土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
69 巻, 1 号
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和文論文
  • 香月 智, 渋谷 一, 大隅 久, 國領 ひろし, 石川 信隆
    2013 年 69 巻 1 号 p. 16-29
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/20
    ジャーナル フリー
     研究は,個別要素法を用いて透過型砂防堰堤による流木混じり土石流の捕捉性能を解析する手法について提案するものである.すなわち,事前に土石流中に含まれる流木の割合を変化させることにより,流木の有無や混合割合が透過型砂防堰堤の土石流捕捉性能に与える影響について模型実験により検討した.続いて,円柱形要素により流木を,球形要素により礫材をモデル化した三次元個別要素法を用いて実験結果の再現解析を行い,適用性について検討した.その結果,水路内での流下過程で観察された土石流中における流木と礫,大礫と小礫間に生ずる分級現象を表現できることを示した.また,堰堤による流木および礫の捕捉過程および最終形態について,実験結果を再現でき捕捉工間隔によって変化する捕捉率についても,良好に推定できることを示した.
  • 櫻井 英行, 郷家 光男, 白石 知成, 菱谷 智幸, 山浦 昌之, 鹿島 浩之
    2013 年 69 巻 1 号 p. 30-40
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/19
    ジャーナル フリー
     全水頭と流速を独立に補間するRaviart-Thomas混合補間法(RT)を用いた有限要素の三次元浸透流問題における基本性能に関する数値実験の結果を報告する.全水頭のみを未知数とする一般的な有限要素法では,流速を要素ごと独立に計算するため,精度良く連続な流速場が得られない場合がある.一方,RTでは,要素の面に定義したフラックスを自由度として流速の形状関数を構築するため,隣接要素間の共有境界でフラックスを連続にできる.また,ハイブリッド型変分原理で定式化することにより,最終変数をラグランジュ乗数のみに削減することが可能になる.既往の研究は,二次元問題での有用性を示すものがほとんどであるが,本論文では,欠点も含め,浸透流問題におけるRTの三次元要素の基本性能を明示する.
  • 堀口 俊行, 香月 智, 長池 広樹
    2013 年 69 巻 1 号 p. 41-56
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,粒径の異なる粒状体に生ずる偏析現象を基礎的に解明するため,回転円筒実験装置を考案し,2粒径混合球形粒子群の運動特性や偏析現象の生起区分について考察したものである.すなわち,粒径の異なる3種類のガラス球,比重の異なるナイロン球および表面に凹凸が有る粒径の異なる3種類の固化石炭灰を用いた混合材料とし,回転円筒内での偏析現象について調べた.そのうえで,粒径の組み合せや回転円筒の速度の違いによる偏析現象の生起区分を行った.また,その偏析現象における大粒径粒子が先頭部に集中する機構について考察した.さらに個別要素法で偏析現象を再現し,2粒径混合実験の偏析現象の再現能力と,そのメカニズムについて分析した.
和文報告
  • 香月 智, 渋谷 一, 大隅 久, 石川 信隆
    2013 年 69 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/20
    ジャーナル フリー
     平成22年7月16日に広島県庄原市における集中豪雨は,土石流とともに大量の流木を発生させた.このため,同市重行地区では,大量の流木が橋梁に絡まって河道を閉塞し,河川の氾濫被害が生じた.本研究は,この流木の形状特性に関する現地調査を行ったうえで,生起した橋梁閉塞事例に関するシミュレーション解析を行ったものである.すなわち,現地調査により流下した流木の長さ,直径,樹根径を調査し,閉塞シミュレーションのための基礎特性を把握した.そのうえで,樹根部の形状を表現可能な円柱形要素の集合体要素を用いた三次元個別要素法によって,実橋梁の閉塞シミュレーションを行い,その信頼性と閉塞メカニズムに関する知見を示した.
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