土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 797 号
VII-36
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
[委員会報告]
  • 土木学会環境システム委員会 , 環境システム学の体系化に関する研究小委員会
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_1-797_10
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    土木学会環境システム委員会では, 2004年度に「環境システム学の体系化に関する研究小委員会」を設置し, これまでの委員会活動をベースとしつつ, 今後5~10年の間に「環境システム学」の体系化, 制度化に向けて, どのような努力を行うべきかの議論を行った. 具体的には, 1) 環境システム学の現状把握と将来展望の提示, 2) わが国諸大学において「環境システム」の名称で行われている教育カリキュラムのサーベイと教育カリキュラムについての検討, 3) 現在, 行われている研究や学問パラダイムを平易かつ本質を失うことなく書き下しその流布活動を行うこと, とした. 本稿は, この小委員会活動について, 上記1) を中心に紹介を行ったものである.
[投稿論文]
和文論文
  • 和田 安彦, 青木 佳世, 森兼 政行
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_11-797_24
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 自動車利用が環境にどれだけ負荷を与えているのかを市民が判断できる「エコドライビング・システム」を構築した. 本システムを用いて, 現在の市民の自動車利用モードを明らかにし, エコドライブ配慮の有無に影響する要因について検討を行った. また, 運転者自身の自動車利用が環境にあたえる影響を理解した場合の改善意識の割合から当開発システムの効果を検証した. その結果, 若い世代や利用頻度が高い人はエコドライブができていない割合が高い傾向にある. さらに, 車の利用理由による因子分析の結果から, 快適であるなど利己的理由により自動車を利用している人はエコドライブ運転をしていないことを明らかにし, 本システムがエコドライブ意識の向上に効果的であることを示した.
  • 林山 泰久, 稲垣 雅一, 阪田 和哉
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_25-797_36
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    環境教育とは, 個人が自らの行動の長期的影響を考慮し, 理解を深め, 合理的な行動を行うように変容することを想定しているものと考えられる. しかしながら, 新古典派経済学では合理的な個人を仮定していることから, ここでの個人はそもそも個人の長期的影響を考慮した行動を行っており, 環境教育を施すことによって厚生が上昇することも, 行動を変容させることもないという論理的な矛盾が生じている. そこで, 本研究では, 実験経済学および行動経済学において議論されている「自制問題」に着目し, 環境問題を現在偏重型選好により生ずる時間不一致性の問題として捉え, その際の環境教育の効果について検討した.
  • 古市 徹, 石井 一英, 南部 稔
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_37-797_50
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    廃棄物の不法投棄等による土壌・地下水汚染対策を円滑に進めるためには, 調査から修復までを一連の流れとしてシステム化する必要がある. そこで本研究では, 汚染対策を行う上で必要となるデータとそのデータを変換するプロセスを抽出し, データモデルの概念を用いて, それぞれの整合性を図りながら, 各データをプロセスを仲立ちとして関連づけた. 特に, 地下水汚染の予測解析を実作業レベルで可能とする調査・解析データモデルを構築した. そして, 実汚染現場に, 本調査・解析データモデルを適用することにより, 効率的な解析ができることを示した. すなわち, 数値シミュレーションの機能を, 本調査・解析データモデルの中に位置づけて, 実作業レベルにおいて効率的に応用できることを示した.
  • 宮本 重信, 竹内 正紀
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_51-797_62
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    筆者らは, これまで建物のコンクリート基礎杭を熱交換器に兼用して地中熱を集熱し, その周囲の駐車場や歩道を融雪するシステムを開発普及させてきた. ここでは, 安価で省エネルギーとなるこの融雪システムを凍結と圧雪から需要の高い橋面での融雪に適用した. 大口径鋼管杭が密集して行列に設置される橋梁基礎杭の特徴は, 杭の相互干渉という群杭効果を招き, 地中熱集熱は非効率となる. そこで, 逆にその特徴を生かし, 夏に循環ポンプを運転することで路面の熱を地中に蓄え, 冬の融雪に使うことを考えた. 夏の蓄熱は, 従来は冬までに拡散したが, 群杭効果で保存されるとの数値シミュレーションの結果であった. この杭には水 (熱媒体) を貯めるために先端閉塞の回転圧入杭を用い, 配管の施工でも工夫を行った.
