繰返し荷重を受ける耐候性鋼無塗装橋では,その疲労挙動が問題になる.本研究では,約25年間大気暴露した十字すみ肉溶接継手32体と面外ガセット溶接継手8体を疲労試験し,筆者らが,過去に行った無暴露材,2, 4, 10年大気暴露材の試験結果と比較した.十字すみ肉溶接継手のうち15体は,暴露前に疲労寿命の約25%の繰返し荷重を載荷した後に暴露したものである.その試験体で,比較的大きい疲労き裂が発生していたものは,無暴露材,2, 4, 10年暴露材の疲労強度から低下したが,疲労き裂が小さいか認められない場合には,疲労強度の低下はみられなかった.溶接したままで約25年間大気暴露した十字すみ肉試験体17体と面外ガセット溶接継手では,疲労強度の低下は見られなかった.
抄録全体を表示