土木学会論文集B
Online ISSN : 1880-6031
62 巻 , 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
和文論文
  • 木原 直人, 花崎 秀史, 植田 洋匡
    2006 年 62 巻 4 号 p. 303-312
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     3次元直接数値計算を用いることにより,一定速度で進行する進行波列上の気流における,運動量及びスカラー量の輸送特性を調べた.10種類の波齢(c/u* = 0, 2, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 16, 20)の場合について,完全発達乱流を解析した.kz < 1.5 において,波による運動量フラックス及び波によるスカラーフラックスの影響により,平均流速及び平均スカラーの鉛直勾配は,波齢により大きく変化する.これに伴って,抵抗係数及びスカラー交換係数は,両方とも,波齢に強く依存することがわかった.また,スカラー交換係数の波齢依存性は,抵抗係数と比べて,ほぼ同じ強さであった.
  • 芹沢 真澄, 宇多 高明, 三波 俊郎, 古池 鋼
    2006 年 62 巻 4 号 p. 330-347
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/20
    ジャーナル フリー
     Bagnoldの平衡勾配に関する研究に立ち帰って平衡勾配概念を再考し、実測海底勾配を平衡勾配として与えることで,岸沖・沿岸漂砂の区分を設けることなしに波浪場での漂砂フラックスを与える式を導いた.またBagnoldのEnergetics Modelの考え方を応用し,外力として砕波点における波浪条件のみを用いた漂砂フラックス式を導き,それより海浜変形モデルを構築した.モデルを,海底掘削穴が埋め戻されると同時に浜崖が形成されるメカニズムの検討,沿岸漂砂卓越海岸に設置された突堤群周辺の海浜変形と突堤群沖での等深線の蛇行現象,さらには清水海岸の離岸堤群式ヘッドランド周辺での海浜変形予測に適用して考察するとともに,東播海岸での養浜時海浜変形予測への適用も行い,モデルの定量的意味での再現性を確認した.
  • 日比野 忠史, 松本 英雄
    2006 年 62 巻 4 号 p. 348-359
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/20
    ジャーナル フリー
     広島湾奥の海底付近に存在する浮泥層を含めた底質の性状変化と浮泥層の形成機構について明らかにすることを目的として,5年間にわたって浮泥調査を行った.調査結果をもとに浮泥の一般的特性について示すとともに.浮泥層は海面表層からのデトリタス等の沈降,海底での水平移流(高濁度層の移流・沈降)の他,堆積泥の再浮泥化(海水の流出入による底泥層の膨張)によって形成されることを示した.呉湾沖南奥での観測結果において濁度の上昇時に限界せん断応力は観測されておらず,水平流れによる巻き上がりは起こってないこと,成層期には,底泥への海水の流出入量が大きく,海水の底泥への流入が卓越し,底泥の含水比を増加させていることを明らかにした.
  • 泉 典洋, 山口 里実
    2006 年 62 巻 4 号 p. 360-375
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     水位-流量曲線に見られるヒステリシス現象や単一水理条件下における河床形態の多価性がデューン-平坦床遷移時に生じる亜臨界分岐に起因する可能性を,著者らは弱非線形解析を用いて明らかにしている(以降,前報と呼ぶ).本研究は,前報で用いられていた近似解法を用いずに同様の解析を行うと同時に,フルード数とシールズ数の依存関係を適切に導入し分岐パラメータとしてのフルード数を再定義することにより,実験結果の意味を再評価し理論の再検証を行ったものである.解析の結果,河床勾配が小さく流速係数が大きい領域において,デューン-平坦床遷移は亜臨界分岐で特徴付けられることが明らかとなった.また流速係数が大きい領域における河床形態の多価性について実験結果は解析結果を裏付けることが示された.
  • 陸田 秀実, 伊澤 亮, 土井 康明
    2006 年 62 巻 4 号 p. 376-387
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     本論文は,複雑流体場における高精度な移動境界面の追跡法としてParticle CIP法を新たに提案するものである.この方法は,既存のEulerianスキームで問題となっている質量保存と界面追跡精度を向上させるために考案したものである.Particle CIP法は,質量を持たないLagrangian粒子を配置することによって,格子解像以下に引き伸ばされた膜状の複雑界面を捕獲するとともに,密度関数の移流誤差を修正する点に大きな特徴を有している.
     本論文では,Particle CIP法を種々のベンチマーク問題に適用し,その有用性と精度を検証した結果,複雑な移動境界面を高精度に捕獲することが可能であり,物理量の保存性も良いことが確認された.
