土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
62 巻 , 4 号
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英文論文
  • Vivek Kumar GUPTA, Yoshiaki OKUI, Masatsugu NAGAI
    2006 年 62 巻 4 号 p. 854-864
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
    The positive bending moment capacity of composite steel girders is examined through parametric study employing elasto-plastic finite displacement analyses. The effects of initial bending moment on the bending moment capacity and on the web slenderness limit for section classification are investigated. Observations made during the numerical study indicate that the noncompact web slenderness limits in conventional design standards, which are based on tests of steel I-sections, are conservative for composite sections. Many sections, which are classified as slender by current specifications, demonstrate sufficient flexural capacity as noncompact. The conventional web slenderness limits for noncompact sections, independent of initial bending moment seems inappropriate for composite I-girders. The initial bending moment has considerable effect on the noncompact web slenderness limits. The web slenderness limits for compact and noncompact sections are proposed on the basis of the parametric study.
和文論文
  • 堺 淳一, Stephen A. MAHIN, Hyungil JEONG
    2006 年 62 巻 4 号 p. 713-728
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     橋脚の変形性能を重視した最近の設計基準によるRC橋脚は,強震動による倒壊は免れるものの,地震後に大きな残留変形を生じ,その結果,橋梁としての機能を維持できず,災害救援・復旧活動に大きな支障を来す可能性が指摘されている.こうした2次被害を最小化することおよび橋脚自体の復旧性の向上を目指してRC橋脚の残留変形を低減できる構造を提案し,その地震応答特性を円形断面RC橋脚に対する振動台加震実験により評価した.この結果,アンボンドPC鋼棒を円形断面RC橋脚の断面中心に配置し,適切な緊張力を与えることで,最大応答変位,基部の損傷の程度は従来のRC構造と大差ないが,地震後の残留変位を大きく低減できることが明らかとなった.
  • 麓 興一郎, 宇都宮 智昭, 新里 英幸, 田中 洋, 渡邊 英一
    2006 年 62 巻 4 号 p. 729-739
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     浮体橋の設計においては,特に波と風による動的応答を正確に予測することが重要となるが,本研究ではこれらを同時に受ける場合の浮体橋の動的応答シミュレーションプログラムの開発をおこなった.ここでは特に分離ポンツーン型浮体橋を対象として,1)橋体部の弾性変形,2)ラディエーション流体力のメモリー効果,3)係留系における非線形反力特性,を同時に考慮できるものとした.また,波が橋軸に対し斜め入射する場合にも対応するため,各ポンツーンに作用するディフラクション波力間の位相差を考慮できるものとした.開発されたプログラムを検証するため,別途実施された風洞内水槽での弾性浮体橋モデルに対する実験結果との比較をおこない,本プログラムによる解析値と実験値が良好に一致することを確認した.
  • 片岡 正次郎, 佐藤 智美, 松本 俊輔, 日下部 毅明
    2006 年 62 巻 4 号 p. 740-757
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     大規模地震を含むマグニチュード5以上の地震の強震記録約11,000波を用いて,地震動の最大加速度,最大速度,SI値,計測震度及び加速度応答スペクトルの距離減衰式を作成した.この距離減衰式は,モーメントマグニチュードと震源距離のほか,スペクトルインバージョンにより推定された加速度震源スペクトルの短周期レベルをパラメータとした回帰式である.短周期レベルをパラメータとした場合には,そうでない場合と比較して,顕著にばらつきの小さい距離減衰式が得られた.また,短周期レベルと地震モーメントとの関係を整理し,その地域性を考察するとともに,地震のタイプごとの関係式を提案した.
