土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
76 巻, 2 号
選択された号の論文の55件中51~55を表示しています
和文論文
  • 津田 悠人, 宍倉 輝海, 塚本 裕朗, 吉田 郁政, 菅野 蓮華, 森口 周二
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_531-I_541
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究ではトータルコスト(初期建設費+リスク)最小化に基づいた落石対策工の最適設計手法の提案を行う.リスクは落石による被害確率とその場合の影響度の積で定義した.被害確率は衝突時の落石エネルギーによる確率論的危険度評価手法を提案し,これに基づき算出した.影響度は交通遮断による経済損失や人身損失などから評価した.トータルコストのみで最適配置を決定することは,通常は何らかの予算制約があるため現実的ではない.そこで,初期建設費の総和に対する予算制約を設け,制約条件付き最適化問題として線形計画法に基づいて最適化問題を解くことによって対策工の最適配置を求めた.提案手法を実際の斜面地形に適用し,最適配置の試算例を示した.

  • 本山 紘希, 飯山 かほり, 金田 義行, 白木 渡, 藤澤 一仁, 堀 宗朗
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_543-I_552
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー

    数値シミュレーションによる都市の建物の地震被害評価には,対象とする地盤や建物の自動的なモデル化が必須である.本研究は地盤のモデル化に着目し,都市で得られるボーリングデータを補間して地盤のモデルを構築する手法を示した.手法のポイントは,補間するボーリングデータの地層の不整合に対応可能な堅牢性である.不整合のあるボーリングデータでも適用可能な地層の設定方法を軸に地盤データの補間手法の開発を行った.また,開発した手法を都市の実際のデータに適用することで堅牢性を確認し,加えて,現実的なモデルが得られていることを確認した.都市の被害評価へも適用し,既往の手法による結果と比較することで手法の有用性を議論した.

  • 浦川 文寛, 渡辺 勉
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_553-I_564
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー

    軌道座屈防止のためにはレール温度管理が重要である.地物の陰がレール温度に及ぼす影響を明確化し,レール温度管理に反映させるため,地理データと気象データからレール温度分布を予測する手法を新たに提案した. 実軌道にてレール温度分布を測定し,予測値と比較した結果,提案手法により,日陰と日向,気象条件の差を含むレール温度分布を,冬と夏の両方で再現できることを実証した.また,最高レール温度を誤差 2℃以下で予測できた.さらに,提案手法を実軌道に適用し,夏季の予想最高レール温度を試算した結果,現行の管理では場所によらず一様なレール温度分布を仮定しているが,地物の影響等により最高レール温度が 2℃以上低下する区間が,今回計算対象とした区間の中で 16%,3℃以上低下する区間が 9%存在することが分かった.

  • 出口 翔大 , 浅井 光輝, 植木 裕人, 竹内 友紀, 川崎 浩司
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_565-I_576
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー

    同時に発生した巨大津波は東北地方沿岸部を中心に広域的かつ甚大な被害をもたらした.また近年では各地で豪雨災害が頻発し,自然災害時の被害予測が求められている.しかし,自然現象は多くの不確実性を有しており,災害シミュレーションにおいてはシナリオの設定が困難である.こうした背景から,不確かさを定量化するために,詳細な数値解析を代理表現する簡易なサロゲートモデルを構築し,低計算コストで被害を確率論的に評価する方法が提案されている.本研究は,なかでも特異値分解によるデータ圧縮と多項式回帰を組み合わせたサロゲートモデルに着目し,カーネルリッジ回帰による回帰の効率・性能を向上させた改良法を提案し,その有用性を確認した.

  • 和田 光真, 久保 栞, 吉田 秀典
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_577-I_585
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー

    大地震の被害の一つに,ため池の崩壊にともなう流出水による家屋の被害がある.ため池が大地震で突如決壊すれば,流出域の住民に周知される時間もなく,また別の場所へ避難する間もなく浸水する可能性がある.このとき多くの住民は家屋上階等への垂直避難を余儀なくされるが,避難する家屋そのものが被害を受けるリスクを評価する必要がある.しかしながら,現行のため池ハザードマップでは,家屋倒壊リスクが明確に示されておらず,また被害事例や研究データもほとんどない.そこで本研究では,3 次元洪水解析によってため池崩壊による流出水の流速および浸水深を予測し,家屋倒壊リスクを評価する.検討の結果,流出水の速度や浸水深は地形に左右され,新耐震基準の家屋被害は少ないことが示された.

feedback
Top