  • 津野 洋, 中野 武, 田中 康寛, 松村 千里, 天野 幹大, 新海 貴史
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_63-797_70
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, PCBのモニタリング指標生物として用いられるムラサキイガイに着目し, PCBのムラサキイガイヘの濃縮の経時的変化や貝の大きさによる変化を調査し, ムラサキイガイの成長過程でのPCB濃縮特性の把握を試みた. その結果, 成長過程によるムラサキイガイ中の総PCB濃度および濃縮係数の変化は少ないことがわかった. さらに, 海水中の懸濁性/溶解性PCBの濃縮係数がKocと一致することから, SSにはPCBが吸着した形で存在していると考えられる. また, ムラサキイガイ中/溶解性PCBの濃縮係数は7塩素化までは塩素数が増えるにつれ徐々に高くなるが, 8塩素化以上になると逆に減少することが示された. また, #141, #174, #170の異性体は周りの同族体と比べ濃縮係数が1/10程度と低いことも示された.
  • 津野 洋, 中野 武, 天野 幹大, 松村 千里, 田中 康寛, 新海 貴史
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_71-797_79
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    大阪湾および播磨灘で採取した海水とムラサキイガイ中のPCB濃度を測定し, それらの関係を, 総PCB濃度, 同族体分布および異性体分布も含め検討し, ムラサキイガイのPCBモニタリングの指標生物としての評価を試みた. ムラサキイガイ中のPCB濃度は, 海水中のPCB濃度とその同族体および異性体分布の特徴を反映することが示された. 海水からムラサキイガイヘの濃縮係数はおよそ20000程度であり, 同族体別では6塩素化体までは塩素数が増えるにつれて増加し, それ以降は減少することがわかった. 主成分分析により, PCBの同族体の分布パターンがPCB汚染の起源推定に使えることが示された. また, ムラサキイガイの部位別の濃度測定により, 足糸部以外の部位の異性体分布が類似していた.
  • 日比 義彦, 藤縄 克之
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_81-797_94
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    筆者らは, これまでに多孔体中における水―NAPL2相流の数値解析モデルを開発し, 従来の数値解析モデルと比較してきた. その結果, Celia et al.が空気―水2相流解析のために開発した修正Picard法を用いた数値解析モデルの方が, 従来のFully Upwid法を用いた数値解析モデルより若干精度が良いことがわかった. そこで, 本報では, 修正Picard法を用いた有限要素法により空気―水―NAPL3相流支配方程式を定式化する. さらに, 修正Picard有限要素法の解析結果とOostromが行ったFully Upwind差分法の解析結果を比較し, 2相流と同様に, 3相流についても修正Picard有限要素法の方がFully Upwind差分法より若干精度が良いということを示す.
和文ノート
  • 市川 貴大, 浅野 義人
    2005 年 2005 巻 797 号 p. 797_95-797_100
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    近年森林土壌や緑化分野においてほとんど利用されていない, 特殊な装置を必要としない簡易な有機物 (炭素) 含有量の測定法である強熱減量法とアルカリ性溶媒による腐植の抽出・比色定量法に着目し, その有効性について検証した. 強熱温度600℃, 強熱時間30分で求めた強熱減量は, 森林の落葉落枝層, 表層土壌の炭素含有量と正の相関関係 (R2=0.998) にあった. アルカリ性溶媒20mLに対し風乾試料重を0.5gにして求めたアルカリ性溶媒による表層土壌の腐植抽出液の波長600nmでの吸光度 (A600) は試料の炭素含有量と正の相関関係 (R2=0.833) にあった. 強熱減量とA600はいずれも試料の炭素含有量すなわち有機物含有量の簡易測定に使用可能である.
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