  • 金治 英貞, 鈴木 直人, 家村 浩和, 高橋 良和, 美濃 智広, 高田 佳彦
    2006 年 62 巻 4 号 p. 758-771
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     本論文は,長大トラス橋の地震時性能向上を目的とした床組免震構造を対象として,低摩擦型すべり支承と積層ゴムで構成された免震構造の動的特性を実験的,解析的に明らかにしたものである.ここでは,速度依存性,面圧依存性を有する低摩擦型すべり支承と積層ゴム,および上部桁から構成される試験体を用いた振動台実験を実施し,特に,実橋における主構の動特性により増幅された鉛直振動の影響に着目している.次に,低摩擦型すべり支承の特性をモデル化した1質点系モデルによる解析結果と実験結果を比較し,面圧変動を死荷重面圧との関係で無次元化し応答影響を明らかとするとともに,速度依存性が高い低摩擦型すべり支承を用いる場合の実務設計用モデルの構築を等価摩擦係数を用いて行っている.
  • 渡邊 育夢, 寺田 賢二郎
    2006 年 62 巻 4 号 p. 772-781
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     弾塑性変形から破壊に至る金属材料の変形過程を多結晶金属のマルチスケール解析で考慮するために,結晶塑性構成モデルに加え,連続体損傷モデルを導入した結晶粒の構成モデルを提案し,弾塑性・損傷の状態変数積分アルゴリズムを提示する.具体的には,弾塑性損傷の変形を弾塑性問題と同様に乗算分解で記述できる運動学を提案し,損傷の判定式を降伏関数と同様に扱うことで,マルチサーフェイス塑性論の枠組みで応力状態変数の積分アルゴリズムを導出する.また,提案した構成モデルおよび計算アルゴリズムを均質化法に基づくマルチスケールモデリングのミクロ構成モデルに適用し,ミクロスケールにおける結晶粒の損傷を考慮することでマクロ引張強度や延性といったマクロ変形強度特性を評価できることを例示する.
  • 斉木 功, 須藤 健太郎, 池田 清宏, 岩熊 哲夫
    2006 年 62 巻 4 号 p. 782-793
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     本論文では,多重分岐点の分岐解析に適した修正剛性法を提案する.一般に,分岐経路探査に必要な分岐解の方向は,ゼロ固有値の固有ベクトルを基に推定されるが,分岐点の多重度が大きい場合,複数の固有ベクトルを基に分岐解の方向を推定することは困難である.この問題を解決するために,系の対称性の破壊を意図して,接線剛性行列のいくつかの行と列を修正する修正剛性法が提案された.修正剛性法によれば,多重固有値の分離が行えるが,分岐解の方向の推定には問題があった.本論文では,修正剛性法による接線剛性行列の修正の方法に改良を加えることにより,分岐解の方向が推定可能となることを示す.さらに,本手法により軸対称性を有するトラスドームおよび空間対称性を有するハニカム構造の分岐解析を行い,本手法の妥当性と実用性を示す.
  • 小林 裕介, 三木 千壽, 田辺 篤史
    2006 年 62 巻 4 号 p. 794-807
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究では温度変形挙動を健全度評価モニタリングに適用することを目的として,鋼床版箱桁橋梁を対象に,部材温度および温度変化による変形挙動を2年間以上継続してモニタリングし,日射や外気温等と橋梁部材の温度分布,さらに温度変化による変形挙動との関係を日変動および年変動に対して分析した.その結果,部材の温度変化と変形挙動には高い相関性があり,かつその相関性が長期間で安定していることが明らかとなった.また,変形挙動に対して支配的な温度変化を抽出し,その温度変化と変形挙動との相関性を定量的に評価することを試み,温度変形挙動を橋梁の変状検知に適用できる可能性を示した.
  • 能島 暢呂, 松岡 昌志, 杉戸 真太, 江崎 賢一
    2006 年 62 巻 4 号 p. 808-821
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     地震動情報と人工衛星画像情報を統合処理することにより,両情報を合理的に活用して,建物全壊率を定量的に評価する手法を開発した.まず地震動情報と被害関数に基づいて全壊率を初期推定する.次に地震前後の人工衛星SAR強度画像から建物被害による地表面変化を検出し,ベイズ確率の方法によって初期推定を更新するものである.被害推定に必要な被害関数および尤度関数については,兵庫県南部地震の被災地域における種々のデータに統計解析の手法(ロジスティック近似および回帰判別分析)を適用して構築した.ケーススタディとして,兵庫県南部地震における建物全壊率分布の評価事例を示した.統合処理によって推定精度が向上し不確定性が低減していることを確認し提案手法の有効性を明らかにした.
