土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 793 号
IV-68
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
[投稿論文]
和文論文
  • 榊原 弘之, 加来 尚徳
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_1-793_11
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本論文では, 社会基盤整備事業の計画段階において, 社会を構成する市民の意向を部分的に反映した主体 (事業者や関係自治体及び環境保護団体など) が意思決定に参画するような合意形成システム (ゲーム的合意形成) を想定し, 主体と市民 (支持者) の間の意見集約メカニズムのあり方について検討を行う. まず, コンフリクトが帰結に至る過程を定常ゲームとしてモデル化する. 次に, 意見集約メカニズムが満足すべき条件として支配的行動の優越性を明示した上で, 事象依存型と行動依存型の2種類の意見集約メカニズムを定式化する. さらに, 事業者と住民団体の間のコンフリクトにおいて, 意見集約メカニズムがもたらす帰結の違いを明らかにするとともに, 意見集約メカニズムの帰結への影響はケースに依存することを示す.
  • 松中 亮治, 谷口 守, 青山 吉隆, 舛岡 田渡史
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_13-793_25
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, 今後建設が計画・予定されている高規格幹線道路網を対象として, 複数の段階的整備プロセス決定基準を設定し, これらの基準に従う高規格幹線道路網の段階的整備プロセスを明らかにした. そして, 各整備プロセスを社会経済的効率性, 事業者の採算性, 国土の均衡ある発展という3つの観点から比較考察した. その結果, 長期的に整備プロセス全体を評価しネットワークの整備プロセスを決定する, もしくは, ネットワーク形成の各段階で実施プロジェクトを動的に決定することにより, 社会経済的効率性, 事業者の採算性を大きく改善し得ること, 国土の均衡ある発展に資するという観点のみから整備プロセスを決定した場合, 社会経済的効率性や事業者の採算性は大きく低下することを明らかにした.
  • 溝上 章志, 柿本 竜治, 橋本 淳也
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_27-793_39
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, バス輸送の持つ平均的生産性構造と実績費用とを比較することによる当該路線の生産効率性, および路線沿線の潜在需要と実際に獲得した乗車人員との比較による潜在需要の顕在化可能性という2つの視点から, バス路線別の特性評価を行う方法を提案したものである. さらに, この特性評価法による路線の分類, および分類された路線を改善する合理的でシステマティックな路線再編方策を示す. 熊本都市圏を対象として汎用交通需要予測パッケージの一つであるJICA STRADAを利用し, この路線分類別の改善方策にしたがったバス路線網の再編を試みた. 再編バス路線網に対して交通需要予測を行った後の路線別, および路線網全体の乗車人員や営業係数などについての効果分析を行い, 本手法の実用可能性と有用性を検証した.
  • 工藤 祐揮, 松橋 啓介, 森口 祐一, 近藤 美則, 小林 伸治
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_41-793_48
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    自動車の諸元だけでなく, 自動車使用地の地理的・社会的要因にも依存する自動車の実燃費を推計することは, 地域性を考慮した自動車部門における地球温暖化防止策, 省エネ策を策定・評価する上で必要不可欠である. 本稿では, 携帯電話によって全国規模で収集された, 自動車ユーザの自己申告に基づく給油ログデータを基に階層構造型実燃費データベースを構築し, そこから得られる実燃費と, 地域性を示すマクロな統計指標とを組み合わせることにより, 地域性を考慮したガソリン乗用車単体の実燃費マクロ推計式を, 重回帰分析により構築した.
  • 村上 睦夫, 日野 泰雄
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_49-793_58
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では実態調査結果の詳細分析に基づいて, 路上駐停車の問題点を明らかにするとともに, それらの実効的改善を目指して, シミュレーションモデルによって路上駐車施設選択行動原則を明らかにした. また, この路上駐車施設選択行動を組み込むことにより, 路上駐車車両を荷捌き施設に配分する道路利用適正化モデルを構築し, 利用者側, 施設側それぞれの指標として駐車可能率と平均回転率を提案し, それらの施設の評価を試みるとともに, その運用改善策を提案した. さらに, モデルによる感度分析結果に基づいて路上駐車需要に対応するため, 路上荷捌き施設の効果的設置の考え方とその実現化に向けた課題を提示した.
