土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
64 巻 , 4 号
選択された号の論文の29件中1~29を表示しています
招待論文
  • Hyun-Moo KOH, Jinkyo F. CHOO
    2008 年 64 巻 4 号 p. 653-664
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    In the years to come, Korea will have the privilege to become the country presenting the most diversified bridge construction activities that will constitute precious case studies for the international bridge community. Until 2011, about 50 major bridges with various types will link some of the 3,000 islands of the peninsula to the mainland, which are taking place in the ambitious plan for building an efficient national transportation network and set the bases for the future strategic hub of Northeast Asia. In order to sustain this unprecedented construction activity of infrastructure systems and the encouraging technological accomplishments that have been acquired to date, the Korean R&D community agreed with the necessity to prepare for the next generation of construction technology. There is a clear need to develop and construct a new generation of high performance facilities by means of enhanced materials, advanced structural systems and technologies as well as upgraded or improved specifications or standards in a lifetime perspective.
    This paper identifies some major technical issues and challenges for the next generation of bridge and addresses relevant and systematic construction-related R&D programs in Korea. Among them, the Korea Bridge Design & Engineering Research Center (KBRC) has been launched in 2004 as a national research program of the Ministry of Construction and Transportation to be the core of new research and technology transfer program in the area of bridge technology and expedite the process of full transition to the reliability-and performance-based bridge design codes and specifications in Korea. Other large R&D programs are also reviewed in terms of durability and lifecycle cost with lifetime perspective like the Bridge 200 R&D project of the Korea Institute of Construction Technology and high-performance materials like the High Performance Construction Material Research Center (HIPER CONMAT).
英文論文
  • Abdelkrim BOURZAM, Tetsuro GOTO, Masakatsu MIYAJIMA
    2008 年 64 巻 4 号 p. 692-704
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    This study describes an analytical proposal to predict lateral shear capacity of confined masonry walls that fail by diagonal splitting, where the maximum shear is evaluated as the dowel action of confined columns' reinforcement added to the shear capacity of the plain masonry panel. In order to validate the proposed approach, experimental test results and gathered data from literature were used. The experimental tests concerned two confined clay brick walls subjected to different level of gravity load and cyclic lateral loading. The applicability of some empirical formulae found in literature regarding the stiffness degradation was investigated. Good correlation between the predicted lateral resistance using the proposed approach and all data was achieved.
  • Gaku SHOJI, Jun KITAHARA, Atsushi KOJIMA, Toshiyuki KANAKUBO, Katsuyuk ...
    2008 年 64 巻 4 号 p. 982-1001
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
    In this study, the mechanisms associated with the seismic response of a long-period structure when subjected to a long-period seismic excitation are clarified. A typical scale cable-stayed bridge with prestressed concrete girders (PC cable-stayed bridge) was selected for analysis. First, we simulated long-period components of the ground motion at the site of the Ji-Lu Bridge, which was damaged in the 1999 Chi-Chi, Taiwan earthquake, and the damage of the bridge was assessed by nonlinear seismic analysis using the simulated ground excitations. Second, shaking table tests of a model PC cable-stayed bridge were carried out, in consideration of the similarity law, to clarify the mechanisms involved, focusing on the linear and nonlinear seismic responses of the tower and cables.
和文論文
  • 樋口 俊一, 田中 浩一, 神田 政幸, 西岡 英俊
    2008 年 64 巻 4 号 p. 665-677
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     シートパイル基礎は,直接基礎のフーチング4辺にシートパイルを配置,結合した新しい基礎形式であり,地中に貫入,結合されたシートパイルの地盤拘束効果による支持力向上と,地震時の転倒及び滑動耐力増加が期待できる.本研究では,遠心模型振動実験によりシートパイル基礎の初期剛性が同規模の直接基礎に対して大きく増加すること,地震時の応答変位を低減できることを示した.また,シートパイル基礎の初期剛性はシートパイルの根入れ長や基礎地盤密度に影響を受けること,シートパイルとフーチングを剛結構造にしないと最大強度の増加は期待できないことがわかった.さらに,その耐震抵抗メカニズムを分析し,振動方向に対して前・背面シートパイルの押し込み・引き抜きによるフーチング底面中央周りの回転抵抗の寄与が支配的であることを示した.
