生物多様性を生み出す里地・里山と同様に,人の暮らしと密接した里川について,大分県南部から中部を流下する大野川流域を対象に以下の3つの視点からその空間構造と心象風景の関係を分析した.
1. 流域内から川と一体的に景観を形成している集落を抽出し,現地調査を行い空間構造を明らかにした.
2. 現地調査を行った里川について,現地調査データをもとに4つのクラスターに分類した.
3. 住民へのアンケート調査およびヒアリング調査をもとに里川景観の特徴を明らかにした.
これら分析の結果,河川と人の生活とが調和した里川における景観の復元の方向性を考える上での重要な基礎資料を得る手法を導出した.今後の河川整備における河川景観の創出に活用できると考えている.
抄録全体を表示