  • 小林 潔司
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_59-793_71
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では複数のインフラストラクチャ (以下, インフラと略す) のライフサイクルの関係を, 修繕タイミングが分散化された非同期レジームと集中化された同期レジームに分類する. その上で, 個別インフラを対象とした分権的ライフサイクル費用評価の結果とシステム全体を対象とした集計的効率性の関係について分析する. その結果, 非同期レジームでは平均費用法に基づいた分権的ライフサイクル費用評価により, システム全体における修繕政策の通時的協調を達成できることを示す. 一方, 同期レジームでは割引現在価値法に基づいた評価によりシステム全体を集計的に効率化できることを示す. さらに, インフラのライフサイクルに不確実性が存在する場合における望ましい分権的ライフサイクル費用評価法についても考察する.
  • 中西 仁美, 土井 健司, 柴田 久, 杉山 郁夫, 寺部 慎太郎
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_73-793_83
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    イギリスでは市民生活の質の向上を国家レベルでのサステイナビリティ実現の前提条件と位置づけ, 政策レビューにQoLインディケータ (QoLIs) を用いている. 本稿は, イギリスにおけるQoLIsシステムの導入経緯とわが国の政策運営への示唆を明らかにしている. イギリスでは, エンドアウトカムに着目して市民生活の改善度を測るQoLIsは, 政策への市民の関心を高め, 行政と市民との対話や自治体間の連携を容易にしたと評価され, QoLIsを政策インプットにフィードバックする方法も考案されている. しかし, 現状のシステムは政策レビューには有効ではあるものの, 事前のアセスメントへの適用には課題を抱える. 本稿ではこのようなQoLIsシステムの限界を捉えた上で, わが国におけるQoLの改善を全体目標とした総合アセスメントの考え方と, QoL最大化のための政策設計の必要性を示唆している.
  • 加藤 浩徳, 今井 誠
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_85-793_104
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, Activity-Based Approachに基づく資源配分モデルにより余暇活動をモデル化し, そこから私的交通の時間節約価値を算出するものである. モデルでは, 1日単位の時間・所得の配分と, 1週間単位の時間・所得の配分という2段階の意思決定構造を仮定した. 1日モデルは, ある場所で移動を伴う余暇活動を行うという条件の下での, 1日の時間と所得の配分を表すものであり, 1週間モデルは, 余暇活動場所と回数の選択行動を通した1週間の時間と所得の配分を表すモデルである. 1週間モデルに1日モデルから算出された1回の余暇活動で費やす期待時間と期待費用を用いる, という入れ子構造となっている. このモデルに対し, 東京圏鉄道利用者の1週間のダイアリーデータを適用し, これらの人々の私的交通時間節約価値を実際に算出するとともに感度分析を行った.
  • 大西 正光, 横松 宗太, 小林 潔司
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_105-793_120
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では危険中立的な企業の地震保険保有行動を流動性需要に基づいて説明する. 具体的には, 企業の地震保険保有行動を借入制約を考慮した3期間モデルを用いて定式化する. 企業が初期投資を実施し, その収益を回収するまでの期間内に地震が発生した場合, 企業は緊急に流動性資産を調達する必要がある. しかし, 企業が負債を抱えている場合, 追加融資の調達が困難になる過重債務問題が発生する可能性がある. 地震保険は, 地震発生時に生じる過重債務問題を克服するための手段になる. さらに, 地震保険保有により生じるモラルハザード問題を分析し, モラルハザードと過重債務問題を同時に克服しうるファイナイト契約について考察する.
英文論文
  • Prakash RANJITKAR, 中辻 隆, 吾田 洋一, 浅野 基樹, 川村 彰
    2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_121-793_132
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    GM (General Motors) モデルは車両追従挙動の基本コンセプトとして広く受容されているがそのモデルパラメータ値に統一的な解釈が見られていない. 高精度のRTK-GPSによる追従走行試験データを用いて, モデル様式, 走行条件, および同定手法の3つの観点から4つのスキームを想定した上でモデルパラメータの再同定とその評価を行った. モデル様式としては, 非定常な反応時間を考慮したモデルが, 同定手法としてはランダム探索に基づくGA (遺伝的アルゴリスム) が最小二乗法より優れていること, また交差点での制動・発進を含む走行条件下では密度-速度 (k-v) 曲線に基づく同定が相関係数や分布形状の面から安定していることを示した. さらに, 単路部と交差点部の走行条件に対して, 反応時間とモデルパラメータを対数正規分布として表すことが統計的に有意であることを示した上で確率的GMモデルの提案を行った.
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