  • 川谷 充郎, 金 哲佑, 岩下 謙司, 安井 克典
    2008 年 64 巻 4 号 p. 678-691
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,レベル1相当の中小規模地震時において,橋梁の地震応答に与える車両の存在効果の検討および地震時における車両の滑り評価を目的とする.そのため,水平運動まで考慮する12自由度振動系車両モデルの定式化を行い,車両と高架橋の連成振動を考慮する三次元動的地震応答解析手法を構築する.橋梁の地震応答解析結果より,車両振動系が地震波の周波数特性によって橋梁応答を増幅あるいは低減させることが分かる.地震時の大型車両の滑り評価より,前軸が後軸より滑り易くなることと,車両が路盤上を走行することに比べて橋梁上を走行する方が滑り易い状況にあることを示す.
  • 平田 和太, 中島 正人
    2008 年 64 巻 4 号 p. 705-720
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は地震時変形を考慮したフィルダムの損傷確率評価と地震リスク評価について手法の提案と実ダムへの適用検討を行ったものである.地震時変形量の評価は斜面上の剛体ブロックの滑動モデル(Newmark法)により行い,すべり土塊の変位量を指標とした損傷確率評価の一連の手順を示した.損傷確率評価に際しては,実ダムの法面勾配,設計震度,堤体材料の強度定数から解析モデルを設定し,地震応答,強度の不確実さの影響を考慮したすべり土塊の変位量の不確実さを評価している.損傷確率評価の結果と想定した地震ハザードから,フィルダムの年損傷確率を算出し,従来の耐震設計法に従い設計されたフィルダムに対して変形量を考慮した地震リスクを算出した.
  • 片岡 正次郎, 松本 俊輔, 日下部 毅明, 遠山 信彦
    2008 年 64 巻 4 号 p. 721-738
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     既往の観測記録をもとに,周期2∼20秒のやや長周期地震動の加速度応答スペクトル(減衰定数1, 5%)と加速度フーリエスペクトルを推定する距離減衰式を作成した.距離減衰式を作成する際の回帰分析で得られる観測点補正値をもとに,全国における地点補正倍率を算定した.三次元差分法で計算されたやや長周期地震動と比較することにより,距離減衰式と地点補正倍率の妥当性を検討した.さらに,東海・東南海・南海連動地震発生時のやや長周期地震動を試算した.これにより,日本全国の任意の点におけるやや長周期地震動の推定が,サイトスペシフィック,かつ簡便に可能であることを示した.
  • 広兼 道幸, 野村 泰稔, 楠瀬 芳之
    2008 年 64 巻 4 号 p. 739-749
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     コンクリート床版を対象とした目視点検では,コンクリートの表面に顕在化したひび割れなどの損傷要因に関する視覚的な情報から,床版内部の健全性を評価する.本研究では,構造物の健全性評価の自動化を目的として,ひび割れを有するコンクリート床版のデジタル画像から種々の特徴量を抽出し,パターン認識手法を用いて構造物の健全性評価を試みる.パターン認識手法として,近年注目されている教師なし学習法に代表されるパーセプトロン型のサポートベクトルマシンを適用し,またその識別精度の評価のために,教師あり学習法である学習ベクトル量子化も適用した.コンクリート床版のデジタル画像47枚を対象として,ひび割れによる構造物の損傷度を推定し,両手法の診断結果について比較・検討し,特徴量の選定・抽出および提案手法の有効性を示す.
  • 阿部 雅人, 藤野 陽三
    2008 年 64 巻 4 号 p. 750-764
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     効果的に災害を軽減するためには,災害リスクの特性を理解し,それに応じた災害対策を進める必要がある.しかし,自然災害は多様であり,それに伴う被害も,社会や経済の状態に依存して複雑かつ不確定な様相を示するため,共通の基盤に基づく整合的な理解が困難である.本研究では,日本の長期時系列ならびに国際比較データに基づいた統計分析を行い,自然災害リスクの特性について基礎的検討を行った.災害のモードに着目したところ,経済水準と脆弱性の特性の間に,特徴的な相関関係が存在することが明らかとなった.次いで,脆弱性とハザードの積でリスクを表示する基礎的な多変量線形リスクモデルを構築し,国内・国際統計に適用して,リスク,ハザード,脆弱性の定量的評価を試み,災害対策に対していくつかの有用な示唆を得た.
