土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
2005 巻 , 800 号
IV-69
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
[投稿論文]
和文論文
  • 矢部 浩規
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_1-800_14
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 河川災害リスク情報の適切な提供方法に関する有用な知見を得ることを目的としている. 人々の避難等の判断, 対応行動に至る意思決定過程を明らかにするため, 札幌市在住22人の7036個の発話データを収集してプロトコル法を適用した結果, 3つの思考過程に分類された. 思考過程に応じて, 避難命令や浸水などの災害情報の他, 避難経路, 家族や自宅等の多様な情報が対応行動を促す根拠となっている. また, 災害前の河川災害リスク認知が, 思考過程に影響を及ぼすことが示唆されたため, 札幌市, 石狩市の市場価格地価データ812地点を対象にヘドニック・アプローチを用いた土地評価からリスク認知を分析した. 河川災害リスクを定量化してリスクが認知されていることを実証し, 過去や現在・将来の浸水規模, 発生時点からの時間経過, 浸水地点からの距離等要因の認知特性を顕在化した.
  • 中川 大, 青山 吉隆, 松中 亮治, 田中 宣好
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_15-800_26
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    阪神淡路大震災以降, 震災時の交通現象については様々な研究によって詳しく解明されてきている. しかしながら, 遠方からの通勤者など, 震災直後に自力で帰宅することが困難となる帰宅困難者については阪神淡路大震災では大きな問題とならなかったこともあって, どのような影響がもたらされるか分析は進んでおらず, 政策的にも有効な対応策が打ち出されている状況ではない. 本研究では, 帰宅困難者の発生が被災地内での物資供給と交通の状況に与える影響を分析するとともに, 複数の対応策を示したうえでその効果を比較する. 対応策は, 通行規制などの直接的な交通対策に留まらず, 物資輸送の配分方法, 帰宅困難者の帰宅方法, 備蓄の増強などに関するものを対象とする.
  • 福井 恒明, 篠原 修
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_27-800_36
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 店舗や住宅など, 街路の沿道要素を粒として捉える「グレイン論」を導入することによって, 歴史的印象を感じられる街路の条件を明らかにすることを目的とする. 歴史的な街路を対象とした実験で得た歴史的印象評価とグレイン構成比の関係を分析した結果, 次のような結論を得た. 1) 街路の歴史的イメージはグレイン構成比と強く相関しており, 街路イメージの分析にグレイン論の適用が有効である. 2) 街路に歴史性を感じると評価されるには, 歴史的ファサードを持ったグレインが全体の20-30%以上必要であり, かつ, 歴史性を阻害するグレインは歴史性に寄与するグレインの10-20%以下でなければならない. 3) 歴史的印象評価をグレイン構成比等から予測する式を提示し, これを通じて街路の歴史性評価を上げるための方策を提案した.
  • 杉山 郁夫, 土井 健司, 若林 仁, 川俣 智計
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_37-800_50
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    モビリティへの欲求の高まりを受けて移動の質の改善が急がれるが, 既存のLOS概念に基づく設計法では, 限られた空間の中に健常者と移動制約者に跨る様々な利用者のニーズを反映させることは困難である. 本稿では, 移動の質の定量化に基づく歩行空間の評価方法と代替案の設計方法を提案している. また, ケーススタディとして, 2005年日本国際博覧会における西ターミナル利用者の歩行空間整備を取り上げている. ケーススタディでは, 降車点と会場ゲートを移動する間に利用者にかかる負のストレスを軽減するため, 移動の質に関するアンケート調査を実施し, 移動容易性, 空間快適性, 情報提供性, 介助性の4つの軸に基づき, ムービングウォーク, 休息施設, 案内所の配置等による移動の質の改善効果を試算している. さらに, この定量化に基づく代替案の設計と, 技術者がファシリテータとなった最終代替案の選択方法を示している.
  • 竹林 幹雄, 黒田 勝彦, 金井 仁志, 原 進悟
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_51-800_66
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本稿では, 寡占化が進行する国際コンテナ貨物輸送市場をモデル化し, 港湾諸政策が市場に与える影響を評価する. まず, 寡占化を考えるにあたり, 世界的な同盟船社群間に量的競争を仮定する. キャリアの制御変数はリンクの輸送能力ではなく, 実在する航路の輸送能力として定式化を行った. 次に荷主には確率配分を仮定し, 定式化を行い, 最適化条件の導出を行った. 2000年のアジア発着コンテナ市場を対象とした再現性の評価を行った. 最後に2000年時点での港湾諸費用の変化による感度分析を行った結果, スーパー中枢港湾指定を行うことで3大湾へのトランシップ貨物の集荷量が増大することがわかった.
  • 中井 祐
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_67-800_86
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本論文は, 日本近代を代表する橋梁技術者の一人, 樺島正義 (1878-1949) の仕事の全容を明らかにするとともにその設計思想の特質を示し, 日本近代橋梁設計史における樺島正義の歴史的位置付けを考察するものである. 樺島は, 鍛冶橋や呉服橋をはじめとする東京市内の市街橋の設計に実績を残したが, その設計手法の特長は, 都市の文脈の読解に基づいて架橋地点の場所性を橋の線形, 構造形式, 装飾等に反映させながら, 総合的に橋の景観を構成していく点にあった. これは, 橋の美観即ち装飾設計と考えられていた文明開化期以来の従前の手法に対して, 都市空間や景観という価値に基づいて市街橋設計の新たな方法論を示した点において, 日本近代橋梁設計史上のエポックとして位置付けられるものである.
  • 内田 賢悦, 加賀屋 誠一
    2005 年 2005 巻 800 号 p. 800_87-800_100
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, プロビット型SUEによるマルチモーダル配分モデルを構築した. 自動車交通, バス交通, 軌道系交通機関がモデル内でとりあげられており, それらの相互作用も表現されている. さらに, このモデルを適用し, 積雪寒冷地における凍結防止剤最適散布量を決定するモデルを提案した. 凍結防止剤の散布は, 道路のサービスレベルを向上させるため, 旅行者は凍結防止剤散布量に対応して交通機関選択・経路選択を行うものと考えられる. したがって, 凍結防止剤最適散布量問題は, 散布量に対する旅行者の反応をプロビット型SUEとしたNetwork Design Problem (NDP) として定式化している. 最後に, 簡単なテストネットワークを用いた計算例を示している.
和文報告
[国際会議報告]
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