護マット-遮水シート-保護マット-土質材料から成る5層構造の法面模型に関する多層せん断実験を実施した. その結果, 多層構造の挙動は, 各層間の境界面せん断強度と各層の伸び剛性が支配する問題であり, 伸びの発生要因となる構造的要素も影響すると評価された. また, 各層間の境界面せん断応力-相対変位関係と一面せん断試験の応力-変位関係の類似性から, これを境界面モデルとする2次元弾塑性FEMによって多層せん断実験を再現できることを示した.
  • 田中 宏征, 日下 裕貴, 安田 進, 飯田 毅
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_87-792_102
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    地中構造物の液状化対策としての鋼矢板締切り工法に関し, 1 g場での振動台模型実験を行い, 鋼矢板の種類 (普通, 排水機能付き) や剛性, 構造物との位置関係などが対策効果に及ぼす影響を考察し, 構造物の浮上り抑制メカニズムと対策後における構造物の浮上りの要因の特定を行った. 次に, 簡便な対策工の設計法や対策効果の予測手法の確立に向け, 鋼矢板の変形と構造物周辺地盤の挙動の単純なモデル化を試み, 鋼矢板締切り対策後の構造物の浮上り量評価法の提案を行った. そして, 上記振動台模型実験の結果と既往の遠心模型実験結果に提案評価法を適用し, 妥当性の検証を行った.
  • 今井 政人, 岡 二三生, 中島 伸一郎, 張 鋒
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_103-792_118
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    現在, 実用化されているソイルセメント杭は一般的に厚肉の鋼管を芯材に使用している. 著者の1人は芯材に異形鉄筋と薄肉鋼管を用いた新しいソイルセメント杭構造を提案している. その最大の特徴はソイルセメントを薄肉鋼管で取り囲むことであり, この構造ではソイルセメントを杭材料として評価し杭体の設計に見込むことが可能である. 本研究では本構造の最も基本的な力学的特性として, 薄肉鋼管でソイルセメントを取り囲む複合体の圧縮特性を部材圧縮試験およびソイルセメントの三軸圧縮試験により明らかにするとともにソイルセメントの圧縮特性を弾塑性構成式としてモデル化を行った. その結果, 薄肉鋼管―ソイルセメント複合体の力学特性を明らかにするとともに杭としての有効性を明らかにした.
  • 篠田 昌弘, 米澤 豊司, 舘山 勝, 古関 潤一
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_119-792_129
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    補強土壁構造物における土や補強材などの力学的特性は, 潜在的ばらつきを有している. これを定量的に評価することは設計上, 重要な課題の一つである. しかしながら, 従来の安全率を用いた設計法では, 構造物がどの程度安全か把握しにくく, 定量的な判断が難しい. 設計用値のばらつきを考慮できる信頼性解析により, 壁高を変えた補強土壁構造物の常時の滑動モードと転倒モードについて検討を行った. 解析の結果, 限界状態超過確率に大きく影響を与えるのは土の内部摩擦角であり, 次に補強材破断強度であることが分かった. 任意の断面で土の内部摩擦角と補強材破断強度の平均値を様々に変化させた結果, 安全側となる土の内部摩擦角と補強材破断強度の平均値を示すことができた.
  • 杉井 俊夫, 山田 公夫, 植村 真美, 奥村 恭
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_131-792_142
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年, 飽和・不飽和浸透流解析が容易に行われるようになってきたが, 未だ解析に必要となる不飽和土の水理学的特性 (土の保水性や不飽和透水係数) を求める試験の実施は少なく, 特に不飽和透水試験の規格化が国内では遅れている現状にある. 本研究では, これまで提案されている中でも有望とされているInstantaneous Profile法を改良した新たな試験装置の開発とその信頼性および有効性について調べるとともに, 礫混じり砂, 珪砂, シルトといった砂質土を中心とした試料の不飽和透水係数を求めている. 従来の試験法による結果との一致だけでなく, 粒径範囲が狭い砂でも粒径が大きいほど高飽和域での透水性が急激に低下する傾向にあることを実験から得ている.
  • 田中 宏征, 日下 裕貴, 岡本 政信
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_143-792_158
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    鋼矢板の用途の多様化に加え, 環境問題への関心の高まりが相まって, 透水性鋼矢板や排水機能付き鋼矢板に見られるように通水性を確保するための孔部を設けた使用例が増加している. しかし, これらの開口部を有する鋼矢板壁の通水性状は十分に解明されておらず, 実用的な評価法が確立されていないのが実情である. そこで, 開口部を有する壁体の通水性状について透水試験や浸透流解析を行い, 開口率や開口部配置, 壁厚の影響を考慮した評価手法を提案し, 透水性鋼矢板が地下水の流れに及ぼす影響について考察を行った. さらに, 提案手法を液状化対策に用いられる排水機能付き鋼矢板へ適用して周辺地盤における過剰間隙水圧の発生・消散解析を行い, 振動台実験結果との比較を通して妥当性, 適用性を検証した.