  • 街道 浩, 松井 繁之
    2008 年 64 巻 4 号 p. 765-777
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     ロビンソン型の合成床版は,鋼板とコンクリートをスタッドにより合成し,コンクリート打設時の鋼板の変形を抑えるために鋼板を横リブで補剛した床版形式である.近年,わが国においてこの形式の合成床版が多くの道路橋の床版に適用されている.これまでの研究により,この合成床版の代表的な疲労損傷形態のひとつとして,スタッドが疲労破断することが明らかになっている.本研究では,著者らが過去に実施した支間部および張出し部の輪荷重走行試験の試験体を対象として,細部まで忠実にモデル化した3次元有限要素解析を実施し,スタッドに作用するせん断力の性状を把握するとともに,解析結果と試験結果および既往の研究結果との比較をもとにスタッドの疲労強度の評価を試みた.
  • 伊奈 義直, 菊地 敏男
    2008 年 64 巻 4 号 p. 778-788
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,高減衰ゴム支承(免震支承)を用いたPC2径間連結連続道路橋に対し,橋梁全体系で観測した27の地震波を基に支承の免震効果の確認,ならびに当橋における免震支承設計法の妥当性を検証することにある.この結果,地震観測による加速度波形,相対変位波形より,支承の免震効果が確認できること,また,地震観測値から算定した支承剛性は,設計値や起振機を用いた振動実験値と整合性があることから,免震支承設計法の妥当性が検証できることがわかった.
  • 大倉 一郎, 長尾 隆史, 石川 敏之, 萩澤 亘保, 大隅 心平
    2008 年 64 巻 4 号 p. 789-805
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,社会基盤構造物に使用されるA6061-T6,A6N01-T5およびA5083-Oの構造用アルミニウム合金材に対して引張試験を実施し,得られたデータに確率統計学的処理を適用することにより,構造用アルミニウム合金のヤング係数およびひずみ硬化に関するパラメータの特性を調べる.そして,非超過確率5%に対応する値を用いて構造用アルミニウム合金の応力−ひずみ関係を定式化する.さらに,MIG溶接および摩擦攪拌接合によって製作された突合せ継手に対して引張試験を実施し,MIG溶接部と摩擦攪拌接合部の応力−ひずみ関係を定式化する.最後に,突合せ継手に発生した残留応力の測定結果に基づいて,MIG溶接および摩擦攪拌接合によって発生する残留応力を定式化する.
  • 杉浦 江, 小林 朗, 大垣 賀津雄, 稲葉 尚文, 冨田 芳男, 長井 正嗣
    2008 年 64 巻 4 号 p. 806-813
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,鋼部材の経年劣化,損傷等に対する効率的な補修方法として,炭素繊維シートを用いた補修工法について検討を行ったものである.まず,炭素繊維シートの剥離強度の向上を目的として,接着端の仕上げ方法に着目した引張試験,FEM解析を実施した.その結果,炭素繊維シートをずらして接着することで,接着端の応力集中は緩和され,剥離強度の向上に有効であることが確認された.また,鋼材の断面欠損部の補修に適用した場合の剥離強度への影響,補修効果の検証を行った.さらに,これらの結果に基づいて,鋼部材の腐食損傷部に対する補修方法を提案した.
  • 阿部 雅人, 藤野 陽三, 阿部 允
    2008 年 64 巻 4 号 p. 814-824
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     社会基盤構造物の効率的維持管理のためには,そのライフサイクルコスト(life-cycle cost: LCC)を適切に評価する必要がある.しかし,社会基盤は,供用期間が長期にわたることや,公共性が高いことから,廃棄される場合においても取替がなされることが一般的であることなどから,既存の工業製品などを前提としたLCC評価法の直接的適用が困難であるとの指摘がある.そこで,取替を考慮した無限期間LCCを定式化し,維持管理における意思決定問題に適用した.その結果,提案手法は,数学的に,割引率0の極限において,社会基盤のLCC評価に広く用いられている平均費用法に帰着され,経常的メンテナンスや予防保全の効果が評価可能であるなど,社会基盤のLCCに適した特性を有していることが明らかとなった.