  • 車谷 麻緒, 寺田 賢二郎
    2006 年 62 巻 4 号 p. 822-834
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     本論文では,多孔質体微視領域における孔表面での熱伝達を考慮した熱伝導問題について,均質化法に基づくマルチスケール熱伝導解析手法を提案し,その特徴を整理するとともに精度検証を行う.はじめに,多孔質体の孔を通して熱伝達がある場合の熱伝導問題に対する均質化法の定式化を示し,力学の変形問題とは異なったミクロとマクロの2変数境界値問題の数学的特徴や微視構造(ユニットセル)の取り扱い方について説明する.次に,均質化法によるマルチスケール熱伝導問題の解析精度の検証を行い,力学のマルチスケール問題では見られない数値解析的特性を整理・考察する.そして最後に,高温環境下における多孔質体に対する3次元マルチスケール熱伝導解析例を示し,本解析の妥当性および有効性を例証する.
  • 後藤 芳顯, 奥村 徹
    2006 年 62 巻 4 号 p. 835-853
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     上路式鋼アーチ橋の橋軸直角方向の耐震性能向上を目的として,骨組構造基部の浮き上がりを伴うロッキング挙動を軸降伏型の棒状ダンパーで制御しつつ許容する免震・制震機構を端柱とアーチリブの基部に用いることを提案した.この免震・制震機構の有効性を2種類の既存アーチ橋モデルを対象とした複合非線形動的解析により検討した.その結果,本機構を導入することで,レベル2地震動に対するアーチ橋本体の損傷や基礎への作用力を大幅に低減できることが判明した.とくに,本免震・制震機構は骨組のアスペクト比やせん断剛性が大きい場合に有効である.本機構は柱やアーチリブの基部に設置されるため施工が容易である.また,ダンパーを取り外した状態でもアーチ橋は死荷重に対する機能を損なわないので,死荷重作用下でのダンパーの設置・交換が可能である.
  • 森下 政浩, 阿曽沼 剛, 栗木 茂幸, 竹本 憲介, 齊藤 和伸, 松尾 啓
    2006 年 62 巻 4 号 p. 865-876
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,爆発荷重を受ける鉄筋コンクリート構造物の設計法及び防護法の確立に資するため,豊浦標準砂を用いた覆土の有無,ペントライト爆薬の質量及びスタンドオフ距離をパラメータとして鉄筋コンクリート版試験体の近接爆発試験を実施し,試験体に生じたクレータ,スポール及び貫通孔の発生状況に着目して検討を行った.その結果,爆発荷重に対する覆土の緩衝効果が明確に認められること,McVayのスポール損傷予測法を基に本研究で提案した方法により,覆土のない場合の鉄筋コンクリート版の損傷をより精度よく予測できることなどが明らかとなった.
  • 野津 厚, 山田 雅行, 長尾 毅
    2006 年 62 巻 4 号 p. 891-905
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     地下構造の情報が十分でなく,差分法等による地震動の評価が困難な地域において,周期数秒の帯域での強震動評価の精度向上を図ることは重要な課題である.本研究は,既往の研究で短周期地震動への適用性が示されている経験的サイト増幅・位相特性を考慮した強震動評価手法について,周期数秒の盆地生成表面波への適用性を検討したものである.まず,九州地方の強震観測点における経験的サイト増幅特性を評価し,これを利用して,1997年3月26日鹿児島県北西部地震に対し,同手法による強震動シミュレーションを実施した.その結果,カルデラ内で卓越する周期数秒の盆地生成表面波を良好に再現できることがわかり,周期数秒の帯域における強震動評価手法としての同手法の有用性を示すことができた.
