使用済燃料貯蔵施設に民間航空機エンジンが貫入した場合を想定し,水平方向から衝撃荷重を受ける金属キャスクの密封性能を明らかにすることを目的に水平衝突試験を実施した.試験では,内部にHeガスを充填した2/5縮尺キャスクに,高速飛来物を衝突速度57.3m/sで水平衝突させ,キャスク内部からのHe漏えい率,蓋部の横ずれ変位等を測定した.漏えい率は衝突直後に約4×10
-6 Pa・m
3/sまで上昇したが,試験後20時間経過時点で約1×10
-6 Pa・m
3/sに収束した.本結果を用いて実物大キャスクの漏えい率を評価すると,1×10
-4 Pa・m
3/s未満となり,衝突後,直ちに密封性能に影響を与えることは無いものと推察される.また,本試験を対象とした数値解析を実施し,材料モデルの検証,詳細な蓋部周りのモデル化,初期条件の設定を適切に行うことで試験の再現性を確認した.
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