  • 沼田 克, 栗田 章光, 中井 博
    2008 年 64 巻 4 号 p. 831-840
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     建設コスト縮減のために,連続合成桁が見直され,様々な開発・研究が行われている.それらの設計・施工においては,床版の耐久性を向上するために,中間支点上の橋軸方向プレストレス導入を目的としたジャッキアップダウン工法や,内・外PC 鋼材を用いたプレストレス導入工法が主流となっている.しかしながら,これらの工法では,使用限界状態が改善されるものの,終局限界状態における耐荷力は全く,または,ほとんど改善され得ない.そこで,加熱した補強鋼板を鋼桁に高力ボルトで取り付け,鋼桁を補強すると同時にプレストレス力を導入する熱プレストレス工法によって,使用限界状態と同時に,終局限界状態の耐荷力を向上させる研究を試みた.本稿では,その実験,および解析結果を報告するものである.
  • 金 仁浩, 山口 隆司, 北田 俊行, 中村 智昭
    2008 年 64 巻 4 号 p. 841-856
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,せん断力が支配的な鋼橋I桁端部に注目し,支承上のソールプレート周辺で発生し,下フランジ全幅,あるいは腹板にまで進展した疲労き裂を有する場合のせん断耐荷力特性を単調載荷実験と弾塑性有限変位解析により検討することを目的としている.単調載荷実験では,き裂の部位と長さが異なる3体の実験供試体に対して載荷実験を行い,き裂が生じた桁端部の残存せん断耐荷力を調べている.次に,腹板に進展したき裂の長さをパラメータとした弾塑性有限変位解析を行い,き裂長さと残存せん断耐荷力特性との関係について検討を行っている.その結果,き裂長さが残存せん断座屈荷重に影響し,き裂長さにより崩壊メカニズムが異なること,本研究の対象とした範囲では終局荷重である残存せん断耐荷力にはあまり影響しないことを明らかにしている.
  • 小濱 健吾, 岡田 貢一, 貝戸 清之, 小林 潔司
    2008 年 64 巻 4 号 p. 857-874
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     土木施設の劣化過程は,同一の構造・材料特性,かつ使用条件の下にあっても,土木施設が置かれている環境条件や施工時における品質により,多様に異なることが多い.本研究では,土木施設の標準的な劣化過程をマルコフ劣化ハザードモデルで表現するとともに,ハザード率の異質性を確率分布で表現した混合マルコフ劣化ハザードモデルを定式化する.その上で,標準的な劣化過程をベンチマーキング劣化曲線として表現するとともに,個々の土木施設やその部材の劣化速度を相対評価するための方法論を提案する.さらに,本研究で提案した方法論を,実橋の目視検査結果に適用し,橋梁部材の劣化速度に関するベンチマーキング劣化曲線の作成と,橋梁部材の劣化速度の相対評価を試みる.
  • 保田 敬一, 白木 渡
    2008 年 64 巻 4 号 p. 889-904
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,従来より筆者らが開発してきた桁橋の感性工学手法による分析結果を利用して,合意形成段階でのQuick Responceを目指した桁橋の景観評価・設計支援システムを構築したものである.景観設計を支援するための方策として,カテゴリ変更に伴う評価シミュレーションおよび複数のデザインコンセプトに合致した橋梁例とスコア合計および評価に影響を与えているデザイン要素の表示方法を提案した.そして,構築したシステムの有用性を検討するために,実橋の景観設計例との比較を試み,出力結果の妥当性の考察およびアンケート結果から感性評価の妥当性とDB機能の有効性の評価と効果の確認を行った.
  • 桐生 郷史, 室野 剛隆, 盛川 仁
    2008 年 64 巻 4 号 p. 905-914
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     著者らは,既設開削トンネル外側の側面に免震層(変位吸収層)を配置して地震外力の低減を図る工法が開発してきた.免震層の材料としては,ポリビニルアルコール系ポリマー材(以下,ポリマー材)という柔軟な材料を用いることで,実用性を高めた工法(以下,ポリマー免震工法)としている.
     本論文は,ポリマー免震工法を適用した時に,上載土が開削トンネルに与える影響や,免震効果に与える要因について解析的に検討した.その結果,土被り厚,および地盤と構造物の剛性比が免震効果に及ぼす影響が大きいことが明らかとなった.また,得られたポリマー免震工法の特性に基づき,当該工法を効果的に適用するための判定指標を提案した.
