土木学会論文集B
Online ISSN : 1880-6031
ISSN-L : 1880-6031
63 巻 , 1 号
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和文論文
  • 市川 温, 松下 将士, 堀 智晴, 椎葉 充晴
    2007 年 63 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/01/19
    ジャーナル フリー
     本研究では,寝屋川流域を対象として,水災害危険度に基づいて土地利用規制政策を実施した場合に生じる費用と便益を比較することで,土地利用規制政策の費用対効果や適用性について検討した.その結果,再現期間が2~30年相当の降雨で浸水する地区の利用を規制したとしても社会的な便益が費用を上回ることが明らかとなった.また,寝屋川流域総合治水対策を参考に,土地利用規制政策とハード的対策を比較したところ,両者の費用はほぼ同等であり,どちらかが一方的に有利というわけではないことが明らかとなった.さらに,我が国の将来的な人口減少が土地利用規制政策の適用性に与える影響を検証したところ,人口減少下では土地利用規制に伴う総便益が現況の値より大きくなり,土地利用規制の適用性が拡大する可能性のあることが示唆された.
  • 前野 詩朗, 小川 誠, 道奥 康治
    2007 年 63 巻 1 号 p. 16-28
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/01/19
    ジャーナル フリー
     近年,環境面に優しい自然石礫で構築される多孔質水理構造物が注目されている.本研究では,多孔質水理構造物の一つである多孔質堰周辺流れを精度良く再現できる解析モデルを提案した.解析モデルでは堰周辺の複雑な自由表面を表現できるVOF法を適用した.また,基礎式中に多孔質抵抗として層流抵抗と乱流抵抗の両者を考慮した抵抗則を導入した.非越流状態と越流状態の流れを対象にして解析を行った結果,提案した解析モデルは多孔質堰周辺の流れを精度良く再現することが確認された.
  • 江種 伸之, 齋藤 彰一, 平田 健正
    2007 年 63 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/01/19
    ジャーナル フリー
     ネットワークの高速化やパーソナルコンピュータ(PC)の高性能化により,PC間をネットワーク結合したPCクラスタを利用した並列計算機がスーパーコンピュータ並みの高速計算処理能力を有するまでになってきた.本稿では,地下水中の物質輸送解析法の一つである特性曲線法を分散メモリ型のMPI(Message Passing Interface)を用いて並列化し,PCクラスタ上で実行させて並列化手法の有効性を検討した.その結果,PC8台を利用した場合の演算速度の向上は最大6倍となり,並列実行の効果が大きいことがわかった.
  • 山本 潤, 田中 仁, 佐伯 信哉
    2007 年 63 巻 1 号 p. 39-50
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/01/19
    ジャーナル フリー
     養殖の盛んな閉鎖性の内湾である高知県の野見湾では,夏よりも秋に湾内の水質が悪化するケースが多い.それは地元養殖漁業者らの間で漁業被害をもたらす「秋の水止まり」として警戒されている.著者らが観測したところ,夏には潮位差10mを上回る内部潮汐が発生し,これに伴い湾内底層に外海由来の低温・高塩分の水塊が流入していることがわかった.一方,秋には湾内流速が夏に比べ減少し,夏には見られなかった貧酸素水塊が捉えられた.内部潮汐を再現させる計算によって上記現象を検証すると,内部潮汐が野見湾の海水交換に大きく寄与していること,夏は内部潮汐による海水交換によって湾内水質が維持されるが秋には海水交換が不足して貧酸素水塊が発生すること等が明らかとなった.
  • 鴫原 良典, 藤間 功司
    2007 年 63 巻 1 号 p. 51-66
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
     津波数値解析における線形分散波理論モデルについて,安定条件や打ち切り誤差特性からLeap-Frog陰解法が実用計算に最も優れた手法であることを明らかにした.新たに分散項にポテンシャル関数を定義することでポアソン方程式として陰的に解くことのできる線形・非線形分散波理論の数値計算法を提案した.差分方程式の厳密解がLeap-Frog陰解法と同等であるため安定性を損なわれず,従来モデルに比べ大幅に計算時間を短縮できる.線形分散波理論についてCarrierの解析解や従来モデルの数値解との比較から本モデルの妥当性について検証し,現地問題にも適用可能であることを示した.また,Berkhoffらの水理模型実験の再現計算を実施し,非線形波動場における現象も本モデルにより精度よく再現できることを示した.
  • 柳嶋 慎一, 加藤 一正, 長谷川 巌, 岩佐 直人
    2007 年 63 巻 1 号 p. 73-91
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/03/20
    ジャーナル フリー
     荒天時の急激な前浜侵食は,海浜の高い位置まで遡上した海水が砂浜中に浸透して地下水位が上昇し,前浜からその海水が浸出するところで発生する.この機構を考慮し,荒天時の海浜侵食防止の方法として,本研究では,砂中に透水性の高い層を埋設し,浜に浸透した海水を速やかに沖に排水して地下水位の上昇および前浜からの海水浸出を抑制するという海浜の安定化工法を開発した.この工法の海浜侵食防止効果を,模型実験,波崎海洋研究施設における現地実験で確認するとともに,本工法によって静穏時には,透水層埋設範囲を中心に堆積が促進されることを確認した.
和文ノート
  • 岡田 知也, 高尾 敏幸, 中山 恵介, 古川 恵太
    2007 年 63 巻 1 号 p. 67-72
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
     流域圏の都市化が著しい東京湾に対し,2002年および1947年から1974年までの期間の平均的な海水の滞留時間を求めて比較した.1947年から1974年までの塩分には,既往の研究で整理された塩分を用いた.2002年の塩分には,2002年に月2回の頻度で湾内27地点において実施された観測値を用いた.1947年から1974年までおよび2002年の淡水流入量は,降水量および流域外からの導水量を用いて求めた.その結果,2002年の内湾の海水の滞留時間は,年平均:31日,夏期:19日,冬期:43日だった.一方,1947 年から1974年までの期間の平均的な内湾の海水の滞留時間は,年平均:48日,夏期:28日,冬期:79日だった.
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