  • 柿沼 太郎, 秋山 実
    2006 年 62 巻 4 号 p. 388-405
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     地変に伴う津波の発生過程の数値解析を行なった.静水圧近似や長波近似を行なわない計算手法を適用し,非圧縮性流体の運動を解析した.空隙率とVOF関数を併用することにより,計算格子を固定したままで,底面や水面の変動を考慮できる.時間とともに進行する海底の隆起や沈降が生成する,津波の水面形や,流体内の速度,加速度及び圧力を算出した.鉛直2次元解析では,津波の初期波形が初期水深に依存し,底面の永久変位と必ずしも一致しないこと,また,地変速度の変化に応じて,流体内に動圧が発生することを確認した.そして,津波の発生から遡上までの一連の過程を対象とした計算を行なった.3次元解析では,津波生成過程における,波源域近傍の複雑な流体運動の計算を行ない,生成した津波が斜面上を伝播する様子をシミュレートした.
  • 山上 路生, 禰津 家久, 土井 智礼, Hoang QUANG
    2006 年 62 巻 4 号 p. 406-418
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     これまで複断面開水路流れで観察されるせん断水平渦については多くの知見が得られているが,それらのほとんどが直線水路を対象としたものである.一方で実際の河川流には多くの湾曲・蛇行領域が存在するから,水平渦の蛇行挙動を解明することは蛇行河川における低水路と高水敷間の質量や運動量の交換特性や浮遊土砂輸送を予測する上で重要である.そこで本研究では多断層PIVシステムを用いて蛇行複断面開水路流れの3次元領域を同時に画像計測した.それらの結果から,時間平均流特性や乱流構造を考察するとともに高さの異なる層間の時空間相関特性や固有直交展開によるモード解析を行い,直線から蛇行への断面遷移領域での水平渦の挙動変化や蛇行複断面流れに特有のせん断組織渦の発生特性を実験的に明らかにした.
  • 横嶋 哲
    2006 年 62 巻 4 号 p. 419-436
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
     自由表面を流れの一境界ではなく,非常に急な安定密度界面とみなす‘気液二相アプローチ’を提案した.このアプローチでは自由表面と乱れの相互干渉(自由水面効果)は界面極近傍での強い安定成層によって特徴付けられる現象と捉えられるなど,自由水面乱流のモデリングにおいてこの新たな視点は明確な物理的根拠(密度成層の力学)を提供する.ここでは乱流クロージャにReynolds平均モデルを,界面捕獲法にレベルセット法を用いて,気液二相アプローチのCFDへの実装例を示した.提案された手法を開水路等流及び水面の大変形を伴うトレンチ上流れに適用し,このアプローチの有用性を考察した.特に乱流モデルについて改善の余地は残るものの,数値安定性や基本的な予測性能について気液二相アプローチの有用性を支持する結果が得られた.
英文論文
  • Jen-Yang LIN, Yen-Chang CHEN, Eric Hsienshao TSAO, Han-Chung YANG
    2006 年 62 巻 4 号 p. 320-329
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
    Owing to the characteristics of Taiwan’s watersheds includes erodible solid, uneven rainfall, steep slopes and high mountains, only 30 percent of terrestrial surface is not occupied by mountains. Traditional river engineering work has always emphasized safe and practical, but not necessarily ecologically or environmentally sound designs. In recent years, however, environmental awareness and the demands of outdoor recreation have risen dramatically. Large scaled river "beautification" projects have received considerable attentions and many have been implemented. On the other hand, still relatively few engineering projects are designed for maintaining ecological functions or habitat protection and restoration. The lack of close communication among biologists, ecologists, and civil and environmental engineers has been recognized as an important factor. Another significant factor is the scarcity of data on the quantitative relationship between hydraulic patterns, streamflow structure and habitat requirement for specific target species. In this paper, a brief description of the status of activities regarding "ecological engineering methods" in Taiwan is given. A case example of recent collaborative efforts including the hatchery center, streambank treatment, and backwater area made for saving the Formosan landlocked salmon population is described, with emphasis on the quantification of the relationship between refuges and habitat requirements of the endangered fish. A two-dimensional computational fluid dynamic model is used to help the design of backwater area. It shows that the hydraulic model can be considered as a suitable technique for habitat restoration.
  • Rafik ABSI
    2006 年 62 巻 4 号 p. 437-446
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/20
    ジャーナル フリー
    A roughness and time dependent mixing length equation is developed from an extension of von Kármán’s similarity hypothesis, based on local equilibrium (turbulent energy production balanced by the dissipation), with an algebraic equation for the shape of the turbulent kinetic energy. Our vertical mixing length profile and the related mean velocities approach the experimental data well. We show that our equation follows Prandtl’s mixing length equation only near a smooth wall. The use of the proposed time-dependent mixing length equation in a turbulent oscillatory boundary layer shows, like the k-ε model, an increase in the mixing length and the eddy viscosity near flow reversal.
英文報告
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