  • 玉井 宏樹, 園田 佳巨
    2008 年 64 巻 4 号 p. 915-925
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     繰返し衝突荷重を受けるRC製防護構造物の衝撃挙動を把握し,さらにその残存耐力を予測することは,性能照査型耐衝撃設計の確立には不可欠であるが,力学的な損傷の蓄積が構造物の耐荷性能に与える影響を評価することは容易ではない.そこで,本研究では,損傷材料の除荷・再負荷時の剛性低下を表現可能なLemaitreの損傷モデルを用いた衝撃解析手法により,単発衝突荷重が作用するRCはりの損傷度評価を試みた.その上で,繰返し衝突に対するRCはりの性能評価を定量的に行うために,新たに提案した鉄筋の累積損傷モデルを用いた衝撃解析手法を開発し,鉄筋の累積損傷度をもとに繰返し衝突を受けるRCはりの残存耐力に関する検討ならびに許容限界衝突条件の算定法に関する考察を行った.
  • 池田 清宏, 北田 俊行, 山川 優樹, 松村 政秀, 柴崎 晃, 狩野 祐一
    2008 年 64 巻 4 号 p. 926-934
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     弾塑性板の終局強度は,初期たわみや降伏応力等の変動に伴い,確率的に変動することが知られている.しかし,弾性座屈と塑性座屈が混在する,その複雑なメカニズムの理論的な枠組みの整備が課題となっている.本論文では,Koiter則を塑性分岐の2乗則を含む形で拡張することにより,このような終局強度の変動の記述法を提案する.初期たわみや降伏応力の変動に伴う板の終局強度の変動特性を,弾塑性有限変位解析により求め,提案する感度則により,この特性を精度よく近似できることを示した.さらに,初期たわみと降伏応力の確率的な変動に伴う,板の終局強度の変動を記述する理論的枠組みを提案し,実測データに対し適用した.このとき,板の幅厚比の変化に伴う,座屈挙動の違いが,板の終局強度の確率変動に影響を及ぼしていることを明らかにした.
  • 島 弘, 渡部 誠二
    2008 年 64 巻 4 号 p. 935-947
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     鋼コンクリート複合構造の設計においては,一般にはずれ止めがすべらないという前提で行われている.しかし,より合理的な設計法とするためには,ずれ止めのせん断力−ずれ関係の式が必要となる.そこで,本研究では,頭付きスタッドのせん断力−ずれ関係を定式化するために,スタッド軸径,コンクリート強度,スタッド強度,スタッドの高さ/軸径をパラメータとして標準型押抜き試験を行った.せん断力をせん断耐力で除し,ずれをスタッド軸径で除すことによって,せん断力−ずれ関係は一つの式で表すことができることおよびせん断力−ずれ曲線の形は,コンクリート強度,スタッドの高さ/軸径,スタッド強度によって異なることを明らかにした.これらの影響を考慮したせん断力−ずれ曲線の包絡線を表す式および残留ずれを表す式を提案した.
  • 中山 義紀, 大町 達夫, 井上 修作
    2008 年 64 巻 4 号 p. 959-969
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     近年,ダム堤体だけでなく関連構造物に対しても,レベル2地震動に対する耐震性能照査が求められている.重要な関連構造物の一つとしてダムゲートが挙げられるが,照査の際には,振動特性に関わる構造条件や作用する外力条件の把握が重要となる.本論文では,ダムゲートの実態と外力条件の一つである地震時動水圧に着目し,ダムゲートの位置及び形状が動水圧に及ぼす影響を把握するための水中振動実験及び数値解析を行った.その結果,形状の影響は小さいが位置の影響は大きく,実用的な耐震性能照査を行うには無視できないことを明らかにした.また,この結果に基づき,ダムゲートに作用する地震時動水圧に関する実用的評価式を提案し,耐震性能照査における有用性について示した.
  • 柴沼 一樹, 宇都宮 智昭
    2008 年 64 巻 4 号 p. 970-981
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     XFEMにおいて生じる構成する節点が部分的にエンリッチされた要素であるBlending Elements (BE) は,PU条件を満足しないことから,その内部において近似精度が低下する.そこで,本研究ではXFEMが特に有効であるき裂解析を対象として,まずき裂先端近傍に生じるBEの解析精度への影響を評価し,BEとJ積分法に基づいた破壊力学パラメータの解析精度に関する因果関係を明確にした.さらにこの結果を基に,BEの直接的な影響を容易に回避できる,J積分経路およびエンリッチメントに関するモデル化の提案を行った.本提案を用いて解析を行った結果,最小範囲のエンリッチメントにより,従来の方法と比較して十分な精度で解析できることが明らかとなった.
