本研究では,広域な鉄道システムの地震時安全性に関するスクリーニングを目的として,想定される地震に対して構造物の損傷及び車両の走行安全性を統一的な指標で連続的に評価するための予測手法を提案した.本手法では,被害想定に必要な情報は,地震ハザードに関しては,地表面地震動の最大加速度
PGAと最大速度
PGVの2つのみである.また,構造物に関しては,降伏震度
khyと降伏周期
Tsのみである.非常に少ないパラメータで被害を予測でき,また,構造物の被害予測と車両の走行安全性を,構造物の応答塑性率を介して,互いに関連した指標を用いて連続的に評価できる点が利点である.また,その妥当性を兵庫県南部地震での構造物の損傷事例や新潟県中越地震における脱線事例を例に検証した.
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