  • 佐藤 忠信, 田中 庸平
    2006 年 62 巻 4 号 p. 915-924
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     構造ヘルスモニタリングには,ノイズに対するロバスト性と小さな損傷を検出できる敏感性が要求される.近年,カオス信号を外力として入力した構造物の応答からアトラクタを作成し,アトラクタの変化を損傷前後で比較することで損傷検出を行うという手法が提案されている.この手法は,アトラクタに基づく解析がノイズに対して敏感であるという利点に基づいている.そこで本研究では,カオス応答アトラクタからRecurrence Analysisを用いて定量的な情報を抽出し,これを損傷前後で比較することで損傷の検出を行う.数値解析例では,構造物の小さな損傷を設定し,入力と観測値に高レベルのノイズが付加された条件のもとで損傷検出を行い,提案手法の有用性を示す.
  • 東平 光生
    2006 年 62 巻 4 号 p. 936-949
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     領域型積分方程式を用いた弾性波動場の解析手法を示している.積分方程式を波数領域へFourier積分変換し,Fourier変換のユニタリ性と波数領域での区分一定基底を用いることで,複素非対称の大規模スパース行列へ変換している.このスパース行列に対しては,反復解法の一つである双共役勾配安定化法(Bi-CG STAB法)が効果的に用いられ,少ない反復回数で解が得られる.領域積分方程式の解は球関数展開による解と良好に一致し,散乱波のスペクトル特性を含めて,媒質の揺らぎを通過する平面波の散乱現象が良く説明されている.
和文報告
  • 野津 厚, 宮島 正悟, 中西 豪, 山田 雅行
    2006 年 62 巻 4 号 p. 877-890
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     想定東海地震のような,陸地の極近傍で発生する海溝型の巨大地震による震源近傍の強震動については,強震記録が存在しないため,不明な点が多い.本研究では,経験的サイト増幅・位相特性を考慮した統計的グリーン関数法により,想定東海地震の震源近傍における強震動の評価を実施している.強震動の評価に必要なサイト増幅特性はスペクトルインバージョンにより推定し,2001年4月3日静岡県中部の地震(MJ5.3)の強震記録を利用して強震動評価手法の妥当性を検証した上で,想定東海地震に対する強震動評価を実施している.その結果,震源近傍における地震動はサイト増幅特性に大きく依存し,サイト増幅特性の特に大きい場所では,1995年兵庫県南部地震の観測波を上回る地震動も想定されることがわかった.
  • 三木 千壽, 西川 和廣, 白旗 弘実, 高橋 実
    2006 年 62 巻 4 号 p. 925-935
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     鋼溶接部における非破壊検査手法が放射線透過試験から超音波探傷試験に移行しつつある.Time of Flight Diffraction (TOFD)法は英国で開発された超音波探傷試験の一つであり,我が国においても原子力容器などの検査には適用例がある.しかしながら,鋼道路橋においては,実績例がほとんどないのが現状である.国土交通省などを中心とした鋼道路橋への超音波探傷試験の適用性に関する共同研究が行われた.その中で,TOFD探傷システムに対して回送試験を行った.本報告は回送試験の目的,概要および結果を述べるものである.
  • 三木 千壽, 鈴木 啓悟, 加納 隆史, 佐々木 栄一, 石田 稔, 高森 博之
    2006 年 62 巻 4 号 p. 950-963
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     近年,鋼床版構造における疲労損傷が大きな問題となっている.本論文では,鋼床版構造の疲労損傷への予防的な補強対策として,鋼繊維補強コンクリート(SFRC)舗装による合成鋼床版化を考え,その効果についてFEM解析および実地応力測定により検証した.実地応力測定は,実際にSFRC舗装鋼床版構造が採用された横浜ベイブリッジ下層部(国道357号線,平成16年4月開通)を対象として実施した.さらに,合成鋼床版構造では,SFRC舗装のひび割れやデッキプレートとの接着切れにより合成効果が低下する可能性が懸念されることから,継続的に合成効果の機能健全性を評価することを目的として,光ファイバセンサを用いたモニタリングシステムを構築した.
和文討議
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