  • 富岡 佐和子, 谷口 望, 碇山 晴久, 依田 照彦
    2008 年 64 巻 4 号 p. 1002-1016
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     本研究は,橋梁の構造形式で連続合成桁を採用する際に検討しなければならない中間支点部において,負曲げにより生じるRC床版のスタッドの挙動を把握することを目的としている.特に,現在ではまだ検討事例の少ない疲労試験を行い,疲労挙動に着目している.本研究では,負曲げが発生する連続合成桁の中間支点部をモデル化して,疲労試験および静的載荷試験を行った.本実験結果より,スタッド基部とコンクリートとの付着,床版の下鉄筋とコンクリートとの付着,および鋼上フランジとコンクリートとの付着は,初期疲労レベルでは切れていないと推察でき,通常の走行時を想定した場合,疲労試験後も,テンションスティフニングの効果は期待できることを確認した.
  • 堀 宗朗, 宮嶋 宙, 犬飼 洋平, 小国 健二
    2008 年 64 巻 4 号 p. 1017-1036
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
     本論文は,地震時避難行動予測のために開発された,多様な群集が雑然と避難する状況を想定したエージェントシミュレーションを説明する.エージェントは見る,考える,動くことができ,固有の移動速度で避難経路モデル内を自律的に移動する.移動速度は混雑時や緊急時の人々を写したビデオ画像を解析することで求めており,避難経路モデルはGISやCAD図面から自動構築される.狭隘な街路,地下鉄駅,大型地下空間を対象に,開発したシミュレーションを実行した.さまざまな想定での群集避難の危険性を分析するとともに,密集空間の危険性の相対比較を試みた.
和文報告
  • 大野 友則, 大山 浩代, 別府 万寿博, 塩見 昌紀
    2008 年 64 巻 4 号 p. 875-888
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     煙火工場等の火薬類を貯蔵する火薬庫の建設においては,万が一の爆発に際しても周辺への安全を確保する必要性から保安距離が定められている.保安距離は自由空間中における爆発事象を基準として定められているが,堅固な鉄筋コンクリート造の周囲を覆土した覆土式火薬庫の内部爆発事象は自由空間での爆発とは異なるはずである.本研究は,爆発実験室で模型火薬庫を用いた爆発実験を行い,構造物の破壊や爆風圧の大きさに及ぼす覆土の効果について検討を行っている.模型火薬庫試験体は実規模の約1/20の縮尺とし,C4爆薬を試験体内部で爆発させた.実験では,覆土の厚さおよび爆薬量をパラメータとした.実験結果に基づいて覆土の有無や厚さが爆風圧に及ぼす効果を考察し,換算距離と最大爆風圧の関係を求め,現行の保安距離に係る規定との比較を行った.
  • 弓倉 啓右, 吉武 勇, 浜田 純夫
    2008 年 64 巻 4 号 p. 948-958
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,道路橋のRC床版張出し部上面の負曲げ補強に適用することを主目的とし,CCFPの定着方法について実験的検討を試みたものである.先ず基礎実験として,各種方法でCCFP端部を定着補強したRCはり,およびコンクリート表面部を一部切削してCCFPを埋設定着させたRCはりを用いて曲げ実験を実施した.その結果,後者の方法によりRC床版上面の平滑性を確保できる上に高い定着性が得られることがわかった.さらに,RC床版張出し部を模擬した供試体を用いて輪荷重走行実験を行ったところ,直接輪荷重を受けたCCFP定着部においても,剥離破壊等は生じず,充分な定着性と疲労耐久性を有することが確認された.
和文ノート
  • 桐生 郷史, 室野 剛隆, 盛川 仁
    2008 年 64 巻 4 号 p. 825-830
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
     既設の開削トンネルの耐震補強を行う場合,中柱については,部材のせん断耐力を向上させる鋼板巻き補強などが有効な方法として定着している.しかし,側壁については施工上の制約などが多く,実用的な補強法がないのが実状である.
     本論文は,開削トンネル外側に施工が可能な工法として,地盤を軟らかくするポリマー免震工法,地盤を硬くする地盤改良工法,別の構造体を構築するRC地中連続壁に着目し,地震時における断面力低減効果を検討した.その結果,ポリマー免震工法とRC地中連続壁の断面力低減効果は同等であるが,ポリマー免震工法は,様々な地盤に適用することが可能であり,実用性が高いことが明らかとなった.
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