土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
75 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
和文論文
  • 吉田 郁政, 田崎 陽介, 西村 伸一, 今出 和成
    2019 年 75 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/20
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     物性値の空間分布推定手法として地球統計学あるいはクリギングと呼ばれている方法が様々な分野で広く使われている.本手法においてトレンド成分の決め方が課題のひとつであるが,本研究ではトレンド成分をスパースモデリング(圧縮センシング)の考え方,ランダム成分をクリギング,すなわち,従来の最小二乗法の考え方に基づいて推定する方法の提案を行った.簡単な1次元の架空データを用いた計算例を通して,従来のLASSO型の目的関数による解ではトレンド成分に偏差が生じる問題点を指摘し,その解決策を提案した.最後に河川堤防を対象として実施したコーン貫入試験の実測データに適用して,N値の2次元空間分布を推定した例を示した.
  • 堀田 渉, 鈴木 俊一, 堀 宗朗
    2019 年 75 巻 1 号 p. 12-22
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
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     実用性が高い地盤構成則である多重せん断ばねモデルを3次元問題に適用する場合,モデルのパラメータの保持に多くのメモリ量が必要とされる.本論文は,この問題を解決するため,従来のモデルの基本的概念は継承しつつも,各段に少ないメモリ量ですむ多重せん断モデルの縮約化を検討する.縮約化とは,さまざまな面に乗ったさまざまな方向のばねを考えるため,一つの方向のばねが多数の面に使われることでメモリが増加する点を考慮し,一つの方向のばねが一度のみ使われるようにすることである.数値実験によって,縮約化された多重せん断モデルが従来の多重せん断モデルと概ね一致する構成則となること,計算メモリと計算時間を軽減する可能性があることを検証した.

  • 角田 貴也, 鈴木 啓悟
    2019 年 75 巻 1 号 p. 23-36
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル 認証あり

     欠陥からの散乱波が有する欠陥形状情報を活用し欠陥形状を再構成する有効手法の一つとして,線形化逆散乱解析が挙げられる.本研究では,この手法のコンクリート試験体への適用において,特徴周波数の抽出に有効な寄生的離散ウェーブレット変換を適用し,骨材や空隙などの散乱ノイズが含まれる波形データから欠陥からの散乱波の特徴を有する周波数帯を抽出することで欠陥像の鮮明化を図る.超音波探傷実験により得られた波形データに対して,有限要素法を用いて解析的に求めた波形より作成した実信号マザーウェーブレットに対応する寄生フィルタを寄生的離散ウェーブレット変換に用いることで特徴周波数を抽出し,Kirchhoff逆散乱解析による空洞欠陥の鮮明な画像化を可能とした.

  • 金氏 裕也, 谷口 朋代
    2019 年 75 巻 1 号 p. 37-46
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル 認証あり

     毛細管内の液状水浸透解析では接触角の動的変化を考慮する必要がある.本検討では,まずガラス毛細管内の液状水浸透高さを計測する毛細管浸透実験の結果から,接触角と液状水の浸透速度の関係について観察を行い,接触角の動的変化の影響を含む動的毛管圧を定義した.次に,それらの影響を考慮した鉛直毛細管内の液状水浸透に関する動的な力のつり合いから支配方程式を構築し,支配方程式の解を近似する解析解を導出した.さらに,毛細管浸透実験の結果と解析結果が良く一致していることから,本検討で提案した動的なメカニズムと支配方程式の解の近似が適切であることが示された.

  • 車谷 麻緒, 加藤 匠, 佐々木 浩武
    2019 年 75 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル 認証あり

     本論文では,異種材料による非均質性を考慮でき,メッシュフリー解析を行うことのできる新しい損傷モデルを提案する.提案モデルの特徴は,1次元問題の理論解を応用することで,二相材料におけるマトリックス相の損傷を評価することのできる定式化にある.この定式化に従えば,二相材料におけるマトリックス相の体積率がわかれば,マトリックス相の損傷を評価することができるので,物理形状とは無関係に生成したメッシュを用いることができ,メッシュフリー的に非線形有限要素解析が行えるという利点を合わせ持つ.1次元問題と2次元問題において,提案モデルの定式化の妥当性を検証した後,コンクリートのメゾスケールを模擬した非常に複雑な非均質性を有する3次元問題に対して,提案モデルの有効性を示す.

  • 羽場 一基, 澤田 昌孝, 堀 宗朗
    2019 年 75 巻 1 号 p. 55-67
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/20
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     原子力発電所のような重要構造物に対する断層変位対策の必要性が指摘されている中,一定の信頼を得る断層変位の評価を行うためには,断層変位の出現の基本メカニズムに立脚した解析が必須である.本論文では,断層変位の基本メカニズムを断層面の摩擦と岩盤の拘束の観点から議論し,数値解析に必要な要件を整理した.さらに,数値計算手法の検証のための単純化された断層変位モデルを構築し,解の唯一性の喪失や安定・不安定等の数理的性質を検証した.その結果,断層変位の基本メカニズムに忠実な解析においては,断層面のずれ変位に複雑な伝播と飛び移りが発生しうることを示した.

  • 鎌田 浩基, 干場 大也, 加藤 準治, 京谷 孝史
    2019 年 75 巻 1 号 p. 68-85
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    ジャーナル 認証あり

     近年,特殊な機能や特性をもつ多孔質構造の研究開発が盛んに行われている.中でもインフィル構造は,高い座屈性能やロバスト性を潜在的に有することが実験により確認され,その基礎的な最適設計法の開発も進められている.しかし,既往の研究では応力制約などの実用に向けた取り組みはまだ報告されていない.そこで本研究では剛性最大化問題に対して局所的な体積制約と,p-ノルムの考え方に基づいた応力制約を最適化問題に加えることで,応力集中を回避するインフィル構造のトポロジー最適化問題を取り扱う.それに加えて,インフィル構造の最適化問題を解くにあたって生じる特有の問題を解決するための手法として,可変的な影響半径という新しい手法を提案する.また本研究で提案する手法に関し,いくつかの数値計算例を用いてその妥当性の検証を行う.

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