  • 矢野 隆夫, 大西 有三, 西山 哲, 齋藤 竜平
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_159-792_174
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    岩盤不連続面の透水特性は不連続面内の空隙構造に大きく支配される. その空隙構造は不連続面に作用する垂直応力σvや, せん断に伴うダイレイションにより大きく変化すると考えられることから, せん断時の透水特性の把握は重要となる. そこで, 本研究では岩盤不連続面のせん断時における透水特性を把握するために, せん断透水同時試験装置の開発を行い, その基本的なパラメーターである不連続面に作用するσv, 不連続面表面形状および動水勾配Iが透水特性に与える影響について考察した.
  • 杉本 知史, 落合 英俊, 安福 規之, 大嶺 聖
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_175-792_184
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, 浅層地盤内に存在する円筒空洞の断面が収縮する際に生ずる地盤内応力の変化や塑性域発生の特徴を明らかにし, これを定量的に予測する合理的な手法の提案を目的としている. 本論文では, “cavity expansion theory”を拡張した予測手法とこれを適用した場合の結果について述べている.
    さらに, 本研究を行うにあたり開発した応力測定装置による2次元模型実験を行った. これより得られた結果に基づいて, 本手法の妥当性を検証し, 提案した方法が空洞近傍における応力変化の予測に適用可能であることを示した.
  • 津野 究, 古田 勝, 藤井 光治郎, 長嶋 文雄, 日下部 治
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_185-792_197
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    地下鉄から伝播する列車走行時振動に関する環境影響評価上の地盤振動予測式の精度改善, 固体伝播音予測の基礎資料の提供を行うことを目的に, 振動の減衰特性について検討を行った. まず, 東京都内および近郊の17地点を対象に, トンネル内, 地中および地表部の振動加速度を測定し, 1/3オクターブバンド分析を行った. これをもとに, 振動加速度の分布状況の把握, 周波数ごとの減衰傾向の分析, Bornizの計算式を適用した各周波数バンドごとの内部減数定数の算出などを行い, 周波数と内部減衰定数の関係を示し, 東京都内および近郊で想定される内部減衰定数の変動量を把握した. さらに, これをもとに地盤の地表部における振動加速度レベルの変動量の予測を試算した.
  • 田村 武, 林 芳樹
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_199-792_210
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    従来, トンネル覆工において座屈に関する検討はほとんど行われてこなかった. しかしながら, 山岳トンネルの支保工のような剛性の低い覆工には, 座屈が生じることも考えられる. そこで, 本研究では, トンネル覆工を弾性棒と回転ばねを用いて2次元的にモデル化し, 線形座屈解析と有限変形座屈解析の2つの手法により座屈荷重と座屈モードを求めた. まず, 半径方向に一様な荷重が作用する円弧アーチに対して座屈解析を行い, 解析結果と理論値との比較を行うことで解析手法の妥当性を検証した. そして, 同手法を用いて周辺地盤との相互作用が座屈挙動に及ぼす影響について検討するとともに, 覆工厚や覆工形状が及ぼす影響についても検討した.
和文ノート
  • 鈴木 素之, 田口 岳志, 藤本 哲生, 河原 陽子, 山本 哲朗, 岡林 茂生
    2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_211-792_216
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    セメント安定処理土は施工後の原位置で拘束圧を受けるが, 段階施工の場合には拘束圧の大きさは時々刻々と変化する. 本ノートでは, まず既報で示した遅延載荷時間と養生時間の影響について, 先に導入した圧密養生効果指標の観点から補足した. 次に, 単一載荷条件での上載圧の載荷時間, 段階載荷条件での上載圧増分と次の載荷までの先行上載圧の載荷時間の影響について, 新規実施した一軸圧縮試験の結果に基づいて検討した. その結果, 先行上載圧によらず, 次の載荷までの時間が長いと, 供試体の密度は増加せず高強度は発現されないこと, また総上載圧が同じ場合, 段階載荷条件の方が単一載荷条件よりも一軸圧縮強さは小さくなるが, 上載圧増分が先行上載圧下で形成したセメンテーションを損傷しないことが明らかになった.
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